ヒルトンに広がる「驚くべき」世界 – スペシャル対談 舟橋栄二さん(10)

funasanことトラベルライターの舟橋栄二さんをお迎えしてのスペシャル対談の第10回目をお届けします。今回は、マリオット、SPGに続き、ヒルトンの上級ステータスを得て、funasanの地元であるヒルトン名古屋を利用されている様子について伺います。そこには驚くべき世界が広がっていたようですが、その中身とは。

(初回の記事はこちら)インパクトがあったエクシブとの出会い
(第2回の記事はこちら)エクシブの魅力は「安さ」だった
(第3回の記事はこちら)「世代交代」でエクシブを活かす
(第4回の記事はこちら)リゾート会員権の破綻がもたらしたユーザー志向
(第5回の記事はこちら)高級化とサービスカットのはざまで
(第6回の記事はこちら)リゾート会員権のいちばん得する使い方
(第7回の記事はこちら)エクシブ変化の裏でホテル国際競争が起きた
(第8回の記事はこちら)「海外修行」を経てマリオットを別荘に
(第9回の記事はこちら)激震だったマリオットとSPGの合併

funasan(以下F):多分、ヒルトンの経営者はちょっと危機を感じていると思うんです。マリオットがSPGを買収して、巨大な世界最大のホテル連盟ができちゃったので、これをそのままにしていくと、ヒルトンは自然に低下しちゃいますよね。なんとかして上級客をヒルトンの方に奪ってこようということで、頻繁にステータスマッチをすると。

resortboy(以下R):「ステータスマッチ」っていうのをご存じない方もいらっしゃると思うので、ちょっと簡単に説明していただいていいですか。

F:例えば、マリオットやSPGのプラチナメンバーは最上級メンバーですので、インターネットで申請すると、3カ月とかトライアルで、ヒルトンの最上級の「ダイヤモンド」にしてあげますよと。さらにその間に、私の場合は8ステイだったかな、8ステイをすると、さらに2年間、ダイヤモンド(のステータス)を差し上げますよ、と。

R:つまり、ヒルトンはヒルトンでステータスを維持するための基準というのはあるけれども、それとは別に、他のホテルチェーンの最上級の会員を取り込むために、有利な条件で「お試し」のような制度があると、そういうことですね。そのお試し制度の中では、今おっしゃった「8ステイ」というような非常に少ない泊数で、最上位のステータスが正式に得られる。そういう制度があると。

F:そうです。マリオットSPGのプラチナになった1年目だったんですけれど、せっかくくれるんだったらもらってみようか、ということで、2017年の冬にトライアルをして、3カ月間で8ステイをして、ヒルトンダイヤモンドになりました。名古屋にはヒルトン名古屋がありますので。

やっぱりダイヤモンドメンバーというのは最上級ですから、もう無条件にエグゼクティブにアップ(グレード)してくれます。去年(2017年)一年、それで遊んでみたんですよね。

こうしてマリオットからSPG、SPGからヒルトンにと、巨大なホテルチェーンを使い分けていくと、それぞれにまた魅力があって、ヒルトンはヒルトンで、違う面白さと魅力があるんですよ。

R:先ほど、マリオットはもうあまり使ってない、とおっしゃっていましたけど、SPGは高級な(ホテルブランドの)ラインに魅力があって、それとラウンジが下のステータスと混ざっていないので質が保たれている、というお話がありました。ヒルトンに関しては、どういうところが魅力に感じられますか。

F:ヒルトンは頻繁にキャンペーンを打つんですよね。

R:「お得感」っていうことですか。

F:もうね、50%オフっていうのをよくやっていて。

R:いわゆる「フラッシュセール」。

F:フラッシュセールを年間何回もやりますよね。普通、フラッシュセールって言うと、私のイメージではラックレート・公示価格からの50%オフです。インターネット(の予約サイト)には安売りがいっぱい出ているので、それほど安くじゃないんじゃないかと普通は思うんだけども、ヒルトンの場合は違っていて、通常の「シンプルステイ」というのの半額なんですね。

R:ラックレートっていうのは、いわゆる「一番高い値段」のことですよね。そのホテルが出している「正価」です。ですが、だいたいホテルというのは、泊まる日によって値段が違います。よく「ベストフレキシブルレート」とか、「シンプルステイ」とかいろんな言い方がありますけれども。

ヒルトンの場合は「シンプルステイ」という言い方で変動価格を提示しています。毎日(お部屋の)値段が違うんだけれども、ラックレートとは別の、その変動価格からフラッシュセールではさらに半額になる、っていうことですね。

F:で、ホントは言いたくないんですけれども、名古屋というのは本当にローカルで魅力がない都市だから、観光客としてはね(笑)。その代わりサービスは本当によくて。50%のフラッシュレートで私はば~っと予約するんですけども、なんと最低価格10,350円ぐらいで、予約するんです。

R:それはツインのお部屋ということですよね。最低ランクのツイン。

F:キングでもツインでもどっちでも料金は同じです。で、日本のヒルトンは1人予約と2人予約では料金が違うんですけども、ヒルトン・オナーズのメンバーは、1人で予約しても1人余分に泊まれるという。(注:ヒルトン・オナーズはヒルトンの会員制度の名称です。会員権ではありませんから、会費などは一切かかりません)

R:そうですね。2人目のゲストはフリー、という制度になっています。

(参考:公式)ランクと特典 – ヒルトン・オナーズ・ロイヤルティ特典

F:ですから必ず、ネット予約の時には1人で予約をすると。1人利用で、公式サイトの一番の安い価格で予約をする。すると、本当に税サービス込みで10,350円くらいで予約できてしまう。

R:っていうことは、お部屋代が4桁の時があるということなんですね。

F:8,000円くらいですね。

R:それに税金とサービス料を足して、トータルのコストが1万円ちょっとと。

F:で、それで妻と一緒に行って、2人で行ってエグゼクティブルームにアップグレードしてもらって、ラウンジを使い放題と。しかもあそこは、ラウンジアクセスできる人は、2階に「ザ・テラス」という素晴らしいブッフェレストランがあるんですけど、朝食をそこで食べてもいいという。

(注:ヒルトン名古屋のブッフェレストランは2018年12月に、リニューアルされた1階に「インプレイス 3-3」がオープンし、ザ・テラスの営業は終了しました)

R:ヒルトンはその辺がいいところですよね。SPGだとラウンジで食べなきゃいけないっていうところが普通のように思いますけれども、ヒルトンの場合は、今お話を伺っているこのお台場もそうですけれど、朝食はレストランでもOKということがありますよね。

F:例えば妻と名古屋ヒルトンに行く場合でも、エクシブと一緒なんですよ。午後1時頃にチェックインして、まずラウンジでティータイムなんですが、本当に名古屋(のヒルトン)っていうのはサービスがよくって、お昼に行くと、サーモンクロワッサンサンドが置いてあるんです。

R:お昼にもお食事っぽいものがあるということですね。

F:もうランチになっちゃうんですよね。で、3時ごろからアフタヌーンティーでケーキやスコーンとかサンドイッチまで出てきて。6時からはカクテルタイムが入ってきて、アルコールもフリーと。

フィットネスクラブやプールはいい加減にやるんですけども、まぁちゃんとスポーツもできて。

要は、1時頃にチェックインして軽いランチ、アフタヌーンティー、それからフィットネス、それからカクテルタイム。寝て、朝食はあのブッフェの素晴らしいレストラン。部屋に帰ってきて、またラウンジでちょっとティータイム。で、またフィットネスクラブへ行って、1時ごろにチェックアウト。チェックアウトした後もまたラウンジで、という。

それ全部やって、1万ちょっと。2人で。

R:これは非常に「驚くべき世界」ということですね。

(続き:「安くて豪華に」を見失わずに – スペシャル対談 舟橋栄二さん(11) | resortboy's blog – ホテルの会員制度を楽しむサイト

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