リゾートトラストの会員向け季刊誌「MY RESORT」の最新号が届いていました。やけに分厚いな、と感じたので、さっそく中身をチェックしてみます。コロナウィルス騒ぎで皆さん引きこもっていることと思いますが(株価も暴落!)、さまざまな影響が長期化することは避けられなさそうなので、少しは楽しいことでも考えましょう。
MY RESORT vol.113(本誌)
RTTGポイントクラブの上級会員に対するホテルトラスティでの特典案内(26ページ)
ホテルに直接予約した場合のみ(公式サイトまたは電話)、RTTGポイントクラブのブロンズステージ以上の会員に1室2名まで、朝食が無料になります。
(公式)PDFによる公式案内
エクシブサービス2020(27ページ)
これについては別に冊子が同封されているので、そちらにて取り上げます。
「会員様相談窓口」(リゾートトラストインフォメーションセンター)の公式サイトの案内(30ページ)
先日、僕も質問があって利用しました。とても迅速に的確な回答が得られましたよ。
(公式)会員様相談窓口―「会員様の声」を経営へ―|リゾートトラスト株式会社【公式】
会員権契約内容一部変更のお知らせ(34ページ)
4月1日の改正民法施行に伴って、会員権契約の一部が変更になるという予告。内容については触れられていません。どうやら、以下のようなケースに該当する場合には、事業者側が既存の契約も含めて、その約款(契約)の内容を変更できると民法で規定されるようです。
1. 変更が顧客の一般の利益に適合する場合
2. 変更が契約の目的に反せず、かつ、変更に係る諸事情に照らして合理的な場合
ちょっと心配ですね。心して待ちましょう。
2020年度エクシブオーナー様 サービスのご案内
B5判の小さな冊子ですが、オーナー会員にはこれが一番大事でしょう。
占有日(権利泊数)を使わずに利用できる「サンクスフェスティバル エクシブ」の案内
13泊や26泊という会員権の枠組み自体をふっ飛ばして利用を促進するようになった「サンクスフェスティバル」ですが、すっかり定番となった感があります。
(公式)サンクスフェスティバル エクシブ 2020|リゾートトラスト株式会社
特に、以下の「ディナーチョイスプラン」は「限定プラン対象日」(基本的に「土曜日以外」だがホテルによって異なる)であれば3カ月前から予約ができますから、覚えておくとよいと思います。一例としてエクシブ蓼科のページにリンクしておきます。
ディナーチョイスプランは一部の繁忙期を除いて通年で利用でき、会員本人だと1名利用が可能なので、おひとりさまにはなかなか便利なものと思います。ただし、増税の端数を切り上げるような格好で、2019年度よりも少し値上がりしています。
2020年度 エクシブ限定イベント
「記念日などオーナー様の大切な日を限定イベントとしてご利用になれます」と記載されています。誕生日や結婚記念日などのほか、「節目の記念日」などとも書かれていて、要するになんでもいいという建て付けです。
この名目でオーナーのグループが2食付きで宿泊すると、限定プランと同じように3カ月前の同日より予約が可能です。従来からありましたが、ここで話題にするのははじめてですね。これも権利日を消費しないサンクスフェスティバルの対象プランです。
(公式)限定イベント|サンクスフェスティバル エクシブ 2020|リゾートトラスト株式会社
ただし、限定プランと限定イベントでは対象日が異なっていて、限定イベントはエクシブ内で統一されています。以下がそのカレンダーです。
エクシブ2020-2021年シーズン区分カレンダー|リゾートトラスト株式会社
RTTGポイントクラブ エクシブ&ベイコートデー
2020年4月からの毎月14日と28日に、ポイント5倍のほか、各種の特典があるというものです。
夕食1名様ご招待
以下で既報の内容が記載されています。
(参考)オーナー特典がおひとりさま利用にも広がる | resortboy's blog – リゾートホテルとホテル会員制度の研究
(公式)2020年サービスのご案内|エクシブオーナー様専用サイト|リゾートトラスト株式会社
「ザ・カハラ クラブ ハワイ」のご案内
別記事で触れた、ハワイのホテルの前売券を会員権という名目で販売するものです。内容は既報の通りです。
(参考)インターナショナル会員権がついに!(速報版) | resortboy's blog – リゾートホテルとホテル会員制度の研究
RESORT SEASON vol.3
やけに立派になった、施設別のプラン案内集です。
BAYCOURT CLUB THE SEASON
いつの間にか、ベイコート倶楽部のプラン集も同封されるようになりましたね。新しいホテルはみんなベイコートなのだから当然か…。
この他、化粧品や老人ホームのちらし、募集型ツアーのカタログ、それにリゾートビンゴ2020のカードなどが入っていました。
というわけで、ざっと以上、押さえるべき点についてピックアップしました。年度替わりで結構盛り沢山でしたね。皆さんのお気づきの点も教えてください。
皆さん、2年前の記事なんですが、ちょっと以下の部分を振り返りたいと思います。また、情報をお持ちの方がいらしたらば、情報提供をお願いします。
記事の前半部分に、僕はこう書いています。
こう書きながら、僕は不覚にもコロナ禍の中でこのことをすっかり忘れて、その後のフォローをしていませんでした。
僕は「心して待ちましょう」とかのんびりしたことを言っていて、契約のことだから書面が送られてくるのだとばかり思っていました。
でも違ったんですね。
2020年6月発行のMY RESORT vol.114(奥付では6月15日発行)の34ページには、「会員権契約改定のお知らせ」というベタ記事があって、2020年7月1日に効力発生すると書かれています。どう変わるのかはホームページを見ろ、とありますが、URLが書かれていないのでどこにあるかわかりません。
ようやく見つけたのが以下です。
その他の情報詳細|ホテル情報・予約|リゾートトラスト株式会社
ですが、そこにある添付資料PDF(つまり契約内容の変更について説明した文書だと思われます)は、すべてリンクが切れていて、リゾートトラストが隠してしまっています。Googleで検索すると出てくるのですが、キャッシュがないので見れません。つまり、意図的に「下げた」状態になっています。
以下は、上記ページにある文字のコピーです。これすらなくなるといけないので、資料として記録します。
会報誌のベタ記事で予告して、インターネットで「その他の情報」として告知して(気づいていた人はいますか?)、会報誌での告知後のわずか2週間後に効力を発生させ、何らかの理由でその契約内容を非公開にした、というのがこれまでの経緯です。
僕はこれらのPDFを見ていないので、中身がわかりません。一方的に契約が変わったことは推測できます。こんなことってあるんでしょうか。数千万円で売っていて、毎年数十万円の会費を取っているような商品ですよ。
コソコソしすぎではないでしょうか。
上記のコメントを掲載して1週間が経過しても、現在有効な契約書(定型約款)が閲覧できない状態が続いておりましたので、同社に問い合わせたところ、PDFの掲載が復活しました。
また消されてしまうといけないので、2020年3月以前に契約した皆さんは、今のうちにダウンロードしておくことをおすすめします。
2020/04/01 会員権契約の改定のお知らせ|リゾートトラスト株式会社
リゾートトラストがどういう理屈で、「2020年4月1日より、「民法の一部を改正する法律」が施行され、民法が改正されます。これに伴い、弊社の会員権契約を改定することとなりました」と考えたのか、詳しく検討していないのですが、2020年4月1日施行の改正民法は、
(定型約款の合意)
第548条の2
定型取引(ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものをいう。以下同じ。)を行うことの合意(次条において「定型取引合意」という。)をした者は、次に掲げる場合には、定型約款(定型取引において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体をいう。以下同じ。)の個別の条項についても合意をしたものとみなす。
一 定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき。
二 定型約款を準備した者(以下「定型約款準備者」という。)があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたとき。
(定型約款の変更)
第548条の4 定型約款準備者は、次に掲げる場合には、定型約款の変更をすることにより、変更後の定型約款の条項について合意があったものとみなし、個別に相手方と合意をすることなく契約の内容を変更することができる。
一 定型約款の変更が、相手方の一般の利益に適合するとき。
二 定型約款の変更が、契約をした目的に反せず、かつ、変更の必要性、変更後の内容の相当性、この条の規定により定型約款の変更をすることがある旨の定めの有無及びその内容その他の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき。
2 定型約款準備者は、前項の規定による定型約款の変更をするときは、その効力発生時期を定め、かつ、定型約款を変更する旨及び変更後の定型約款の内容並びにその効力発生時期をインターネットの利用その他の適切な方法により周知しなければならない。
3 第1項第二号の規定による定型約款の変更は、前項の効力発生時期が到来するまでに同項の規定による周知をしなければ、その効力を生じない。
となっております。
つまり、定型取引とは、
ⅰ.特定の者が「不特定多数の者」を相手方として行う取引であること。
ⅱ.取引の内容の全部または一部が画一的であることがその双方にとって合理的なものであること。
以上の要件を満たした取引を言い、
「定型約款」とは、上記要件に当てはまる定型取引において、契約の内容とすることを目的としてその特定の者により準備された条項の総体を言う、
と定めています。
例としてあげられるのが、銀行取引における普通預金規定、保険取引における保険約款、インターネットを通じた物品販売における利用規約等です。
逆に個別の売買契約における契約条項などは定型取引とは言えず、よってその取引において定められた条項は定型約款とは言いません。
更に、仮に定型約款と言えるものであっても、
一 定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき。
二 定型約款を準備した者(以下「定型約款準備者」という。)があらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を相手方に表示していたとき。
でないと、定型約款の個別の条項について合意をしたものとは看做されず、よって、相手方の承諾なくして、一方的に、定型約款を変更することはできないことになります。
つまり、当初の契約書に「定型約款を契約の内容とする」旨の条項を記載しておくか、契約を締結する前に、インターネットのホームページなどで、あらかじめその定型約款を契約の内容とする旨を表示しておかねばなりません。
以上に照らしたとき、今回、リゾートトラストが「定型約款」と考えている「不動産売買契約書」「施設相互利用契約書」の各契約条項が、果たして定型約款と言えるのか、また、民法第548条の4が認める「個別に相手方と合意をすることなく契約の内容を変更することができる」ものなのか、甚だ疑問です。
EF66さん、専門的見地からのご解説、誠にありがとうございました。僕の能力では正確な評価ができないタイプの話題でしたので、コメントいただけてありがたく思います。
今日、再公開されたほぼ全員に適用されている現在のエクシブの契約内容(定型約款)を見てみると、かなりゾクゾクするようなことが書かれているように感じました。100年の恋も冷めるとでも言いましょうかね。
素人目にも適法とは言い難いのではと疑義を持つ重要な変更を、一方的にこそこそと、あまり誠実とは思えない方法で実行していたとは、この企業とは距離を置かないといけないなと考えはじめました。コンプライアンスとかサステナビリティとか、そういうこと以前の問題です。
信頼できない。
ひたすら残念です。