resortboyさんのサイト読者のみならず、リゾート会員権に興味を持つ方々にとっての最大関心事は、リゾートトラストの施設であることでしょう。ガラ権の最高施設と言えば、同社の離宮、別邸、サンクチュアリ・ヴィラ、ベイコート、そしてこれからのサンクチュアリコートであります。
しかし「語り部」に期待されるのは、まだ同社が「宝塚エンタープライズ 1」であったエクシブ以前の施設群であり、それも「リゾーピア熱海」などのわかりやすい施設ではなく、どうやってアクセスするのか、なぜそこにあるのか、今となっては分からなくなっているホテルを見て歩くことだと思っています。
今回は、おそらく同社の「アクセス最難関施設」に君臨する「リゾーピア久美浜 2」です。
宝塚エンタープライズ時代のガラ権名は「サンメンバーズ」と呼ばれます 3。日本型リゾート会員権の勃興期、いわばカオス期であり、会員種別は入り乱れ、施設名も多様です。
「リゾーピア」シリーズ 4 は、サンメン施設が9つ開業した後に、1983年1月熱海、1984年7月久美浜、同8月別府、同9月箱根と、4施設をわずかな期間に怒涛のように開業した施設群です。
リゾーピア久美浜を、本連載では「日本海若狭湾ガラ権街道(カニの道)」の中に位置付けます。すなわち、東の三方五湖からスタートし、天橋立を通って、西の城崎温泉まで、約3時間のドライブです。
そのルートのフィナーレである「海の京都」を走り終える兵庫県境には、湖のように見える久美浜湾があり、その先端には天橋立をビーチにしたような「小天橋」という名所があります 5。リゾーピア久美浜のあるのはそんな場所です。
前回の流れで言いますと、筆者はまだ天橋立付近におりますから、ここからリゾーピア久美浜を目指します。
ナビは通常、絶景を外す南側から到達しますが、ここは京丹後市内から「夕日ヶ浦温泉」を通って、ビーチサイド(北側)から到達をお薦めします。
夕日ヶ浦温泉は、日本の温泉ランキングの「絶景部門」で1位の栄誉に輝く温泉地で 6、リゾーピア久美浜は、ここから車で15分足らずの場所にあるのです。
リゾーピア久美浜には残念ながら泊っていないので、アプローチや外観を説明します。さすがガラ権王者の絶滅危惧種だけあり、歯ごたえのあるアクセスが圧巻です。
県道沿いにいきなり出て来る小さな看板を手がかりにカーブを曲がり、急坂を登っていきます。この登坂感覚は、かつてのリゾーピア箱根の入口の坂を思い出させるものです。
そして登り切った先に駐車場。空地だらけのど田舎ですが、こんなに細い斜面を登る必要があるのは、すぐ手前にリゾートマンション「シーサイドビラ久美浜」が建っているからです。
リゾーピア久美浜はすれ違い不能の道の奥にあり、日本型リゾート会員権ガリバーの施設とはとても考えられないほどの秘境であります。
そしてたどり着いた入口には「リゾーピア久美浜」の黒い四角の看板。
建物を見上げれば、あのレトロな「SUN RESORPIA」の文字が見え、「生きていたのか!」と涙がこぼれたのでした。
久美浜は、全国的に有名な廃墟ホテルが複数あるなど 7、今は寂しい場所です。リゾーピア久美浜にはこれを含めて2回訪れましたが、いずれもオフシーズンであって人の気配はなく、建物が綺麗に掃除されていたことを確認するのみでした。
繁盛する期間もあるのかな?と思いながら、再度、急ハンドルを切りながらマンション横から県道に出て、帰途に付いた私がありました。
アクセス最難関RT施設「リゾーピア久美浜」。関西方面の方はまだしも、ここを目的地として直接行く場合、関東からだとどうやって行くのでしょう? resortboyさんから「ガラ権界の伊能忠敬」の異名も拝命している筆者でさえ、公式ホームページの案内 8 を直ちに理解できませんでした。
結論としては、羽田から、伊丹経由で但馬空港へ飛び、リムジンバスでJR豊岡駅に向かった上で、ホテルの送迎バス(要予約)で40分、というのが一番便利そうです。但馬空港は、図らずも、コウノトリ空港と愛称が付いていますが、コウノトリと言えばもっとも有名な絶滅危惧種の鳥であります 9。
しかしこれでは、羽田からシンガポールに行く方が楽です。私なら、迷わず伊丹空港でレンタカーを借りて現地を目指します。
さて、箱根が消え絶滅危惧となったリゾーピアシリーズ。久美浜では立派に生きていたことを確認し、日本海若狭湾ガラ権街道の終点、レトロなそぞろ歩き温泉街「城崎」を再度訪れます。
本連載では既に「ザ グラン リゾート城崎」をご紹介しましたが、この地には、1992年開業の「レイセニット城崎(ウェストラド)」という、リゾマン小口分譲型のタイムシェア施設ガラ権があることを、ここに記録しておきます。
かつてはRCIジャパンに加盟していたこともあるこの施設は現在、リロホテルズの一員となり、部屋をリニューアルして「レイセニット城崎スイートVILLA 10」として運営されていたり、リロバケーションクラブ(ポイントバケーションリロ。いつか稿を改めて書きます)の施設としても 11、元気に生きています。
これで、「日本海若狭湾ガラ権街道(カニの道)」を走り終わりました。次回からは北海道のガラ権遺跡を訪ねていく予定です。
リゾートトラストが最後に発売したサンメンバーズ会員権は「FLEX CLUB」
・『サンメンバーズ FLEX CLUB (フレックスクラブ)』会員募集開始のお知らせ ↩︎「コウノトリ但馬空港」の公式ホームページ(公共交通機関としてありえないほど重たい)の動画には、この一連の「カニの道」連載でご紹介したスポットが、ドローン撮影映像で紹介されていますので、ぜひご覧ください。 ↩︎
リロバケーションズ | ポイントバケーション城崎 | Stayle/ステイル | ReloのStayに新しいStyleを ↩︎
はじめまして。
いつも楽しく拝見させていただいています。
エクシブは、祖父から引き継いだ古いサンメンバーズで利用しておりまして、皆様のキラキラしたやり取りをこっそりROMっておりました(^^)
今回ポイントバケーションリロの話が出ていたので、出てきてしまいました。ポイントバケーションリロの話題は他でもあまり聞かず・・近年利用ポイントも上がり(部屋チャージ値上げ)自分の中で使い勝手に疑問符がついている状態です。
zukisansuさんのリロに関する記事を楽しみにしています。また、リロのメンバーさんいらっしゃいましたら、おすすめの使い方など共有していただけると幸いです。
リロ、300pです。来年度分も既に前倒しで使い切っちゃって、増額を検討中です。
まさひろさん初めまして(^^)
同じく300p会員です。
前倒しでの利用はポイントが無駄にならず1番良いですよね。私は計画的利用が下手なので、昨年のポイントは120程余らせてしまい仕方なく年会費の半額支払って持ち越ししました・・ 関東圏3ヶ月前予約が希望で取りにくく苦戦しております。
カニ目当てに久美浜へ行ってきました。
やはり東京からだと遠いです。
新幹線で京都まで行って、そこから特急はしだて5号。
ラウンジ(?)付きの観光列車で、趣きありました。
途中の宮津でスイッチバックするのも面白い。
帰りは豊岡から特急きのさき12号。
往復ともダイヤに合わせてホテルの送迎がありました。
春休みだったからか、平日でもホテルは賑わっていて、京都・大阪・神戸ナンバーのクルマで第2駐車場までほぼ埋まっていました。
首都圏での熱海のような位置付けなのでしょうか?
女性風呂は混雑で大変だったそうです。
ちなみに、眼下にあるリゾートマンションの駐車場も満車のようでした。
客室からの眺望は良好(鳥羽っぽい?)で、天橋立・竹田城+生野銀山・城崎温泉+玄武洞+コウノトリの郷公園など、観光の拠点としても良い感じです。
でもやっぱり遠いです。
haryoshさん、旅情あふれるコメントをありがとうございました。絶滅危惧種は元気に活躍中と伺って、うれしく思います。
「丹後の海」はいつか乗ってみたい。
生まれ変わった”丹後の海”車両の特急「まいづる・はしだて」に乗ってみた | 鉄ガール | 鉄道新聞
『ローカル線で紡ぐ 天橋立・伊根の舟屋・丹後半島ぐるり周遊3日間』<四季の華/19名様以下> 宿泊:西村屋ホテル招月庭|クラブツーリズム
今年入会した310ポイントのリロ会員です。
RTやHVにした方が良かったかな?、と思いながら、関連のブログや動画を見続けていますが、7泊までは人数にかかわらず1泊と同一料金と言うのは他では見ないもので、リタイヤ後の安価な平日長期利用を目指している私にはピッタリだと思っています。
10月に皆生温泉に4泊しましたが、一日だけ朝食を取り、2人で総額1万4400円で、安さを実感しました。
他のホテルや会員制施設はビジターでたまに利用して、1~2週間の滞在はリロをフルに使おうと思います。^_^
ポイントバケーションリロは、基本的に部屋に洗濯機乾燥機と大型の家庭用冷蔵庫がある点がとても気に入っています。会員制ホテルというより、会員制リゾートマンションという感じですね。
施設にゴージャスさはなく、RTのような水商売的な手厚い接客もありません。でも、行きつけのスタバの店員みたいな接客は悪くありません。
エクシブ軽井沢の近くに「ポイントバケーション軽井沢」がありますね。
https://www.pvr.jp/RELO/facilities/facility/karuizawa.html
写真を見る限り家族や友人たちと長期滞在するのに適しているようです。
問題はコストですが、私は未体験で知識ゼロです。
コロナ禍後、日本・世界のホテル状況(特に宿泊代金)の激変は驚くほど急激で今までのホテル遊びのスタイルが通用しません。各自の好みに合わせて戦略の見直しが必要です。この時、ヒントになるのが「ガラ権」だと思います。
日本が強かった時、あり余る「お金と情熱」を注いで造り上げた壮大なホテルが、歴史に翻弄され、日本経済衰退と同時に廃墟又は格安ホテルとして細々と生きています。生き残った「格安ガラ権ホテル」こそ、宝の山だと私は思います。エクシブもその1つです。
年金世代のシニアにとって、老後の貴重なお金は無駄に使えないし、美食を求めると病院まっしぐらです。残り少なくなった人生をいかに豊かに楽しく生きるか?シニアの皆様、エクシブを含めて旅の最適解を見つけましょう。