鬼怒川渓翠の中古が出始めた

2022年12月9日に開業した東急ハーヴェストクラブVIALA鬼怒川渓翠。譲渡禁止期間は開業日より3年間ですが、なぜか東急リゾートでは中古の会員権が販売されています。

(公式)募集概要 | 東急ハーヴェストクラブVIALA鬼怒川渓翠 | 東急不動産の会員制リゾートホテル
(公式ブログ)【2025年02月03日】VIALA鬼怒川渓翠の仲介取引が開始されました! | スタッフブログ「ただいま日和」 | 東急ハーヴェストクラブ -TOKYU Harvest Club-

僕は会員ではないので事情がわかりませんが、「縁故ころがし」の場合は譲渡禁止には当たらない、と理解することにしました(間違っていたら教えてください)。

コロナ禍と海外インフレを受け、旺盛な富裕層の国内旅行ニーズをとらえて東急不動産もリゾートトラストも元気になりましたが、評価が分かれる鬼怒川渓翠の中古価格はいくらに設定されているでしょうか。

同じ値札で

この会員権の最終募集価格は1,633万円でした(2024年春)。つい最近、昨年の話ですから、今回の中古会員権もこの価格を踏襲して1,630万円と設定されていました。

ただし、すでに建物の償却を織り込んでいたりしていますので、細目にしてみると、以下のようになります。

2025年2月仲介 2024年2月最終
会員権利金 ¥6,997,000 ¥5,500,000
土地権利金 ¥160,000 -
建物代金 ¥8,021,400 ¥9,730,000
会員資格保証金 ¥500,000 ¥500,000
営繕充当金 ¥621,600 ¥600,000
仲介手数料 ¥676,887 ¥0
名義書換料 ¥132,000 ¥0
合計 ¥17,108,887 ¥16,330,000

同じような価格に見えますが、東急リゾートが仲介手数料と名義書換料を徴収するので、その分、中古の方が高くなっています。

なお、土地権利金のところが空欄になっていますが、最終募集の要項で「土地建物等代金」とまとめて記載されていたものを建物代金の欄に書いてあります。また、所有権移転に伴う登記費用(約90,000円)と不動産取得税(約98,000円)については無視しています。

あれ、値上がりしないの?

この金額をどう見るのかは、2つの見方があると思いました。1つは、会員に損を感じさせないように、最終募集と同等の価格にひとまず設定した、という見方。もう1つは、「あれ、値上がりはしないのかな?」という見方です。

この鬼怒川渓翠の発売はおよそ4年前でした。このときの第1次募集価額は1,413万円(税込)でした。

(公式)~ニューノーマルな時代へのチャレンジ~「東急ハーヴェストクラブVIALA鬼怒川渓翠」新築工事着工・会員募集開始 屋外・プライベート空間の充実、ワーケーションに対応|ニュースリリース|東急不動産

この当時と比較すると、鉄筋コンクリート造の建物を作るコストは、現在、飛躍的に値上がりしています。リゾート地ではなおさらです。以下のXのスレッド(まとめ)を見ると、「大都市以外のコンクリ新築は採算的に不可能になるだろう」といった議論が行われています。

(参考)日本の9割は、今建ててるマンションが最後のコンクリ建物になるらしい「大都市以外のコンクリ新築は採算的に不可能になるだろう」 - Togetter [トゥギャッター]

もうガラ権は成り立たない

これは昨年春から、僕が「もうガラ権は成り立たない」と考えて地下に潜り、FANBOXで指摘してきた現代日本の構造的な問題です。

ガラ権は利殖目的で買えませんから、売れ筋の価格はおおむね固定されています。したがって、リゾートトラストはご存知のように、ホテル開業計画を1.5倍に加速させるという選択を取りました。彼らは中古会員権を表立っては手掛けていませんし、新規会員権の販売(メディカル含む)以外には収益力の面で問題がある会社ですので、ホテルを建てないと死んでしまいます。

一方、東急不動産は別にガラ権を無理にやらなくても生きていけますし、中古を自ら手掛けています。この時代の急変の中で、その変化の「前」にコスト計算されてできた鬼怒川渓翠が、変化の「後」で同じ価格で中古を出してきた。

要するに、施設の(不)人気とインフレのミックスが均衡した、ということかな、と思いましたが、皆さんのお見立てはいかがですか?

時代が時代ですから、魅力的な新築のガラ権は、経済的合理性が左右する世界の中では、もう発売されることはありません。ガラ権メーカーの今後は、既存ホテルをどう活用するかにかかっています。

ですから僕は、鬼怒川渓翠がこの値段なら高くないんじゃないか、なんて思ったりしています。

3 comments

  1. 東急リゾートの社員が3年間でなくても売り始めることがあるといってますたよ。

  2. 新規販売分が完売していることが条件だと思いますが契約書には東急が認めれば3年以内に仲介販売が可能になると書かれています。今回は「会員権ころがし」を狙って新たに草津VIALAを特別縁故で購入予約した人のために渓翠を下取り販売せざるを得なかったでしょう。草津VIALAの次の計画が不透明ですから出口があるかどうか不明ですが利殖目的の購入も多いようです。
    resortboyさんのご指摘どおり、ホテルの出来として渓翠は東急ハーベストクラブの最高傑作かもしれません。建設環境の変化に直面した最新の湖悠はグレードダウンやコストカットが目立つ施設で(ある程度予想はしていたものの)期待外れな部分もあります。今週は比較のために翡翠に泊まってきましたが浴場棟の湯上がりラウンジではくつろぎや安らぎのために「無駄な空間」がとても重要であることを再認識しました。湖悠はせわしないです。

  3. 軽井沢さん、ノラさん、コメントありがとうございます。やはり草津発売の影響なのですね。

    リゾートトラストの会員権のゼロ円時代が近づいてきましたが、東急には影響はないでしょうね。東急には無責任な外野による処分市場はなく、取引の実際のところがどうであれ、会員の気分が保たれるのは悪くないことだと、僕は外野ですが感じています。

    古い会員権が評価されない風潮はよくないと思いますが、これからは、ノラさんがおっしゃるように、僕のことばで言えば「部屋を削り出していないリゾート」が再評価されることがあるといいなと思っています。それもホーム制度があってこそのことで、東急に可能でも、リゾートトラストには無理です。

    都会のマンションには「ヴィンテージマンション」などという便利な言い方がありますが、「ヴィンテージガラ権」があってもいいと思うのですがね。

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