ギリシャで決意した がんセンターとの別れ – 1

「がん患者よ、旅に出よう!」は、トラベルライターの舟橋栄二さんによる連載です。早期退職でリゾートライフを満喫する日々の裏には、2度の手術を含めた「がん」との闘いがありました。「旅は生きる喜び。その喜びをがんに奪われたくない」
本連載は「旅を通して転移がんを克服した全記録」です。(編集担当:resortboy)

2回目の手術後は、半年が経っても首や肩が痛く、日常生活にも不自由する状態でした。それでも、朝、昼、夜に絞りたての野菜ジュースを飲み、暇さえあればプラスチックの楊枝で鍼治療をしました。

旅行記を書こうと30分もパソコンをすれば、首や肩がバリバリに疲れるので、寝転がっていやしの音楽を聴きました。そして毎日お風呂です。湯舟に入っていると痛みが和らぎます。

ギリシャ周遊8日間

自己流のゲルソン療法と自律神経療法の両輪で、私のがん対策は動きはじめてきました。そこで、旅好きの私は早くもこの年(2008年)の8月、家族で海外旅行に出かけました。

世界遺産が好きな妻と娘同伴で、添乗員付きのパッケージツアー「神々の大地・ギリシャ周遊8日間」に参加したのです。

ユーロ高に原油高、さらに夏休み期間でもあったので、ツアー代金は1人約37万円でした。家族3人100万円以上の大出血です。

でも、お金より「命」。私にとってこの旅は、その後のがん治療を大きく変える旅となりました。

ツアー初日はアテネ市内観光です。午前9時、大型バスに乗ってホテルを出発、外観が美しい「アカデミー」前を通り、アテネの中心「シンタグマ広場」、そして「ゼウス神殿」を車窓から眺めました。そして、この日のメインは「アクロポリスの丘」にそびえる「パルテノン神殿」観光です。

このときのギリシャ旅行記がこちらにあります。

『ギリシャ世界遺産紀行(第1回:パルテノン神殿)』ギリシャの旅行記・ブログ by funasanさん【フォートラベル】

メテオラ観光

アテネ市内観光の後はバスでひたすら北上(約350km)し、メテオラ観光の拠点となる村「カランバカ」に行きました。ギリシャの中央、テッサリア平原に、突然多くの奇岩群が現れます。

その奇岩群の前にあるホテルで1泊し、翌日のメテオラ観光に備えました。

当時、娘は大学4年生。就職先も決まり、人生で一番楽しい青春時代です。しかし恐らく本人には、その青春時代の素晴らしさは分からないでしょう。

人は失ってはじめてその価値に気付くものです。「若さ」しかり、「健康」しかり。私はがんの再発・転移という現実に直面して、がんの本当の恐さから、生きることの本質を考えるようになりました。

また、手術後の首や肩の痛さを体験してみて、手術の恐さが分かりました。安易に体にメスを入れてはいけません。ギリシャ旅行の時は、まさに首・肩の痛さが全開の時でした。

それでも家族で旅立てるありがたさを、しみじみと感じました。

(続く)

【次回】第24回・ギリシャで決意した がんセンターとの別れ – 2

【前回】第22回・生き方そのものを変えたがん治療「福田・安保理論」- 3

本連載が単行本(紙の書籍)として刊行されました

本連載は、本サイトに掲載した舟橋栄二さんの記事から、がん闘病に関する回を再配信したものです。時期に関する記載は2022年現在のものです。

(本連載記事一覧)がん患者よ、旅に出よう!
(スペシャル対談)私のリゾートライフの全体マップ
(筆者ホームページ)舟橋栄二「第二の人生を豊かに」

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