
がん未検査8年目の異常と再検査の日々 – 1
本連載は「旅を通して転移がんを克服した全記録」です。(編集担当:resortboy)
忘れもしません、2016年5月、突然、血尿が出たのです。しかも、真っ赤な血尿が数秒間続き、白い便器が赤く血で染まりました。何が起ったのか?
突然の血尿に驚く
「赤く染まったおしっこ」などというものは見たことはなく、恐怖以外の何物でもありません。ついに地獄に落ちたか? 私は一瞬そう思い、心臓はバクバク高まり、冷や汗が出てきました。とりあえず、布団にもぐり込んで心を落ち着かせようとしました。
しかし、一向に心拍数は下がりません。ドキドキしたままです。
何が悪いのか? 膀胱か、腎臓か、前立腺か、ついに末期がんが破裂したか? 気持ちがどんどん落ち込んでいきます。
でも、何も痛みはありません。熱もなく苦しくもありません。血尿だけです。
そこで、少し落ち着いてからパソコンを開き、血尿のことを必死で調べました。血尿の原因は、がんや結石、膀胱炎、腎臓の病気などさまざまなものがあるそうです。
すぐに分かったことは、血尿の色から、どの部位で異常が起こっているのかを推測できることです。私の場合は「鮮やかな赤色」でした。これは血液が尿に混じってからそれほど時間が経っていないことを表し、腎臓ではなく、尿道や膀胱からの出血が考えられます。痛みがないので尿路結石ではなさそうです。膀胱がん?前立腺がん?
いずれにしても、目で見て分かるくらいの血尿が出たので、その日のうちに自宅近くの泌尿器科を探して飛び込んでいきました。問診、尿検査、血液検査などをしてもらいましたが、特に異常はありませんでした。
8年ぶりにがんセンターへ
先生は「泌尿器科の専門医に見てもらって精密検査をした方がいい」とアドバイスをくれました。がん患者だった私に対しては当然の判断で、私はその日のうちにがんセンターの予約をしました。
その後も数日間、血尿が出ました。毎回が「恐怖のおしっこ」でしたが、少しずつ鮮血の量が少なくなっていきました。
1週間もすると血尿はなくなりました。だからと言って、このまま、何もなかったように生活できません。がんセンターでの診察・検査の日まで不安な気持ちで過ごしました。
私が最初に甲状腺がんの手術をしたのは2006年9月でした。2度目の手術が2008年3月、そして、がんセンターと縁を切って孤立無援のがん治療にかじを切ったのが同年9月でした。それから8年間も経っていました。
・自己流がん治療ではダメだったのか?
・定期的にがんセンターに通ってCT検査をすべきだったのか?
・がん患者にもかかわらず遊びすぎだったのか?
・やはり、がんは甘くなかったのか?
反省すべきことがどんどん出てきて、気持ちが落ち込んでいきます。
(続く)
【次回】第38回・がん未検査8年目の異常と再検査の日々 – 2
【前回】第36回・糖質制限の実践とその劇的な効果 – 4
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