ギリシャで決意した がんセンターとの別れ – 2

「がん患者よ、旅に出よう!」は、トラベルライターの舟橋栄二さんによる連載です。早期退職でリゾートライフを満喫する日々の裏には、2度の手術を含めた「がん」との闘いがありました。「旅は生きる喜び。その喜びをがんに奪われたくない」
本連載は「旅を通して転移がんを克服した全記録」です。(編集担当:resortboy)

添乗員同行のツアーは楽でいいですね。効率よく見どころを回ってもらえます。テッサリア平原に突然出現したメテオラの巨大な多数の岩の塔、しかも、絶壁の塔の上に多数の修道院があります。その修道院のいくつかを観光しました。

メテオラの謎

この時の旅行記がフォートラベルにあります。

『ギリシャ世界遺産紀行(第2回:メテオラの空中修道院)』ギリシャの旅行記・ブログ by funasanさん【フォートラベル】

聖トリアダ修道院は1458年〜1476年頃の建造で、まさに下界とは隔絶した岩山の上に建つ、孤立した修道院です。神は、地上から高く、人を寄せ付けない神秘の場所においでになるのでしょう。

メテオラとは「空中につり上げられた」という意味で、いつ頃、どのようにしてこの奇岩群ができたののか、いまだに分かっていないと言います。世界遺産のメテオラはミステリーに包まれています。だからこそ世界中から観光客が押し寄せるのでしょう。

以下、ツアーの添乗員さんの説明です。

紀元前後にギリシャのこの地を旅した2名の詳細な紀行文が残っています。信頼できる記録らしいですが、メテオラの奇岩群については一切の記述がないそうです。と言うことは、紀元後になってからこの奇岩群が誕生したことになります。

奇岩群が誕生した理由の1つに、「水の浸食作用・風食作用説」があります。しかし、紀元後からわずか2000年間でこれだけの自然変化が起こるとは思えません。

「ゼウスが怒って天界から岩山を投げた」という伝説もあります。現代風に解釈すれば「いん石説」です。いん石だとすると、これだけ大量、巨大ないん石群がギリシャに激突すれば、地球に大変動が起き、その証拠が地球上に多数残っているはずです。

真実は? 現代の科学技術を総動員すれば「メテオラの謎」が解明されるかもしれない。しかし、それは「しないし、してはならない」ことらしいです。

「たとえ科学的に解明できる事でも、ミステリー、ファジーのままにしておいた方がいい場合もあります」

この添乗員さんの説明に私の心は敏感に反応しました。

真実は解明しないほうがいい?

ツアーの最後は、エーゲ海1日クルーズでした。

朝8時30分にアテネ近郊の港「ピレウス」から出航し、サロニコス湾に浮かぶ3つの小島「イドラ島」「ポロス島」「エギナ島」を訪れ、19時30分にピレウス港に帰ってくる、まるまる1日のクルーズの旅でした。

この時の旅行記がフォートラベルにあります。

『ギリシャ世界遺産紀行(第5回:エーゲ海クルーズ)』ギリシャの旅行記・ブログ by funasanさん【フォートラベル】

私は青い海を見ながら、メテオラでの添乗員さんの言葉を、何度も思い浮かべていました。

人間は100%合理的に行動するわけではありませんね。科学的に解明できることでも、知らぬままにしておいたほうがいい場合もあります

(続く)

【次回】第25回・ギリシャで決意した がんセンターとの別れ – 3

【前回】第23回・ギリシャで決意した がんセンターとの別れ – 1

本連載が単行本(紙の書籍)として刊行されました

本連載は、本サイトに掲載した舟橋栄二さんの記事から、がん闘病に関する回を再配信したものです。時期に関する記載は2022年現在のものです。

(本連載記事一覧)がん患者よ、旅に出よう!
(スペシャル対談)私のリゾートライフの全体マップ
(筆者ホームページ)舟橋栄二「第二の人生を豊かに」

1 comment

  1. 先日は、私の連載の方に、「funasanの八ヶ岳今昔物語」書いてもらって
    ありがとうございました。別荘については理性的になられて、何よりでした。
    お話に出てくる「八ヶ岳音楽堂」や「海の口」など、自分も、もちろん行っていて、
    懐かしく思い出しました。
    私の場合、東京側からのアクセスですが、蓼科が気に入っていたので、このへんは
    通り越してエクシブ蓼科側に行くことが多かったです。
    仮に、別荘やリゾマンを買うとしても(買いませんでしたが)蓼科になったと思います。
    それで、あまり清里方面は詳しくないのですが、とはいえ、近いので何度も行きました。
    私の場合、清里から軽井沢方面へだと手前の、「清里高原ホテル」(天文台が鉄人28号に見える、笑)、「小海リエックスホテル」、あとはオーベルジュで、「ヒュッテエミール」さんなどが記憶に残ります。
    小海リエックスホテルは好きでしたが、今はすっかりシャトレーゼで、
    「ガトーキングダム」なる(札幌に次ぐ第二弾)名前になったのは、
    私的には残念。時代が変わったので仕方ないですが。。

    ガン克服の旅連載再放送、拝見してます。
    15年くらい前の写真かと思いますが、お嬢様が奇岩に向かって立つショットなんかは、
    今のインスタグラム映えでも十分ですね。

    こうした旅で癒され、ガンが克服できるのはよくわかりますし、
    本篇最後の言葉「人間は100%合理的に行動するわけではありませんね。」は、
    やめろという家内の言葉などを無視して湯沢などにリゾマンなどを買い、
    手痛い損をしてしまった私の言い訳の言葉なんです(爆)。
    全然、違う話ですみません。。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

😂 😍 🤣 😊 🙏 💕 😭 😘 👍 😅 👏 😁 🔥 💔 💖 😢 🤔 😆 🙄 💪 😉 👌 😔 😎 😇 🎉 😱 🌸 😋 💯 🙈 😒 🤭 👊 😊