ハーヴェストクラブ値上げから考えるリゾート会員権の本質

次回の勉強会(オフ会)は12月5日12月12日に開催を予定しています。ただいま企画を練りながら会場予約などの準備を進めている最中ですので、告知までもうしばらくお待ちください。次回はずばり、「リゾート会員権とは何か」という本質的なテーマについて、コロナ禍のこの段階で一度まとめてみたいと考えています。

それで、久々に東急ハーヴェストクラブのことに思いをはせています。この8月に、2021年1月からの利用料金値上げが発表になっていて、そのこととコロナ禍やGO Toキャンペーンによるホテルの価格変動とからめて考えてみたかったのですが、夏以降のホテル業界をめぐる状況変化が激しすぎて、なかなか記事を書く機会をとらえられませんでした。

というわけで、まず最初に、値上げのファクトについてです。

ハーヴェストクラブの利用料金は一般にパーソンチャージで、VIALA施設においてはルームチャージです。パーソンチャージは現在の4,200円(蓼科リゾート、裏磐梯グランデコ、京都鷹峯、熱海伊⾖⼭、那須Retreat、軽井沢)と3,600円(それ以外)の料金が、2021年からは4,900円と4,200円に改定されます(価格は税抜)。

小人料金(4~12歳)についても、2,900円が3,600円に、2,600円が3,200円に上がります。これは割合で言うと大人が約17%、小人が約23~24%なので、それなりのインパクトがあります。

例えば料金が安い方のグループである箱根甲⼦園を大人2人、小人2人で1室利用した場合、これまでは12,400円(税込13,640円)だったのが、14,800円(税込16,280円)となります。1人当たりの値上げ幅は数百円でも、家族全員となるとそれなりの上げ幅になっていることがわかります。

VIALA施設については、施設の新しさやお部屋によってそれぞれ異なるのですが、数%~10数%の値上げが行われています。例えばVIALA箱根翡翠のデラックス和洋室の相互利用を例に取ると、2万円(税込22,000円)から23,500円(税込25,850円)に約18%値上がりします。

僕は東急ハーヴェストクラブを所有したことがないのですが、数年前まではそれなりに利用して記事なども書いていました。だんだんと遠ざかってしまったのですが、それはなぜだろうと考えると、いい意味でも悪い意味でも、東急ハーヴェストクラブというのは「東急リゾート」の商品だ、ということなのだと感じます。

次回のオフ会で解き明かすつもりですが、リゾート会員権というものは、東急ハーヴェストクラブがまさにそうだったように、その出発点には「リゾートマンションや別荘との対立軸」というものがありました。数十年前、別荘を持つことがステイタスだった時代に、その進化系として、リゾートマンションを踏み台にバブル時代を背景に生まれてきたのがリゾート会員権と言っていいでしょう。

だからこそ、東急ハーヴェストクラブは東急ホテルズ(親会社は東急)ではなく、東急リゾート(親会社は東急不動産ホールディングス)が運営しているのだし、第一号の施設は東急リゾートタウン蓼科のとびきりの場所を割り当てられたわけです。

(公式)全国の別荘、リゾートマンション・不動産情報は東急リゾート

一方で、創業者の類まれなるホテルマニア的な視点をもって豪華施設をバンバン作るリゾートトラストという会社が、大成功を収めます。同社は独自の豪華路線で日本独特のリゾート会員権文化を創造していきますが、21世紀になってさらなる高級化を進めて自己変革を行い、「新たな発明」とも言える境地に達したと感じます。

それは離宮シリーズに見られる、「高級旅館や高級ホテルとの対立軸」としてリゾート会員権を位置づけるビジネスモデルです。これは日本の別荘文化の衰退や、モダンな外資系ホテル文化の高まり、核家族化といった社会の変化を背景に受け入れられ、それによって古くからある施設(オールドエクシブ)にもテコ入れがなされました。

大河ドラマ的になってきたので今はこの辺でやめますが、そうしたリゾートトラストの独創性と比較すると、VIALA施設でそうしたトレンドを取り入れてはいるものの、東急ハーヴェストクラブというリゾート会員権は、いい意味でも悪い意味でもオーセンティックなわけです。

2009年以来となる今回の値上げで、ハーヴェストクラブは家族利用だと普通のリゾートホテルを使うのとあまり違わない利用価格に近づいているように感じます。リゾートトラストのやり方がよいと言っているわけでは決してないのですが、別荘地を背景にしたリゾート文化、保養地文化というものは、ごく一部のブランド地(箱根や軽井沢など)を別にすれば人口減少とともに衰退していきますから、そこが本質であるリゾートクラブはその影響を避けられません。そのことは意識しておいた方がよさそうです。

4 comments

  1. 本記事の冒頭で、次回のオフ会(勉強会)を12月5日(土)に開催予定としていましたが、会場申込の抽選に漏れてしまいまして、その翌週の12月12日(土)の午前中に、東京都港区内の会場にて開催することにしました。

    予定を調整していただいていた方には大変申し訳ありません。今回のオフ会は年内最後で、2021年は初夏まで東京での開催予定がありません(次回12月の開催から、さらに半年くらい先になる見通しです)。そのため、これまでの勉強会の成果を踏まえて、少しまとまった形の発表をして区切りとしたいと思っていますので、どうぞご期待ください。

    よろしくお願いいたします。

  2. resortboyさん
    私もエクシブ…豪華なリゾートホテル、サービスは結構良い
    ハーヴェスト…保養所に毛が生えたよう、サービスは事務的
    なイメージでいたのですが
    今回、新しくできたハーヴェスト軽井沢に泊まって
    進化しているなと感じました。

    施設全体も良いですしVIALAの部屋はジャグジー付き
    ベランダ横に涼み処まであり、かなり頑張っています。
    軽井沢パセオの後に泊まってもがっかりしませんでした。
    resortboyさんも是非、宿泊してみてください。
    洋室がお勧めです。
    (レストランのサービスはややエクシブの勝ちでしたが)

  3. リラックマ大好きさん、塩沢のハーヴェスト行かれたんですね。いや、僕も行ったら絶対に気にいると思ってはいるんです。それでも、何かこう、リゾートトラストのベタベタした感じに郷愁みたいなものを感じてしまうんですよね…。

  4. 斑尾はレストランがバイキングしかなくイマイチでした。(以前はバイキング以外に和洋中あったのですが)

    コロナ直前にはアジア系外国人だらけの施設になっているので、もう使うの止めました。

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