先週末に、東京での5回目の勉強会を開催しました。当日は雨の降る中、お集まりいただきましてありがとうございました。

今回の勉強会は「ウィズコロナで再評価される会員制リゾート」と題してお届けする予定だったのですが、調査・研究を進めているうちにかなり内容が変わってしまいまして、実際には以下のような内容で約2時間、お話をしました。

現在進行形のコロナ禍の中のホテル業界を取り扱ったため、すぐに内容が古くなってしまうと思いますし、また、僕(=ワンオペ父さん)が多忙でいつ記事にできるかわからないので、簡単にテーマの部分だけを公開しておきます。

全体は4部構成で、第1部では、リゾートトラスト社の最新の決算内容を有価証券報告書のデータを使ってレビューし、主にホテルの稼働率についてお話をしました(パートタイトルは「リゾートトラストのホテル稼働率」)。

最初に同社の主要3事業の利益バランスを復習して(こちらの記事で書いた話題です)、続いて、エクシブ、サンメン、ベイコートの会員制ブランドの四半期ごとの稼働率について、直近3年間の変化をグラフを使ってビジュアルに検討しました。

サンメンは通年で高稼働しており(これはシティホテルの室数が多いためです)、リゾートホテルであるエクシブは夏休みの稼働率が目立って高いこと、そしてベイコートは、かつては年末に向かって稼働率が高まっていましたが(これはパーティ需要なのだと推測します)、芦屋やラグーナの開業で傾向が変わり、年を追うごとに稼働率が低下していること、などを、グラフを見ながら解説しました。

第1部の後半では、エクシブとベイコートの全ホテルの稼働率をグラフにプロットして、開業タイミングと稼働率の関係を明らかにしました。これによって、同社のホテル開発戦略(つまりリゾート会員権事業そのものの戦略)の変遷が、データの裏付けとともに浮き彫りになりました。

勉強会では、印刷した以下のグラフを配布して、書き込みを入れるなどのワークを行っていただきました。ここでは、その書き込み前のグラフをご覧に入れます。

このグラフは、縦軸が2020年3月期通年の室稼働率(単位:パーセント)で、横軸が開業順(右に行くほど古い)です。有価証券報告書には、同じ場所に追加で開業したホテル、例えば、鳥羽や軽井沢については合算の数値しか公表されていないため、このグラフでもそのようになっています。例えば、鳥羽別邸と鳥羽アネックスは「鳥羽」としてまとめて表現されており、軽井沢パセオ、ムセオなども同様です。

グラフを見やすくするために、着色している部分について説明します。

稼働率の高い赤色のドットは、「離宮」シリーズのエクシブです。青色は、追加のホテル開発を伴わない単独のエクシブです(那須白河のドギーヴィラは小規模で同時開業なので無視しています)。

緑色は、開業後にサンクチュアリ・ヴィラやアネックスなどの別棟が追加されたエクシブです。そして黒色がベイコート倶楽部になります。また、斜めの直線は、全体の傾向を代表するトレンドラインとして描画しているものです。

このグラフについての解説はこの場では控えておきますので、皆さんどうぞご自身であれこれと考えてみてください。

あれ、今日は第1部の話題の紹介だけで長くなってしまいました。また続きを書きますね。今日はこれまで。

最後に冒頭の写真ですが、勉強会終了後に訪れたホテルの近くでの1枚です。

草原のような斜面には小さなお花がたくさん咲いていて、お休み処にはドライミスト装置が備え付けられていて、梅雨の晴れ間のひとときを過ごすのにとても快適な場所でした。勉強会の後の懇親会は、今のような状況ではなかなか公式開催できないのですが、こんな開けた場所ならば、「密」にならずに楽しく過ごせるかな(ベイコートもよく見えるし)。そんな風に思いました。

有明は、東京ビッグサイトとその周辺のオフィス街を中心に成り立っている街ですが、ビッグサイトはオリンピックの報道センターとして借り上げられていて、今は休業状態。街全体が公園として作られているこの街は、閑散としているものの花壇のお花は相変わらずきれいに植えられているし、近隣に数多く建ったタワマンからはお子さん連れが遊びに来ていたりして、週末はとてものんびりしています。

ホテルもとっても安いので、皆さん、ぜひ有明においでください。休業していた東京ベイコートのOZIO(一般利用も可能なイタリアンレストラン)も営業再開しましたよ。

2 コメント

  1. 稼働率グラフ大変興味深いです。
    私のような庶民は、エクシブやベイコートを利用する場合には、比較対象が意識的にまたは無意識的にあって、常におトクかどうか比較しながら利用しています。
    離宮シリーズのルームチャージは周辺宿泊施設と比較すると、やはりおトクです。例えば箱根離宮と近隣のホテル(箱根吟遊、富士屋ホテル)と比較すると、一人分で箱根離宮一室のルームチャージの3倍以上はします。おまけにクオリティーも全く負けていません。
    古い施設はやはりリニューアルしないと、コンセプトが古くおトク感が無いです。例えばサンクチュアリでは無い山中湖は、富士山見える大浴場作る等しないと、ハード面から見て周辺の宿泊施設と比較しても値段なりです。
    他のオールドエクシブも閑散期にドラスティックな価格の連泊プランを作り下方向の価格弾力性を持たせたり、コンドミニアム的に使えるような調理器具やお皿の貸し出し等するなど、居心地の良さを活かしたアプローチをしないと稼働率は上がらないのでは?
    ベイコートは、赤を消費することやそもそもの値段が高過ぎます。こんな素敵な部屋に、こんな価格!?というワクワク感や会員メリットが全く感じられない……。一回使ってみようかというお試しか、高い値段を払うことにステータスを感じる一部の層にしかアピール出来ていないのでは?
    良い施設なのに時が経って劣化していくのが非常に勿体ない……。

  2. もなあくさん、正鵠を射たコメントをありがとうございました。勉強会でも「何と比較するのか」という話題でご参加の方々とディスカッションをして、そこがまさに会員権とは何かを解くためのカギであることを認識していたところです。

    別荘のオルタナティブとして生まれたリゾート会員権が、高級旅館との比較軸でとらえられるようになったのは、奈良屋旅館や天野屋旅館の行き詰まりが要因でした。コロナ禍で名門旅館が同様に行き詰まるとすれば、そのチャンスをとらえるのは誰でしょうね。

    またこのグラフを見ると、こうした2000年代後半移行の離宮シリーズへの移行によってリゾートトラストの業績がさらに飛躍したことや、それを高額会員権として支えたベイコート倶楽部の、戦略的か結果的かはわかりませんが「位置付け」がとてもはっきりと現れていて、わかってはいたものの、改めて驚かされます。

    おっと、いろいろと話したいことはあるのですが、公開の場であるオンライン上では、皆さんのご意見を聴く側に集中しようと思います。

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