前回、空飛ぶ車で「日本三大名泉」(有馬・草津・下呂)の1つ、下呂温泉にやってきました。首都圏から下呂に行くのは遠いです。名古屋からならローカル線やクルマで2時間だとか、飛騨高山エリアに行く手前だとは言っても、気楽に立ち寄る感覚になる場所ではありません。
南から北へ
遠いと言うことは移動の費用も相応にかかります。素晴らしい、いで湯が沸いたとしても、昔の人は何を目的にどうやって下呂に行っていたのか、そしてどのような経緯で大規模な温泉街ができたのかは興味があります 1。
寂れていた温泉地が、歓楽色が強くなったことで復活したとも聞きます 2。現在はその名残があるだけで、そぞろ歩きを楽しむ感じではありません。周辺に見どころもなく「ガン封じ寺」として有名な「地蔵寺 3」があるものの、観光の決め手にはなりません。
そんな特色のない、のどかな山あいに突如出現する大温泉街である下呂に点在するガラ権施設を、今回は巡っていきます。この下呂温泉には、筆者の知るところでガラ権施設が合計6施設、点在しています。
前回のホテルフーゴ 4 は南の外れに位置し、そこから北上して5施設を巡ろうというプランです。最後に見る施設は対象的に北の外れにあるため、ガラ権巡り即ち下呂温泉郷全体がわかる、という形になっています。
大江戸最高峰
ホテルフーゴを出発し、すぐ目の前と言っていいほどの近さの山の上に、全100室の規模で展開していた大型ホテルがあります。1992年初頭の開業であった旧「パストール下呂(ホテルパストール)5」が、今回最初のガラ権です。
現在でも下呂温泉最大規模であるこのホテルは、預託制の会員制リゾートホテルとして建設されました(1施設のみ単独の運営だった)。お城のような豪華さはないですが、全室からの眺望の良さが自慢であろうスッキリした外観デザイン、真っ白い建物は非常に目立ちます。
現在は大江戸温泉グループに属し、上位ブランド「TAOYA下呂(旧:大江戸温泉物語Premium 下呂新館)6」を名乗っています。当初の運営元が一度ホテルパストールを閉館した後、2017年に大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツが再生・運営を開始します。大江戸はすでに下呂に進出済みだったので「新館」を名乗ることとなりました。その後、さらに資金が投入され、Premiumシリーズ、そしてTAOYAブランドに列することになりました。
大江戸が最初に下呂に進出した温泉街中心部にあるホテルは、本館として現在も残りますが、この会員制から転じた本ホテルがグループ内で最上位クラスとなったのです。
温泉旅館ホテルを再生する事業者はあまたありますが、大江戸は客室が多く、大規模バイキング会場となる広いレストランを擁し、温泉を中心としたホテル内の施設が立派で、集客に使いやすい物件に絞っているように思います。
大江戸と合併する前の湯快リゾートが64室の旧 ViViシーサイド鳥羽を「鳥羽彩朝楽」として運営している例がありますが 7、ガラ権にルーツを持つ100室規模の大型ホテルが一般ホテルとして再生されるのは珍しいケースです。一方で、大江戸の基準に旧パストール下呂は合格であったということでもあるのですが、この組み合わせはその両面で珍しいと言えるでしょう。
この復活劇には、パストールが預託金制の会員権だったことで、区分所有権などのややこしい権利関係はなかったことが大きいと思います。
組合との確執
続いて温泉街中心部に向かいます。ここにはリロとダイヤモンドがあり、さらに北の外れにはグランリゾートと本連載初出である「オテル・ド・マロニエ 8」の、計4施設があります。温泉街中心部にはガラ権が少ないのですが、その理由は、温泉発掘と引湯を巡る駆け引きが難しかったことに依るようです。
下呂温泉は、飛騨川(益田川)に沿って山の中腹に至る川の両岸のそれほど広くないエリアに、大小旅館・ホテルが建ち並びます。組合加盟の宿だけで30を越え、100室を越える大規模旅館ホテルもあって、遠景としての温泉街は壮観です。かつては大旅館を中心に、宴会需要が盛んだったことが伺える光景です。他の温泉街ではたいてい、廃墟となった大型施設が見苦しい姿を晒すものですが、下呂温泉では目立つ廃墟は目にしません。
その旅館組合にガラ権施設はひとつも加盟していません。
さて、最初はリロです 9。この中心部にあるリロはワンちゃん歓迎の小規模リゾマンで、非常に良い場所にありますが、ホテルファンの興味の対象となるようなものでありません。下呂の雰囲気を伝える遠景写真だけでスルーさせていただきます。
下呂温泉は飛騨川で東西に分断されているため、ここまでの3ホテル(フーゴ、パストール、リロ)を見た後は、これらの東側から、温泉街中央に架かる下呂大橋を渡って、JR下呂駅のある傾斜地の多い西側に進んでみます。
ダイヤモンドの苦境
すぐに見えてくるのが、丘の上にどっしりと鎮座する煉瓦貼りの「ダイヤモンド下呂温泉ソサエティ 10」です。駅から徒歩8分、送迎バス2分という駅チカです。ダイヤモンドソサエティについてはこれまでも取り上げてきましたが、本施設はハードウェアも立地条件も最上位にランクして良い「選ばれし者」の風格でした。
58室のこのホテルの開業は1986年と、40年近く経つ古いホテルですが、今見ても、周辺の一般温泉旅館ホテルとは一線を画す出来栄えです。バブル前期に共有制で会員を募集した物件で、当時のトップメーカーで会員権販売も好調だったはずです。十分な資金が投入されていることが今見てもわかります。
そんな素晴らしいホテルなのですが、現在は苦境にあります。ダイヤモンドソサエティは昨春、運営体制を見直したため、系列の「八ケ岳美術館ソサエティ 11」「片山津温泉ソサエティ 12」とともに、下呂のこのホテルは一般客を入れるのをやめたのです。つまり、会員専用施設。それがなぜ苦境なのか、少し説明したいと思います。
他のガラ権もそうであるように、ダイヤモンドソサエティ系のホテルもまた、15年ほど前からしれっと楽天トラベルなどのOTAで集客をはじめ、一般にも門戸を開きました。そして昨春までは同社のほとんどすべてがOTA経由で利用可能となっていました。
他社で見られるような「逆特典」、つまり一般が会員よりも安いという状況には至りませんでしたが、会員料金のメリットはわずかであるという残念な状況でした。
ところが昨春からは、これら3施設はOTA経由で予約できなくなりました。これは労働リソースの問題であり、一般利用を止めてまで客数を少なくするという段階に進んだのです。これら3施設は、老舗ガラ権の雄であるダイヤモンドにおけるかつての代表作ばかりであっただけに、ガラ権史的に重要な意味を持つ、時代の転換と考えることができます。
1日中ブッフェ
この「事件」はここで終わりません。運営の見直しで会員限定施設となったのは、もともとがそうであったので深層はともかく形式的には問題ありません。しかし同時に、この3施設のレストランの運営も変更になってしまったのでした。それは大江戸の向こうを張る「1日中ブッフェ」。
これは老人が多いガラ権施設としてはかなり大胆な発想だと思うのですが、レストランは1日中食べ放題だけの運営となり、朝、昼そして夜まで5回も料理が入れ替わる「オールインクルーシブ」プランだけになりました。その価格は1名およそ1万5千円。これ以外には素泊まりしかなく、食事を抜くか食べ続けるかの2択だけとなったのです。
筆者はダイヤモンドの会員なので、これら施設を全て利用可能です。しかしこの新システムは、「完全素泊まり、大浴場使用と寝るだけとし、ほぼ外で過ごし、3度の食事は簡単なものを持ち込むか外食とする」、あるいは「1日中ホテルで過ごし(せっかく5食提供されているのに食べないのは無駄だから、外出は最低限となる)、滞在型として利用する」の二択を迫られるようなものですから、料金のことは別にしても、驚くほかありません。
二者択一
ダイヤモンドの共有制ホテル、つまりソサエティを名乗るホテルは、1室あたり18口分割で、建物全体の共有制です。そして年会費は細かく管理報告があり、非常にきちんと運営されています。実際、特にこの下呂の管理状況は素晴らしいものがあります。
駅前ならではの映える小高い丘の斜面に位置し、ホテル内部からは下呂温泉街の全体が見渡せる、まさにこの場所での滞在を誇れるレベルのものなのですが、会員のみの施設となったことで客足も減ったのか、やや寂しい感じを受けました。
このダイヤモンドの新運営システムは、ガラ権界で初めての試みです。あまりにも選択肢がない二者択一の運営には、お客として歓迎されていない印象を持ちます。一方、このシステムを良く取るのは難しい。まるで大型客船クルーズのごとく全部込みの価格であるのは、行き慣れたホテルでの保養が目的で、施設の良さを考えると特に高くない、という見方もできるでしょうが、高齢化した会員にそのアピールは無理ではないでしょうか。
昨今の人手不足を補完する意味が強いと思われる新運営システムが、会員にどの程度受け入れられ、他にも追随するクラブが出るのか、興味を抱かざるを得ません。
グランとマロニエ
今回の旅の最後は、駅前エリアから離れて北上します。「ザ グランリゾート下呂 13」をナビに入れ、川沿いを上流に向かって走ります。ほどなくたどり着いたのは、閉鎖施設でした。
クローズは2020年でしたが、筆者の勉強不足でした。表道路に看板は残っていましたが、そこから川べりのホテルへの通路は閉鎖され、ホテルにたどり着くことはできませんでした。この崖下の目立たぬ場所に立つ本施設は、グランリゾートの他の閉鎖ホテル同様、廃墟化する可能性が強そうです。
最後に向かったのは、本連載60回目以上にして初登場となるオテル・ド・マロニエのシリーズから、同 下呂温泉 14 です。
クラブ発足以来、日本リゾートクラブ協会にずっと加盟している老舗ガラ権であり、東海地区にお住いのガラ権ファンの皆さまならば、誰もがご存知のはずの立派な施設群。広い敷地の本ホテルは、閉鎖で訪問出来なかったグランリゾート手前から見上げたその場所に、一目でわかる大型施設としてそびえ立っていました。
後で知ったのですが、このグランとマロニエがある傾斜地は、温泉組合からの引湯ができず、両ホテルはいずれも、独自に源泉を掘った自家源泉でした。思い起こせばリゾートトラストでも、エクシブ有馬離宮で組合から引湯できずに他の場所から運び湯で運営しているという話があるわけですが、下呂温泉でも同様なできごとがあったのでした。
このことが冒頭に書いた「駆け引きが難しかった」という内容だったのですが、マロニエのある場所は中心街から外れていたので、無事、組合と干渉することなく自力で温泉発掘に成功したのは、かえって幸いであったことでしょう。
マロニエは全部で3施設あり、創業者が東海地区3県(岐阜・三重・愛知)のみを視野に入れ、各県に1施設として展開した地域ガラ権です。その全容については次回、一気に3施設を見て歩いていきます。
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甲斐リゾートホテル / ホテルフーゴ | 落人となったかつてのリゾートクラブは今 | 会員制ホテル今昔物語 – resortboy's blog ↩︎
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分譲したのはワールドセゾンという会社で、以前は飛騨高山木曽川国定公園内の展望台跡地であった。絶好の立地であったことがわかる。その後、市川工務店を中核とした岐阜県の総合建設業「カンチグループ」傘下で株式会社パストールが運営していた。 ↩︎
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外資ファンドによりカネが入って再生した現況をとくとご覧いただきたい。
・TAOYA下呂 | 岐阜県 | 大江戸温泉物語グループ【公式】
・大江戸温泉物語 新施設取得 岐阜県下呂【ホテル パストール】 | 大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社のプレスリリース
・【山河の眺望と下呂の湯を贅沢に楽しむ温泉リゾートホテル】「TAOYA下呂」2025年6月リブランドオープン~2025年4月21日(月)予約受付開始~ | 大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社のプレスリリース ↩︎ -
エクシブ鳥羽、ViViシーサイド鳥羽、ジャンボクラブ鳥羽 | 海と空から、鳥羽エリアに手を振って | 会員制ホテル今昔物語 – resortboy's blog ↩︎
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リロバケーションズ | ポイントバケーション下呂 | Stayle/ステイル | ReloのStayに新しいStyleを ↩︎
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ダイヤモンド片山津温泉ソサエティ / 能登ホテル | ゼロ円会員権と、夢の跡 | 会員制ホテル今昔物語 – resortboy's blog ↩︎
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一般集客を行っていたので、今もOTAのサイトには残骸が残っているのが散見される。
・ザ グラン リゾート下呂 ようこそ【楽天トラベル】 ↩︎











本連載記事に対してのフォローアップ投稿「その1」となります。
1988年9月設立の(株)パストールの元で1991年暮れから1992年初頭にかけて運営が開始された下呂温泉エリアで最大規模(100室)の預託金制単独施設型ガラ権ホテル「ホテルパストール下呂」は、2017年3月をもって米国投資ファンド「ベイン・キャピタル」傘下の「大江戸温泉物語」(持株会社を含む多数の会社組織なので便宜上、この名称で一括します)に取得され、若干の手直しの後「大江戸温泉物語・下呂新館」として同年7月にリブランドオープンしました。
「大江戸温泉物語」は2022年2月に別の米国投資ファンド「ローンスター」に売却されて今日に至ります(さらにその後一部の施設はアパグループ系に保有が移転)が、会社名称等は純日本風ですが、温泉旅館を売りとする珍しい欧米系外資企業です。
「大江戸温泉物語・下呂新館」はさらに手直しをされ、2023年同グループの上位ブランドである「プレミアム」シリーズに格上げされましたが、同年1月にすでにローンスター・ファンドは「湯快リゾート」(グループ)の全てを取得しており、両ブランドを包括する「GENSEN HOLDHINGS」(ローンスター傘下)の元で、再度ブランドの見直しと施設手直しが行われ、本連載記事の写真脚注に書きました通り、同グループ最上位ブランドの一員として「TAOYA下呂」として、今週月曜2025年6月23日に、華々しいスタートを切りました。
本日の「トラベルwatch」の「行ってみた」において、委託されたライターが開業お披露目
会での様子を詳細にレポートしていましたので、情報を共有します。
https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/2025614.html
最上位ブランドとなったため、宿泊料金はやや以前より上がります(アルコールを含むバイキング形式オールインクルーシブ)が、2名1室で標準的なお部屋で、平日なら一人16,000程度、週末20,000円程度、超繁忙期で25,000円くらいと施設内容を考えると非常にリーズナブルな価格になっていると思いました。
ガラ権施設の行く末を案じる筆者としましては、バブル期の下呂の地で生まれたホテルがこのように世界レベルで評価され、最高位のブランドを戴いて活躍していくのは嬉しいです。
ホテルパストール下呂
とても懐かしいです
高台に立つパストール下呂が見えてくると、やれやれやっと下呂に着いたなあと思ったものです(苦笑)
1度だけ仕事関係で連れて行って貰ったことがあります。鉄板焼で飛騨牛を頂きました。とても美味しかった覚えがあります
あれから30年の月日が流れ、また、とても感じが良いリーズナブルなホテルとして再生されたことは本当に素晴らしいことだと思います(笑)会員権リゾートの明るい未来が想像出来、とても嬉しいです(笑)
因みに、飛騨高山の僕の大好きだったホテルアソシア高山リゾートも30年の時を経て、ヒルトン高山ホテルに生まれ変わるようでとても楽しみです(笑)
https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/2021888.html
H&Mさん、
パストール(1992年)及びアソシア(1994年)についてコメントありがとうございます。
国道41号(名古屋富山線)において、それぞれ30年の時を経た今も、下呂と高山の高台でランドマークとなっているホテルが、いずれもガラ権ルーツであることは、ガラ権ファン冥利に尽きます。ローカル単独ガラ権が欧米に認められ、だんだん名前を変えながら出世しています。国道41号線の北部分となる飛騨街道は、別名「ブリ・ノーベル出世街道」と呼ばれているそうですが、この地に所在し、その名にふさわしい活躍をしていますね。さらなる発展を期待したいと思います。
本連載記事に対してのフォローアップ投稿「その2」となります。
「大江戸温泉物語」とそのグループとなった「湯快リゾート」の沿革を読み返していて、本連載記事の記述に1カ所、間違いを発見しましたので、訂正コメントをいたします。ガラ権史とは直接関係しませんが、参考メモ書きとさせてください。
footnotesの6番の参照リンク2つ目のPRtimesにあるとおりで、「大江戸温泉物語」は2017年にパストールを「下呂新館」として開業するにあたり、それまで運営していた「下呂(楽湯)」(わずか21室規模)をクローズしており、「現在も本館として残る」は錯誤で、現在の「下呂本館」となっているのは旧・湯快の施設でした。旧・大江戸の「本館」は2017年からしばらくの間なかったことになります。
下呂は、日本三大名泉であることから「温泉旅館ホテルオペレーター」の注目度も高かったと思われますが、沿革を辿ると、旧「湯快リゾート」は、2005年に老舗旅館ホテル「高台の宿・清芳閣」(ダイヤモンド側)を取得し、引き継ぐ形ですぐに「下呂本館」(72室)として運営を開始。翌2006年には、温泉街中心部(平坦な場所)で1988年頃から閉業していたホテル「宮島館」を取得・再生して「下呂別館」(85室)として運営を開始し、次々に下呂温泉に乗り込んでおりました。
その後、施設リニューアルも施し、「下呂本館」は2023年にpremiumシリーズ、「下呂別館」はstandardシリーズとなりましたが、2023年の「大江戸温泉物語」への資本の変更に伴うブランド見直しで、2024年に、それぞれ「大江戸温泉物語・premium下呂本館」、「大江戸温泉物語・下呂別館」とされました。今回パストールが3度目の出世で「TAOYA下呂」になったので、新生「大江戸温泉物語」としては、下呂温泉エリアにて3段階(一般・中級・高級)のブランド構成が完成したことになりますね。
本連載記事に対してのフォローアップ投稿「その3」となります。
「リロはワンちゃん歓迎の小規模リゾマンで、非常に良い場所にありますが、ホテルファンの興味の対象となるようなものでありません」ので「遠景写真のみでスルー」と書きましたが、全然違っていたというお話です。失礼しました。
2017年に「パストール下呂」が「大江戸温泉物語・下呂新館」となるにあたって「消えた本館」はどうなったかを追っていませんでしたが、調べなおしてみて、直後に続けて見て歩いたリロの「ポイントバケーション下呂」こそ、それ以前の「大江戸温泉物語・下呂(楽湯)」であったことを知りました。
本施設の新築・開業は1997年5月であり、元の名は「(政府管掌健康保険・保健福祉センター)ヘルシーパル下呂」であり、当時全国に造られた保健施設系の保養所(「ヘルシーパル」シリーズ全13施設)の一つでした。客室は21室と小規模ながら目を引く立派な出立であるのはそのためで、地域の温泉センターの役目も持つため、「温泉発掘や引湯を巡る駆け引きが難しい」とされた下呂温泉中心部で自家源泉を持っていたと言うのも納得が行きました。2014年に外資が入る前の初代・大江戸は、資本規模が小さかったので不振の公共の温浴宿泊施設を落札して再生したりしてましたので、本施設もその一つとなります。
「ヘルシーパル下呂」は政府系の施設事業見直しで、開業からわずか8年であった2005年に閉鎖、2007年に初代・大江戸として再出発しましたが、巨大資本の傘下となったので不要とされ、2017年にリロに売却されました。数奇な運命の本施設ですが、10年ごとに運営者が変わってきたことで、非常に綺麗な体裁を保っています。元が公共の宿というのは、ワンちゃん歓迎のカジュアルなファミリー向けガラ権施設にぴったりな内容であり、リロの運営下で落ち着いてヘルシーに生きていけると思います。