2024年初夢「サンクチュアリコート浜名湖別邸」

皆さん、本年もよろしくお願いいたします(間の抜けたご挨拶である理由は別稿をご参照ください)。(実質的に)僕の2024年最初の記事は、今年の初夢ということで、「サンクチュアリコート浜名湖別邸」について話したいと思います。

もちろん、そんなホテルの開発発表はされていませんので、これはあくまで、僕が2024年の初夢に、熱に浮かされながら見たまぼろしであります。もちろん、現地取材はしました。現場で写真も撮りました。でも、あまりにもよくできた話で、どうも初夢みたいな感じがするのです。

グランドエクシブはバブル破綻の産物

読者の皆さんの中には、かつて僕が熱心に行っていた、「リゾート会員権産業史」の講義を聞いていただいた方もいらっしゃることでしょう。そこで明らかにしたことのひとつは、「グランドエクシブ」というのはほとんど全て、バブルの破綻物件を底値で買って再生したものであって、それゆえに巨額の利益を生み出し、リゾートトラストが業界において絶対的なナンバーワンの地位をゆるぎないものにする原動力になった、という史実です。

リゾート会員権論 5「バブルの破綻物件がビジネスを変えた」

その再生プロジェクトの1つであるのが、初夢の舞台であるエクシブ浜名湖です。

皆さんは疑問に思ったことはありませんか? 新築のホテルでありながら(2004年)、なぜ湖畔の立地を生かした計画になっておらず、まったくレイクビューではない、視線を中庭のプールに向けた内向きな建築設計となっていることを(ない、という方は、エクシブマジック=一種の病(やまい)にかかっていて、盲目的にすべてを受け入れ、目が節穴になっている状態ですので、どうぞご注意ください)。

それは、エクシブ浜名湖はバブル期に存在した「浜名湖頭脳公園ゴルフ事業」をリゾートトラストが事業継承したものであり、先行計画に基づいたお役所ベースの開発であったため、同社の思うような敷地レイアウトにできなかった、という歴史的な事情によります。

当時のリゾートトラストの発表資料から、該当部分を引用します。

浜名湖頭脳公園ゴルフ事業について
頭脳立地法の地域指定を受け、県、市の事業承認を受けた「浜名湖頭脳公園建設事業」の一部。計画面積は約73万9千m2で、昭和60年に打ち出された通産省(当時)や経済界の頭脳公園構想のうち、民間開発部門の大部分を占める。当初は浜名湖開発(株)が事業を進めていたが、平成9年3月に経営が行き詰まり工事を中断。平成10年4月に弊社が事業を継承。

(引用元)静岡県浜名湖畔におけるゴルフ場を併設した"総合リゾート"施設の開発計画―グランドエクシブ ゴルフ&スパリゾート 「エクシブ浜名湖」「グランディ浜名湖ゴルフクラブ」の着工―浜名湖の環境保全を目的とした「環境保全協定」を締結するほか、当計画の実現による雇用の拡大や経済の発展、観光振興など地域の活性化を目指す(平成14年4月26日)

消えた「浜名湖頭脳公園」

この「浜名湖頭脳公園」の全体像(当初案)は以下のようなものでした。

計画に沿った形で宿泊研修施設の「カリアック」(商工会議所福利研修センター)や、事業拠点「浜名湖国際頭脳センタービル」がバブル期に建設されました。そして開発が後回しだったゴルフ場事業は、未完成のまま破綻することになるのです。

頭脳立地法は正式名を「地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律」といい、1988年の制定です。

地域産業の高度化に寄与する特定事業の集積の促進に関する法律 昭和63年5月6日法律第32号 | 日本法令索引

これに基づいてソフトウェアビジネスの拠点としてできたのが「浜名湖国際頭脳センタービル」(1992年)であり、事業主体である「浜名湖国際頭脳センター」は、本社屋をリゾートトラストに売却した現在も法人として存続しています(会社案内 | 浜名湖国際頭脳センター)。

また、オールドエクシブファンにはなじみ深いカリアックは1993年にオープンし、2013年9月末に閉館。リゾートトラストは2014年にこの物件を取得しています。エクシブの手前にありましたが、多くの人が「これはなんだろう」と思っていたことと思います。

カリアック取得後、浜名湖国際頭脳センタービルも2017年に売りに出され、翌2018年には待っていたかのようにリゾートトラストが取得します。

エクシブ浜名湖の謎が解ける時

エクシブ浜名湖に隣接したこの2つの物件(すでに更地)を、2018年当時の同社の報道発表資料から、位置関係を見てみましょう。手前の赤い枠線が浜名湖国際頭脳センタービル、黄色い枠線がカリアックです。

見事にレイクサイドに面し、2つの土地が合わさったことで開発敷地面積も十分。

こうして頭脳立地法成立から35年もの時を経て、多額の税金が投入された「浜名湖頭脳公園」は、実質的にリゾートトラストの会員制リゾートホテルコンプレクスの敷地として、過去を捨てて新たな開発フェイズを迎えることとなったのです。

この歴史的な経緯により、湖畔にありながらまったくレイクビューを得られないエクシブ浜名湖の悲劇(謎)が、ついに解ける時が訪れたことになります。これが2024年の僕の初夢です。

202X年、「サンクチュアリコート浜名湖別邸」が、鳥羽別邸を思わせる、それまでのサンクチュアリコートにはない完全和風スタイルで、オールドエクシブに隣接する、実質的な「エクシブ浜名湖別邸」として爆誕、というのがその夢の中身です。

時を超え、泣くまで待とうホトトギス

ご存知の通り、サンクチュアリコートは法人メインで販売され、その影響でオールドエクシブでは「保養所プラン」を連発。社会の縮図のような両極端政策により最高益を更新し続けるリゾートトラスト。

そんな彼らの戦略、そして歴史を、ひとつに凝縮したようなリゾート施設が、同じ場所(浜名湖頭脳公園)に、相互補完的に建築される。バブル遺産がジェネレーションを超えて継承され、ついにそのオリジナル構想をはるかに越える内容で成就される。

そしてこの計画を指示したのは、尾張名古屋の将軍様。泣くまで待とうホトトギス。

あまりにもよくできた話で、熱に浮かされながらも、それは予定された計画であるとしか思えませんでした。

そんな夢の中で、僕は現地を訪れていました。

エクシブ浜名湖のホテルに向かうアプローチは、この計画を踏まえて既に変更され、湖畔道路からの入口は、かつてのカリアック、そして浜名湖国際頭脳センタービルに沿ったルートに変更されていました。

つまり、新しいアプローチでは、手前に「浜名湖別邸」、奥にエクシブ浜名湖、というレイアウトになります。

初夢をGoogleで確認した

浜名湖国際頭脳センタービル跡地の一番手前の部分、つまり新エントランスの脇では、写真のように温泉のボーリングが行われていました。

こちらの写真は僕が初夢の中で撮影したものですが、Googleストリートビューで見ると、よりリアリティが増すでしょう。

ああGoogleに載っているなんて、あれは夢ではなかったのか?

最後にやはりGoogleマップより、同地の空撮をご覧ください。あ、これはスクショじゃなくて、APIを叩いて正規にGoogleから引用していますので、マウスで動かしたりして、よりリアリティのある体験をしていただけます(上のストリートビューも同じです。開設20年目を迎え、2024年もますます地味に成長し続ける当ブログをよろしくお願いします)。

エクシブ浜名湖が一番下にあるのはわかりますね。その上の2つの更地がリゾートトラストのホテル建設予定地であり、空撮画像で砂煙のように見える部分が、温泉ボーリングの現場です。

そしてエクシブ浜名湖から見て、橋を渡り、従来は左側通路がアプローチだったわけですが、現在では橋を渡って右に(この空撮ではほぼ垂直方向に)石畳の新アプローチが建設されていました。

おそらく、僕と同じ初夢を見た方が、ここにはもっとおられることでしょう。ぜひ、あなたの見た夢についても教えてください。

3 comments

  1. resortboyさん、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

    浜名湖別邸、これはズバリ、RT社がカリアック跡地を買収した時からの夢、そして数年前にアプローチを整備した時から、ますます膨らんだ私の夢でした。
    あのアプローチだけでも、それまでの太陽光パネルが設置された、荒涼とした道を通るよりも、ホテルに向かう気分がずいぶん違ってきました。
    そう、わくわく感が増したのです。

    それにしても、空撮写真でみるとずいぶん広い土地ですね。鳥羽別邸規模のホテルが2つくらい建てられそうです。
    山中湖や鳥羽のように、既存のレストランを活用できるので、レストラン棟も必要ないでしょうし、プールもすでにあるし。
    (すっかり別邸前提で話を進めているワタシ・・・)

    実は、先の記事で「年末は某エクシブに行き、素晴らしい施設と美味しい食事を堪能し、また行ってみたかった場所を訪れることもでき、充実の年末を過ごしました。」という記載がとても気になっていて、その後名古屋のヴィア白川にいらしたという話の流れからいくと、その某エクシブって浜名湖ですか?
    でも以前どこかで「エクシブ浜名湖、あんなリゾート感のないところ」というような感想を書いておられましたよね。

    なぜかあまり大きな声では言えませんが(笑)、私は個人的には浜名湖の施設と食事にはとても満足しているのです。湖の眺めはごく一部の部屋からしか望めませんが、あの開放感のある、ゆったりとしたラウンジドルチェ、1年十ライトアップが美しい中庭とプール、ローマ風(?)の大浴場、男性の方はドライサウナに変わったようですが、女性風呂にあるラコニウムは、サウナよりも肌がつるつる、ピカピカになります。そして和洋中ともにレベルの高い食事、特に冬の期間限定の献立、「松葉蟹と遠州灘産天然とらふぐ会席」は、年に一度の我が家の大判振る舞いで、とても楽しみにしています。このお値段でマイオーナーズデイ対象コースになっていることころもうれしい限りです。

    温泉掘削のことは気が付きませんでした。
    気にかけておいて、次回の宿泊どきに確認してみます。

    話がそれましたが、勝手な初夢としては、別邸は単なる別邸のままで、サンクチュアリコートにはならないでほしいと願います。
    シリーズが異なるとレストランの相互利用などルールの適用が・・・ああ、やめましょう。これは初夢なのですから。

  2. リゾートボーイさん、皆さん、今年も宜しくお願い致します。
    以前、少しだけコメントで参加させていただいた者です。
    かつてRTに従事していました。現在は某ホテルで働いていますが思い入れがあるRTとこちらのブログは勉強にもなる為、いつも楽しく拝見しております。

    初夢ということで、あくまで今は夢の様なお話かもしれませんが…
    先日Googleマップを見ていると、旧リゾーピア箱根の隣接地、これもまた
    旧がつきますが、北区の保養所跡が敷居で囲まれています。ここは暫く廃墟になっておりRTが買収していましたが手付かずの様でした。しかし現在囲いがあり、何やら工事が始まっている様な…
    昨今、オーバーツーリズムとも言われている、リゾート地として盤石の人気を誇る箱根の地のこれだけ恵まれたロケーション。何かが起きそうでワクワクしております。
    とはいえ、具体的に何か始まっているというわけでもなく、旧リゾーピア箱根のマップ上には、別の企業の名前すらありそれこそ今は夢の中の話です。
    中強羅と上強羅を跨ぐ様な広大な敷地に、夢が生まれるか。乞うご期待です。
      

  3. blueroseさん、ナットコールキングスライムさん、僕の初夢にお付き合いくださって、ありがとうございました。

    昨年末はエクシブ浜名湖で初夢の仕込みをしておりました。草忍者から連絡があって、温泉を掘っているから見に来いと…。

    強羅の「ウルトラ離宮」は本当に楽しみというか、何か想像を超えたすごいものが見れそうですね。

    サンクチュアリコートは、名・阪・東の順で売ると思うので(これまでの3つのセットを繰り返すと想定)、もうしばらく待ちましょう。以下、現地写真です。

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