飛騨高山を最後に訪れたのは、2019年10月のことでした。コロナウィルスのせいで海外旅行は困難となり、サンクチュアリコート高山が発売になってしばらくしてからの秋であったことから、建設現場を見たいというのも訪問の動機でした。
クルマで走り回るうちに、どこまで行っても飛騨高山市であったのが印象に残っています。地図を確認すると、飛騨高山市は日本で一番広い市であり 1、その広さは東京都全体にも匹敵。そして富山・石川・福井・長野の4県に接するということを知り、驚いたものです。
中心となる旧高山市街は標高2,000メートル級以上の山々に囲まれ、その眺望から、アメリカでロッキー山脈を望むコロラド州の州都デンバーと姉妹都市になっているのも納得できます。
サンクチュアリコート高山の建設現場に向かう途中で、現場の下の方に位置する「友好の丘」2 の駐車場にクルマを停めました。この友好の丘には、デンバー市との友好モニュメントが立っています。
さて、前回のアソシアと、廃業したサンメン高山、今後開業するサンクチュアリコートを含め、おそらく6つの会員制ホテルが、この日本一の面積の田舎観光都市に点在します。
サンクチュアリコートの工事現場を確認した後、私が向かったのはそのすぐ近所、表通りからは歩いて1分足らずの場所でした。
そここそ、今回取り上げる「ガラ権の秘境」です。
古い話になりますが、リゾートトラストがRCIジャパンを運営していた時 3、会員には毎年、「リゾートディレクトリー」という交換可能施設一覧の冊子が送られて来ていたはずです。日本国内施設交換と海外施設交換に分けて書かれたその冊子は、海外は抜粋でしたが、日本編には全ての施設が載っていました。
それを眺めてニヤニヤしていた皆さまは、それだけでリゾートマニアだったと思いますが、さらに詳細に読み込み、この秘境施設に興味を持った方は病気です(笑)。
その名も「むら山メンバーズクラブ」。詳細は私にもわかりません。
飛騨高山駅の西側、飛騨の里が作られた小高い丘、すなわち、サンクチュアリコートの前身となるガラス美術館 4 も何もない時代から、秘かにその地に佇み、わずか13室の全く普通の田舎旅館でありながら、タイムシェアリゾートとして、国際的リゾート交換組織RCIに加盟していた、旅館むら山が運営するガラ権中のガラ権。
私はエクシブ会員になる前から、別のRCI加盟リゾートクラブの会員であったため、ずっとリゾートディレクトリーを愛読してきていましたが、旅館むら山は、その中でずっと気になっていた施設だったのです。
念願かなって、旅館むら山に御対面したこの時は、すでに日本のRCIは解散し、むら山メンバーズクラブもなくなっていました。
サンクチュアリコート高山の現場から旅館むら山には、徒歩ですぐに着きました。全く健在でした。
むら山の看板写真(英語表記が目立つ)からも察せられますが、英語の達者な経営者がおられ、RCI加盟が象徴的ですが、飛騨高山へのインバウンド誘致を相当に早い時期から進めてこられたと思います 5。これまでのご苦労に感謝し、益々のご繁栄をお祈りしています。
RCIに加盟していた最初で最後の純日本旅館。サンクチュアリコート高山開業後、周辺を散歩する機会があれば、先に書いたデンバー市との友好モニュメントとともに、ぜひ探してみてください。
いわゆる「平成の大合併」によって、2005年に10の市町村が合併。合併前の面積の実に15.5倍となった。 ↩︎
リゾートトラストはRCIとの提携を2013年11月18日に唐突に解消し、同年12月20日で交換を打ち切った。
- RCI との提携解消のお知らせ|リゾートトラスト株式会社
- RCIリゾート交換利用の終了にどう対応するか|エクシブの活用術 – resortboy's blog ↩︎RYOKAN MURAYAMA Prices & Reviews - Takayama, Japan | Tripadvisor ↩︎
ウエント淡路東海岸はまだRCIに加盟しているみたいです。
この会員権を入手し、
現在非常に高くなった海外ホテル・コンドミニアムの
利用ができそうですが、
ウエント淡路東海岸の中古会員権は流通していないみたいです。
この件についてお詳しい方はいらっしゃいませんか?