(最終回)旅と健康―私のがんはなぜ消えた? – 5
本連載は「旅を通して転移がんを克服した全記録」です。(編集担当:resortboy)
がんが再発した当時の私はまだ56歳と若く、この楽しみや幸せを「がん」なんかに奪われてたまるか、という気分でした。これが私の自己流がん治療の原動力になりました。
私のがんはなぜ消えた?
ただ客観的に見て、私のさまざまな試みの何が、がん再発・転移を防いだのかは分かりません。
がんセンターの主治医による2回目の手術で完全にがんが切除され、その後、何も対策せずとも再発しなかったのかもしれません。私のさまざまな取り組みは効果的だった、と、個人的には思いたいのですが、判定のしようがありません。
ただ、私は自分のがんをやっつけた、とは思っていません。単にCTには写らなかっただけで、私の体内にまだ沢山のがんは残っているでしょう。
がん細胞は、健康な人の身体でも毎日5,000~6,000個もできていると言われます。新たにがんができても、リンパ球はじめ免疫細胞で抑えています。がん殲滅など、理論的に無理な話です。がんと共存できればそれでいいのです。
がんちゃん、ありがとう
私はがん患者になって色々学びました。
健康な人は、健康が当たり前と思って日常のささいなことに不満を持ってしまいます。しかし、がんと戦っている人、特に再発・転移した人は命の不安におびえ、健康のありがたさ、人の優しさを人一倍敏感に感じます。
「どこも痛くも痒くもなく、苦しくもない。美味しく食事を頂き、日々、健康に過ごすことができる」
これ以上、何を求めるのでしょうか?
私は今まで、真剣に病気や健康について勉強してきましたが、これは私が「がんになったから」、特に、「がんが再発・転移したから」です。がんでなければここまで勉強しません。私はがんになって本当によかったと思っています。
「がんちゃん、ありがとう」です。
以上で、私の「がん闘病記」は終了です。ここでしばらく連載をお休みしてから、「第2部」を再開したいと思っています。
第2部はさまざまな健康の話題や、現在私が学習しながら実践している「オートファジー」「半日断食」「アンチエイジング」などについて取り上げていく予定です。
今までご愛読ありがとうございました。
(終わり)
【前回】第43回・旅と健康―私のがんはなぜ消えた? – 4
本連載が単行本(紙の書籍)として刊行されました
(本連載記事一覧)がん患者よ、旅に出よう!
(スペシャル対談)私のリゾートライフの全体マップ
(筆者ホームページ)舟橋栄二「第二の人生を豊かに」