2万円の学費

「がん患者よ、旅に出よう!」は、トラベルライターの舟橋栄二さんによる連載です。早期退職でリゾートライフを満喫する日々の裏には、2度の手術を含めた「がん」との闘いがありました。「旅は生きる喜び。その喜びをがんに奪われたくない」
本連載は「旅を通して転移がんを克服した全記録」です。(編集担当:resortboy)

農耕が始まったのは約1万年前。そこから現在までの「短期間」に人類の遺伝子に何か変化があったのでしょうか。例えば、農耕に適応するように消化酵素が遺伝子変異する、といったことが考えられそうですが、現時点での遺伝子研究の知見は、私にとって全く未知の学習分野です。

森やサバンナで飢餓が常態であった厳しい地球環境を生き抜いてきた人類が、現代の飽食の時代になって、身体はどう対応しているのでしょうか?

我々の遺伝子は短期間でも変化し、今の環境に適応するようになってきているのでしょうか?

現代は毎日が異常

もし「遺伝子が1万年程度、ましてや100年程度では変化しない」とすると、炭水化物中心の現代の飽食生活は、遺伝子レベルで「異常事態」です。異常が短期間で終われば問題ないでしょうが、長期に続けば身体上にさまざまな問題が生じます。

それが、現代の様々な病気の大きな原因では?

この仮定は、私が実践している次の2つのことが、老化にかかわるさまざまな病気を避け、健康長寿を目指す有力な方法であることの裏付けともなります。

・1. 穀物がなかった人類の食生活を目指す「糖質制限」
・2. 飢餓が常態であった人類の食生活を一時的に再現する「断食」

糖質制限にしても断食にしても、人間の「うまいものを、腹いっぱい食べたい」という欲望との闘いになります。しかし、これらを徹底して極端に実行すると危険です。

さじ加減が難しそうです。いま私は「断スイーツ&プチ糖質制限」と「朝食抜き半日断食生活」を継続していますが、これが本当に健康長寿に寄与するのか?

それを私は“学問レベルで”知りたいと思い、放送大学に入ったというわけです。

科目履修生

私は放送大学(教養学部)の科目履修生で、最初の一歩として、最小限の1科目だけの履修としました。

もっと沢山の科目を履修してもいいですが、それほど勉強する時間も意欲もありません。

入学金は7,000円、1科目の授業料は普通の2単位の授業だと12,000円、入学手続きはネットで全て完結し、およそ2万円を払えば終了です。

放送大学の普通の授業は半年間(第1学期:4月~7月)に2単位のコースで、1回45分の授業が15回あります。授業は毎週テレビなどで放映されますが、インターネット配信もあります。

また、分厚いテキストも配布されますから、自分のスケジュールで教科書を開いて勉強する、という従来型の勉強もできます。もちろん学期末には単位認定試験(ネットで可能)もありますので、いい加減な態度で学習はできません。

では、放送大学で何を学ぶのか? 放送大学の膨大なシラバス 1 から最初に私が選ぼうとしたのは、実際に私が履修登録した科目とは別のものでした。

次回はその科目選択についてです。

(続く)

【次回】第3-12回・生物学を初歩から学ぶ

【前回】第3-10回・73歳で大学生になった


  1. シラバスとは、大学における講義の内容やスケジュール、成績の評価方法などを詳しくまとめた資料のことです。シラバスには、講義名、講義の目的、年間スケジュール、授業の形式、評価方法、履修後の単位などが含まれています。最近では、シラバスを大学のウェブサイト上で公開するスタイルが主流になっています。 ↩︎

(本連載記事一覧)がん患者よ、旅に出よう!
(スペシャル対談)私のリゾートライフの全体マップ
(筆者ホームページ)舟橋栄二「第二の人生を豊かに」

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