人生を変えたコスメル島への旅 – 2

「がん患者よ、旅に出よう!」は、トラベルライターの舟橋栄二さんによる連載です。早期退職でリゾートライフを満喫する日々の裏には、2度の手術を含めた「がん」との闘いがありました。「旅は生きる喜び。その喜びをがんに奪われたくない」
本連載は「旅を通して転移がんを克服した全記録」です。(編集担当:resortboy)

宿泊した「サボーアホテル」(現:Sunscape Sabor Cozumel)も素晴らしかった。グリーンの芝生と背の高い椰子の木の間に低層階のコテージが点在し、どこを見ても美しい。私はここに1週間滞在しました。リゾートクラブの海外交換RCI利用なので、宿泊費は1週間3万円と格安でした。

コスメルで実感した生きる喜び

このホテルはいわゆる「オールインクルーシブ」のリゾートなので、朝食・昼食・夕食、すべて食べ放題・飲み放題です。しかもアルコールまでもがフリー。ただし、飲食代として1日約60ドルが追加で必要になります。それでも格安です。私は毎朝、ビーチに面したオープンデッキのレストランに入り、青い海を眺めながらゆっくり朝食を楽しみました。

ここメキシコのユカタン半島は亜熱帯気候であり、フルーツの宝庫です。朝から新鮮なフルーツをもりもり食べます。健康であれば人生は楽しい。今、私は何を食べてもおいしい。カリブ海を眺めながら好きな食材をピックアップして、朝食メニューを作ります。

また、甘党の私はケーキ類に目がありません。ランチになるとデザートのオンパレード! 普段は健康優先で何かと制限していますが、リゾートに来た時くらいは少し緩めます。最後はカプチーノを注文して、エンドレスでデザートタイムを楽しみます。

そして、夜はプールサイドがパーティー会場に変わり、特設ステージではバンドと女性シンガーによるライブ演奏が連日行われます。飲んで、食べて、歌って、踊って。皆さん、それぞれに人生を楽しんでいます。

がんに負けてたまるか

旅のはじまりこそ憂鬱でしたが、日本から遥か遠いカリブ海に浮かぶコスメル島までやって来て、私の心には変化が訪れていました。

旅は楽しい。見知らぬ外国や行ってみたい場所はいっぱいある。今、私はとても元気だ。がんだからと言ってそう簡単に死ぬはずがない。

元気であれば、旅から旅へと人生を楽しめる。こんな幸せな人生を、そう簡単に手放せない。死んでたまるか。

ガンに対する恐怖が次第に薄れ、生きる意欲が湧いてきたのです。

(続く)

【次回】第10回・人生を変えたコスメル島への旅 – 3

【前回】第8回・人生を変えたコスメル島への旅 – 1

本連載が単行本(紙の書籍)として刊行されました

本連載は、本サイトに掲載した舟橋栄二さんの記事から、がん闘病に関する回を再配信したものです。時期に関する記載は2022年現在のものです。

(本連載記事一覧)がん患者よ、旅に出よう!
(スペシャル対談)私のリゾートライフの全体マップ
(筆者ホームページ)舟橋栄二「第二の人生を豊かに」

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