老化による体調不良は病気でしょうか?

「がん患者よ、旅に出よう!」は、トラベルライターの舟橋栄二さんによる連載です。早期退職でリゾートライフを満喫する日々の裏には、2度の手術を含めた「がん」との闘いがありました。「旅は生きる喜び。その喜びをがんに奪われたくない」
本連載は「旅を通して転移がんを克服した全記録」です。(編集担当:resortboy)

歳をとってくるとさまざまな体調不良が出てきますね。夜の眠りが浅くなり夜間に何度も目が覚める。トイレが近くなり、漏らしてしまう。

さらに、歯が抜け、目も耳も悪くなる。足腰が弱り疲れやすくなる。何事もやる気がなくなり、もう嫌になっちゃいます。よくある老化現象です。

70歳くらいになれば、残りの健康寿命は頑張っても10年くらいでしょうか? 最後の元気な10年を幸せに過ごすためには、老化による体調不良とどう向き合うのか? 老人の哲学が必要です。

以前から私は疑問に思っていました。「老化による体調不良は病気か?」と。

病気なら積極的に治療して治す必要があります。でも、これが老化現象であれば(恐らく)治らないでしょう。

治らないどころか、手術や投薬などの積極的な医療介入によって、老人のQOL(Quality of Life:生活の質)が下がり、逆に老後が不幸になる可能性があります。若い人ならともかく、余命10年(?)くらいになった私が病院通いをしてQOLが下がったら一大事です。もう旅に出られません。これは避けたい。

病気でないとすると、積極的に治療しなくてもいい。放置してもいいので、これはものすごく気が楽になります。病院に行かず、検査もせず、治療せず、QOLを高めることに専念する。

この方法ならギリギリまで旅に出て、最後の10年を幸せに生きられそうだ。老後が一気に明るくなり、俄然、やる気になります。私はこちらを選択したい。でも、もし、突然、ひどい症状が出て、手遅れ、ダメだった時はどうする?

その時はあきらめるのか?
いさぎよく死ぬ覚悟はあるのか?

残念ながら今の私にはその覚悟はありません(涙)。では、どうする?

これらのモヤモヤを私なりに整理して「最後の元気な10年」をまっとうしたい。そのために新たに「funasanのアンチエイジング日記」をはじめたわけです。

「100年ライフのサイエンス」を紹介してくれた友人からのメールです。

「老化は制御できて、治療できる時代は必ず来ると、科学者や未来学者が断言しています。安全性と確信ができるまで待つか、それとも、我々はもう待ったなしの状態なので、運動、食事、空腹、瞑想、若返り薬と何でも試していくか。そのどちらかであると考えます。私は後者の方を実践したいと思っています」

私も全く同感です。座して死を待つより、未知の世界に飛び出して最先端の老人科学を学び、そして人体実験する。結果は「Nobody knows.」です。

五木寛之の名著「青年は荒野をめざす」(1967年初版)には、20歳の若者がジャズ音楽と女と酒を求めてヨーロッパへ渡航する冒険の旅が書かれています。

実は、私も20歳の時、人生に悩んで大学を1年間休学しました。そして、自転車に乗って全国放浪の旅に出たのです。自分探しの20歳の旅でした。

あれから何と50年も経ってしまいました。今、私は70歳、月日の流れは誠に早い! 何も知らず、未知の世界に挑戦した20歳の時を想い出し、詩を作ってみました(自分を鼓舞する詩です)。

舟橋栄二 作「さあ、旅立とう、老人よ!」

老人よ、今まで長く生きてきたんだ、もう死んでもいいじゃあないか?
老人よ、迫りくる病と死を恐れず、最後の10年を生き生きと生き抜こう。
老人よ、最先端の老人科学を学び、人類未到の世界に突き進もう。
それは死ぬまで若い「不老長寿の道」
老人よ、荒野を目指せ!

(続く)

【次回】第3回・現代医療への疑問(ファミリーヒストリー 1)

【前回】第1回・いつまで元気に旅ができるのでしょうか?

本連載が単行本(紙の書籍)として刊行されました

本連載は、本サイトに掲載した舟橋栄二さんの記事から、がん闘病に関する回を再配信したものです。時期に関する記載は2022年現在のものです。

(本連載記事一覧)がん患者よ、旅に出よう!
(スペシャル対談)私のリゾートライフの全体マップ
(筆者ホームページ)舟橋栄二「第二の人生を豊かに」

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