前回は、旧泉郷の伊豆高原のコンドミニアムが完全セルフサービスの宿にリブランドされる、という話をレポートしました。今回はそれを踏まえて、旧泉郷の発祥の地である八ヶ岳エリア、「AMBIENT八ヶ岳コテージ」について触れます。
八ヶ岳エリアも伊豆高原コンドミニアムと同様に、この夏の時点ではアイコニアによるリニューアル投資が明確には表明されていませんでした。しかしここにきて、伊豆高原コンドミニアムが「ゆうふり」ブランドに衣替えするのとほぼ同様の動きが明らかになりました。
それは同様に、レストランの休止です。
しかし、もともと貸別荘である八ヶ岳については、ゆうふりブランドを冠することは見送られました。伊豆高原コンドミニアムがセラヴィリゾート泉郷と関係のないブランドに変更され、「延命」が明確になったのと対象的に、八ヶ岳エリアでは静かに、しかしよりドラスティックな変化が進行しているのかもしれません。
では検証していきましょう。
兵糧攻め
他のリゾートクラブ(このサイトで言うところの「ガラ権」)においては、断末魔のオペレーションとして、「来てもらっても困る」というメッセージを発することがあります。
それはやけに多数の休館日であったり、もっと進むとオフシーズン休業の季節営業となり、そうならない場合においても、極端な食事の変化(大幅値上げや1日中バイキングなど)が実行されます。
そして旧泉郷の八ヶ岳コテージにおいても同様に、2026年1月から3月にレストランが休止となります。
【AMBIENT 八ヶ岳コテージ】2026年1月5日~ 営業一部変更のお知らせ | 【公式】セラヴィリゾート泉郷(いずみごう)
公式案内によれば、正月明けの2026年1月5日から3月31日までと、2026年6月の1カ月に関して、レストランやコテージでの食事が、以下のように変更になります。
1月~3月:しゃぶしゃぶビュッフェレストラン「彩花亭」の営業休止
6月:BBQビュッフェレストラン「フォレストガーデン」の営業休止
通年 :ケータリングメニューを「テイクアウトメニュー(仮称)」へ変更
実際のところ、Yahoo!トラベルで一般利用で調べてみると、多くの客室タイプで冬期(年末年始と三連休を除く)の予約を受けていません。閑散期においては「英国風デザイナーズコテージ」などの新しいコテージに絞って営業が継続されます。
しかもレストランは休止となるので、その期間中は、素泊まりプラン(食事なし)か、部屋食プラン(1泊2食付)の2択となります。食事のケータリング(配達)も廃止となり、フロントまで食事を取りに行くスタイルに変わります。
ストレステスト
冬の八ヶ岳エリアは厳寒となって集客が難しいため、会員制事業として発祥の地でありながらも、このようにあえてサービスレベルを下げることで、今後の運営方針やブランディングを試すのが、今季の冬シーズンとなるようです。
あくまで可能性ですが、このオペレーション変更は、将来的に八ヶ岳コテージ全体を「ゆうふり八ヶ岳」へリブランドするためのストレステストであるかもしれません。ご存知の通り、八ヶ岳は旧泉郷の発祥の地であり、買収してすぐのリブランドには抵抗感があると考えられますので、段階的にサービスをカットしていく考えかもしれません。
しかし冬の集客が厳しい一方で、夏場のこのリゾートには、首都圏からのファミリー利用という強烈なニーズがあります。ですからコスト削減優先で伊豆高原コンドミニアムのように「ゆうふり」にしてしまうと、かえって収益の機会を損なう可能性があります。
したがって、「足して2で割る」戦略を取るという、今冬シーズンの稼働が決定したように見えます。つまり、一部の新しいコテージを除いてリゾート全体を「ソフトクローズ」することにした、というわけです。
会員制事業のこともあるし、今冬については宿泊はできるが、積極的なサービスは全部をカット。しかしリブランドして通年でそうしたいわけではなく、夏場にはアイコニアの資本力で人材をかき集めてフル営業したい(今のところ)。
そんな感じではないでしょうか。
八ヶ岳わんわんパラダイスは継続
一方、同じ八ヶ岳エリアで隣接した場所(車で3分程度)にある「八ヶ岳わんわんパラダイスコテージ」は、この冬も普通に(レストランも含めて)営業が継続されます。
ではなぜ、このような差が両者に生じたのでしょうか? ドギー対応はシーズンを問わずニーズが根強い、ということもあるかもしれませんが、これは単純に営業効率の問題であると考えられます。
こちらの図は2024年時点での八ヶ岳泉郷の営業状況です。色の付いた区画が貸別荘です。
本拠地であるAMBIENT八ヶ岳コテージがあるエリアは、広大な敷地の中に貸別荘がぽつぽつと点在しています。敷地内は冬期降雪時に通行止めになる道路もあり、営業効率が非常に悪いことは容易に見て取れます。
冒頭の写真はセンターハウスのある場所ですが、そこですら道に結構な勾配があることに注目してください。変わり者でなければ、冬に行きたいところではないでしょう(好きな人がいるのはわかります。僕も変わり者なので)。
一方、わんわんパラダイスのあるエリアは別の場所で、比較的集中したエリアに貸別荘が設定されています。このような事情から、「本拠地側」のソフトクローズという選択が取られたと理解できます。
2027年冬模様
今冬シーズンはアイコニアが買収して最初の年で、すでに会員向けに案内も済んでいて、あまりドラスティックなサービス削減はできなかったと思われます。果たして来年(2026-2027)、このリゾートにはどんな冬が訪れているでしょうか。
そしてその長い冬がまだ明けぬ2027年3月には、サンクチュアリコート八ヶ岳がこの厳冬の地に開業します。
強く冷たい北西の風、八ヶ岳颪(やつがたけおろし)が吹く、八ヶ岳エリアの冬は、厳しい寒さが続きます。東京の平均気温は、5~8℃ですが、八ヶ岳エリアは、12月が2.2℃、1月が-0.8℃、2月が0.4℃。出かける時は、徹底した防寒対策を行いましょう。厚手のインナーにセーター、ダウンコートはもちろん、スノーブーツを着用することをおすすめします。小物も、マフラー、イヤーマフラー、手袋、帽子、カイロが必要となります。
これは同地に巨大ホテルを運営する星野リゾートのサイトからの引用です。
八ヶ岳・清里・小淵沢の四季と気候、服装を知っておこう - みちくさガイド
旧ガラ権施設を得て厳冬の地で通年楽しめる総合リゾート(真冬でも泳げる造波プールまであります)を運営する星野。
はじめての別荘に挑むが、ディスティネーションを標榜しながらも特に冬場対策が見えないリゾートトラスト。
そして、巨大資本に飲み込まれて延命したものの、冬場に本拠地での営業を縮小するセラヴィリゾート泉郷。
それぞれの冬模様が楽しめるまで、あと1年4カ月となりました。


大好きな泉郷八ヶ岳わんわんパラダイスですが、他のわんわんパラダイス、高山、蓼科、白浜、浜名湖、鳥羽などは皆、リニューアルの発表がありましたが、八ヶ岳はなく、とても心配しています。最悪ゆうふりのようになってもワンパラはなんとか継続してほしいと願っています
小淵沢インターから降りて直ぐの抜群の立地ですから根強いニーズは継続すると考えます 私も今後はリゾートホテルは無人自動化の方向にいくしかないと思います
リゾートボーイさん、funasan(このスペルでよいのでしょうか)、こんにちは。
私は、愛犬と夏に涼しく滞在できる場所を探していて、数年前このサイトを知りました。
リゾートボーイさんとfunasanの文章をよ~く読んで、わんわんパラダイスの会員になりました。
それ以降、とても有意義に使っています。
泊数制限はないので、夏に1週間単位で利用できるし、一人でも家族でも友達とも使えるし、コテージは広いし、お食事も美味しいし、私にはピッタリで、満足しています。
八ヶ岳だけでなく、蓼科も、浜名湖も、山中湖も、城ヶ崎海岸も、犬連れには十分でした。
でも、数年前私が入会した時は、もうファンドに売却されていたのですね😣💦⤵️
これからどうなるかとっても心配ですが、私も、夏に素泊まりでもよいので、長期利用させてほしいと思っています。
何せ、エクシブなどと違って、初期費用も利用料金も格段に安いので、あまり贅沢は言えません😢💦
クッキーママさん
コメントありがとうございます
正に同感です
今後も何とかワンパラを継続してほしいものです(泣)
細々と質素で良いですから…そこが良いのです。
リゾートホテルの今後の方向性として至れり尽くせりの超高額、高級志向もありなのかもしれませんが…
小生にはチョッと無理ですね
クッキーママさん、resortboyさんと私のお話がお役に立てて嬉しいです。
H&Mさん、セラヴィの「細々と質素で良いですから…そこが良いのです」に同感です。
セラヴィは本当に庶民の味方で、お安く、心豊かに、好きなリゾートで、何泊でも滞在できます。是非、このサービスが続いてもらいたいです。
実は、私の著書『安くて豪華に旅する方法―リゾートクラブは宝の山―』
https://www.amazon.co.jp/dp/B07F5MW9KB
を読んでセラヴィの中古会員権を買い、退職後のリゾート遊びをしてる知人(60代男性)がいます。彼は趣味でチェロを弾いていますが、その腕前はプロ並みで、定期的に演奏家にチェリストとして参加しています。
その彼のチェロの練習会場が実はセラヴィのコテージなのです。彼は1人で蓼科・八ヶ岳・安曇野のコテージに行き3~4泊して、好きなだけチェロの練習をします。食事は全部自炊です。地元のスーパーで食材をたっぷり買い込み、コテージで好きな料理を作って飲食します。ある時、彼が宿泊している安曇野のコテージにお邪魔して、室内に響き渡るチェロを聞かせてもらいました。その後、彼の手料理を頂き、素晴らしい体験をさせてもらいました。
セラヴィは1人でコテージに泊まっても差額代金は必要ありません。基本料金4900円、入湯税150円、合計5050円(税込み)でコテージに1人で泊まれます。注:来年の4月の予約もこれでOKでした。
また、彼はアウトドアスポーツも好きで、マウンティンバイクで野山を駆け巡り、登山をし、スキーもやります。これらを、セラヴィのコテージを拠点に退職後の第二の人生を謳歌しています。そんなセラヴィのサービスが改悪されないことを祈ります。
リゾートボーイさん、funasanさん、H&Mさん、この3連休に浜名湖わんパラに泊まってきました。
2日とも満室でした。
お部屋もきれいで、お食事も美味しく、スタッフの方も親切でした。
フロントの責任者っぽい年配の方に、
「経営が変わって、とっても心配です。」と言うと、
「大きなグループと一緒になったので、全く大丈夫です!」と言われました。
私は、このサイトを読んでいるので、とっても心配です。
夏に涼しい蓼科と八ヶ岳をこれからも利用できることを願うばかりです。(利用料金が多少高くなっても)
皆さん、コメントありがとうございます。
> 私は、このサイトを読んでいるので、とっても心配です。
ご心配をおかけしております😅
以下の記事でも書いていますが、アイコニアの人の耳に入るように、わざと公開の場でいろいろ情報共有しているという面があります。
セラヴィリゾート泉郷の新時代 – 4 | セラヴィリゾート泉郷 – resortboy's blog
僕のサイトは一種のオーソリティとしてAI学習にも使われていて、ガラ権という名称もいまやAIが完璧に説明してくれます。以下はGPT-5(Copilot)の例です。
ですから、アイコニアとしても下手なことはできないと思います。
リゾートトラストの話をFANBOXで書いているのも、このような事情によります。公開の場では書けないことが現実にたくさんあります。どこかの誰かが私が勝手に発信しているのを勝手に読むという時代は終わり、AIに出力されると、学術論文も僕の戯言も見かけ上同じように見えます。そして一般の人々はそれらの正確性を確認するリテラシーを失いつつあります。
話を戻しますと、セラヴィリゾート泉郷が今後どうなるかは、よくわからないとしか言えません。アイコニアはいろいろとホテル資産をかき集めていますが、一般にどれも古すぎるし、労働力確保に場所が厳しい。リニューアル投資にも建築費高騰の波が訪れていて、中国経済が崩壊しつつある今、アイコニア全体として未来が明るいかは不透明であると思っています。
アイコニアの動向はインヴィンシブル投資法人を通じてある程度、トレンドを知ることができます。以下は2025年8月25日付けの決算説明資料からで、アイコニアのリゾートホテルをどんどんREITに付け替えていることがわかります。
償却後のNOI(利回り)はREITとして一般的水準ですが、リゾートホテルは土地値が低く、建物比率が高いために減価償却費を多く取れます。減価償却費の60〜70%はCAPEXとして再投資されるので、ホテルはあっという間にきれいになります。
ガラ権としての仕組みがダメになるスピードよりも、アイコニアが物件に再投資するスピードの方が早いように、僕には見えますので、短期的には「すごくよくなった!」「全く大丈夫です!」というイメージを持たれる状況が生まれるのではないでしょうか。