増殖する道の駅ホテル、フェアフィールド – 2

前回は、マリオットと積水ハウスによるフェアフィールドの展開について、概要をまとめました。今回は実際の施設を見ていきます。訪れたのは「フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜高山白川郷」です。他のフェアフィールドも仕様は同様かと思いますので、他の施設も含めて、皆さんのご体験をお聞かせください。

増殖する道の駅ホテル、フェアフィールド – 1

道の駅「桜の郷 荘川」

まずは立地です。東海北陸自動車道荘川ICの出入り口のところにあります。

「岐阜高山白川郷」と銘打っていますが、高山にも白川郷にも近くありません。開業時の名前は「フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜高山荘川」で、高山市ではあるものの、高山市は東京都よりも大きいくらいなので、立地としては「荘川町」である、と理解するのが妥当です。

(公式)荘川観光協会公式サイト

フェアフィールドは道の駅とセットになっていますが、ここの場合は、道の駅「桜の郷 荘川」に隣接しています。

(MICHI-NO-EKI Navi)道の駅 桜の郷 荘川

道の駅の中核施設は、立ち寄り湯の「桜香の湯」です。

ただし、ホテルの付帯施設のように考えてはいけません。開館は午前10時ですから朝風呂は無理ですし、クローズは午後8時30分で午後8時までに入館しなければなりませんので、夕食後の入浴もできません。また毎週木曜日が休みです。

入湯料は730円のところ、フェアフィールド割引で600円になります。さらに、利用の際に次回用の無料券がもらえるので600円で2回利用できる、というのが現況のようです。

桜香の湯(レストランおうか) | ひだ荘川|荘川町まちづくり協議会

同じ場所に「レストランおうか」がありますが、同様に営業時間の制約が大きく感じました。開店は11時、ランチのラストオーダーが14時30分。夕食は17時開店でラストオーダーは19時です。

一番近いコンビニは、高速に乗ってひるがの高原SAまで行くと、上下線ともにファミリーマートがあります。これはギャグなんですが、そんなコンビニもないようなド田舎であります。

ロビーラウンジ

道の駅をチェックしたら、ホテルに行ってみましょう。

風除室を抜けてホテルに入ると、フロントブースが2つあり、外国人スタッフが迎えてくれました。面会したマネージャーは日本人女性の方でした。

フロント横にはロビーラウンジがあり、このホテルの特徴である「ライスフィールドビュー」(要するに田んぼ)への眺望が楽しめます。

ソファやチェアなど、10人分のスペースがあり、また外国人向けにちょっとした本棚があって、ラウンジ感を醸し出しています。

食事スペース

このラウンジスペースと連続して、食卓とキッチンがあります。食卓は8席です。こちらのテーブルにはコンセントが付いていますので、コワーキングスペースという側面もありそうです。

キッチンにはUCCのコーヒーマシンがあり、種類は少ないですがティーバッグ、味噌汁などもありました。オーブントースター(バルミューダ)と電子レンジがありますので、持ち込み食材の温めくらいは十分にできます。ただ、地元産のもので何か料理をするというのは無理です。

これ以外には「マーケットプレイス」と呼ばれるお菓子コーナーみたいなものがあり(有料)、そこでは飛騨牛カレー(レトルト)やパックごはん、ポテトチップスなどが買えます。お酒も含めてドリンクも一通りありますし、食事っぽいものとしては冷凍ピザなどもありました。

これら共用スペースは、他のフェアフィールドでも仕様は共通のようです。

25平米でバスタブなし

最後に客室です。この写真のみ報道発表資料からの引用になります。

客室はツインとダブルの2タイプで、広さはいずれも25平米。エキストラベッドやベビーベッドの追加はなく、2名以上での利用はできません。またバスタブはなく、シャワーのみです。これら客室仕様もフェアフィールドで共通となっているようです。

客室については、宿泊記録のブログが山ほどあるので、興味のある方は検索してみてください。

(客室)岐阜県高山市の宿泊施設 | フェアフィールド・バイ・マリオット・岐阜高山荘川

(公式)フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅 | 公式サイト

9 comments

  1. こんにちは…
    子どもが小さいころにダイワロイヤルホテル系を利用したことがあります。
    現在、グランドメルキュールにリブランドしているようですね。こども連れをターゲットに星野のリゾーナーレっぽいけどちょっと価格がお安い感じですね。

    オールドエクシブももう少し館内にリゾーナーレのようなお楽しみがあればよいのになと感じます。プールに映えるうきわとか。おしゃれな子ども向きアイス。キッズルームの充実。
    先日、GWに那須では宴会場の一部を子どもの遊び場にしてありましたが、もう少しお金をかけて木製おもちゃをたくさんを入れるとか、ボーネルンドのあそび場とか、ボールプールや大規模滑り台のあるキッズルームが欲しいなと感じています。
    サンクチュアリや離宮は大人向け。オールドエクシブはファミリー(小さいこども連れ)三世代向けとかすみ分けも考えた施設作りをしていってほしいと思います。

  2. ジューシーママさん、コメントありがとうございます。

    エクシブには企画予算がないので、普通のホテルと比べるのは厳しいですね。できるのはLED電飾とか館内の宝箱探しみたいな、コストのかからないものに限られます。

    以前は、施設独自でいろいろと企画がありましたが、今や現場にその裁量も余裕もなくなりました。ディナーブッフェも短期間に倍額になって、ファミリーは来るな、という経営になったと感じます。

    星野がいいかはわかりませんが、以下のように明確な「子どもとの思い出づくり」を打ち出していますから、普通のファミリーはこちらを選びます。

    アクティビティ一覧 | 星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳【公式】 | Hoshino Resorts RISONARE Yatsugatake

    良い悪いではなく、企業メッセージに現れる経営姿勢が違うということですね。

    サンクチュアリコート琵琶湖プロモーションビデオ – YouTube

  3. resortboyさん

    私が宿泊した岐阜郡上とラウンジも瓜二つ!
    部屋のランプに備品、壁に掛かっているアートまで同じです!
    調べてませんが、施設オープンが同時期だと、ほとんど同じ仕様なのでしょう

    高山白川郷は郡上のスタッフも、戦略的にホテル名を変更したと言ってました
    ここは、やはり外国人利用が多いそうです
    キャンセルしましたが、私も名前に釣られて予約してしまいました(笑)

  4. resortboyさん、みなさん、こんにちは。

    フェアフィールド・バイ・マリオットですが、ダイヤモンド・オンラインで苦戦が報じられています。

    有料記事なのかな? さわりしか非会員は読めませんが。

    https://diamond.jp/articles/-/346170

    14日土曜日にグランディー鳴門にゴルフに行きましたが、ホテルの方は取れず車で30分ほどのホテルAZ板野に泊まって、翌日に帰りました。

    とても大きな道の駅に併設されており、以前の僕の投稿で食事はイマイチと書きましたが、私の勘違いでそのコストパフォーマンスに驚きました。

    夕食
    https://ameblo.jp/hyouchandesu/image-12860020640-15463457070.html

    朝食
    https://ameblo.jp/hyouchandesu/image-12860020640-15463457072.html

    これが、5,030円で食べれるのかと言うものでした。この物価が上がっている時に本当に驚きました。

    今回は男7人でゴルフに行っており、お風呂もゴルフ後に入っている為大浴場が無くても辛抱出来ましたが、部屋は当然狭かったです。

    ただ掃除は行き届いており内装も新しかったです。

    対象が全く違うとは言え、フェアフィールド・バイ・マリオット大丈夫なのか?

    欧米人などもドヤ街の2,000円ほどのホテルにも泊まっているようですしどうなんでしょう・・・・・

  5. ホテルAZは
    西日本一帯のロードサイドにある
    ビジネスホテルチェーンですが、
    株主優待券を使えば3割引になります。

    シングル1泊朝食付で4,950円が3,465円になります。

    ということは、1週間車で中国から九州を巡っても
    株主優待券7枚+24,255円で済みます。

    エクシブ1泊分で1週間泊まれるわけです。

    株主優待券はヤフオクやメルカリで買えますよ。

  6. makunoutibentouさん、ダイヤモンドの記事のご紹介、ありがとうございました。

    その記事自体は読んでいませんが、積水ハウスとマリオットは、BONVOYを通じて送客するとして自治体を誘っておきながら、実際の外国人旅行者の多くはジャパン・レール・パスを使って移動するので、不便なフェアフィールドにはたどり着くことができません。

    「強者の弱い者いじめビジネス」とzukisansuさんが看破していますが、僕も同意見です。

    串本ロイヤルホテル | 本州最南端「南紀串本」にガラ権はあるか | 会員制ホテル今昔物語 – resortboy's blog – リゾートホテルとホテル会員制度の研究

    また、ホテルAZのご紹介をありがとうございました。僕も機会があれば使ってみたいです。

  7. マリオット関連の最新情報です。一般的にはあまり関係ないかもしれませんが、私にとっては重大ニュースです。以下、ちょっと長いですが、ご容赦願います。
    題して「さよなら~、シーガイア!」

    ショックです!私の大好きなホテル「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート 」が来年の6月6日以降、シェラトン(マリオットグループ)から離脱して独自路線を行くそうです。何故か?気になったので、その理由を手っ取り早くAIさん(Perplexity)に聞いてみました。いつものように、真偽は保証しませんが、概略は分かります。ご参考までに。

    《所有者の変更》

    旧所有者:セガサミーホールディングス株式会社(100%保有)
    新所有者:アメリカの投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」(Fortress Investment Group LLC)の関係会社である夕顔合同会社

    この所有権の変更は以下のプロセスで行われました:
    セガサミーホールディングスは、2024年5月31日(予定)にフェニックスリゾートの全株式をFortressの関係会社に譲渡します。株式譲渡後、セガサミーホールディングスはフェニックスリゾートが新たに発行する種類株式を取得する予定です。この取引により、フェニックスリゾートはセガサミーホールディングスの持分法非適用関連会社となります。Fortressは日本国内で多数のホテル運営実績があり、フェニックスリゾートの企業価値向上を目指すとしています。

    《フォートレス・インベストメント・グループ》とは?

    フォートレス・インベストメント・グループは、アメリカの大手投資運用会社です。主な特徴は以下の通りです:

    ・設立と沿革
    1998年に設立
    2006年に日本支社を設立
    2017年にソフトバンクグループが33億ドルで買収し、傘下企業となる

    ・事業内容
    バイアウト・ファンドビジネスが中心
    ディストレス投資(経営破綻懸念のある企業の株式や債券への投資)が主軸
    不動産投資に強みを持つ

    ・日本での活動
    2009年から日本国内で不動産投資を本格的に開始
    多数のホテル運営実績があり、151のホテルを運営
    2019年時点で、今後4年間で3000億円から4000億円の不動産投資を計画

    ・投資戦略
    温泉ホテルやオフィスビル、商業施設、地方自治体保有の住宅やアパートを買収
    大規模修繕やリノベーションを行い、物件を再生
    再生した不動産は傘下のJ-REIT(インヴィンシブル投資法人)に売却

    ・最近の動向
    フェニックスリゾート(シーガイア)を買収し、長期保有して企業価値を高める方針
    ホテル運営を本業と位置付け、積極的に投資を行っている
    フォートレスは、不動産とホテル運営に強みを持つ投資会社として、日本市場で積極的な展開を続けています。

    《夕顔合同会社》とは?

    夕顔合同会社は、フェニックスリゾート株式会社(シーガイア)の株式を取得するために設立された特別目的会社です。主な特徴は以下の通りです:

    設立:2023年7月26日
    所在地:東京都港区西新橋1-1-1 EPコンサルティングサービス内
    代表者:代表社員 夕顔一般社団法人 職務執行者 目黒 正行
    事業内容:法人の株式の取得、保有、管理及び処分
    資本金:10万円
    株主構成:
    Yugao Holdings I LLC:99.99%
    夕顔一般社団法人:0.01%

    目的:アメリカの投資ファンドFortress Investment Group LLCの関係会社として、フェニックスリゾートの株式を取得するために設立された。
    取引内容:セガサミーホールディングスから2024年5月31日付でフェニックスリゾートの全株式を譲り受ける予定。この会社は、Fortressがフェニックスリゾート(シーガイア)を取得するための投資ビークルとして機能しています。

    誰が得して誰が損をするのか?私の愛する「シーガイヤ」が外資の草刈り場の1つにならないことを祈ります。でも、その外資はソフトバンクグループに買収され傘下企業となっている。壮大なスケールでソフトバンクが暗躍しています。全くついていけません。さよなら~、シーガイア!

  8. resortboyさん、皆さん、AIさん(Perplexity)の名誉と私のAI利用の未熟さの反省を兼ねてレポートします。

    改めて、昨日調べたAIさん(Perplexity)の脚注を1つ1つ検索してみました。Perplexityの良さは、最新データの出典を脚注としてリンクしていることです。これは毎回の「会員制ホテル今昔物語」と同様ですが、脚注の添付は非常に面倒な作業です。しかし、記事の信頼性を担保するために必要なことです。

    宮崎「シーガイア」の米投資ファンド売却の件について、最も信頼できるオリジナルな出典もPerplexityの脚注にありました。当事者である会社の「セガサミーニュースリリース(2024/05/10)」です。以下抜粋です。

    連結子会社の異動(株式譲渡)および特別利益の計上に関するお知らせ
    ~フェニックスリゾート運営におけるFortressとの戦略的パートナーシップ契約の締結~
    https://www.segasammy.co.jp/ja/release/48858/

    ・株式譲渡および特別利益計上の理由

    2023年3月期から、二期連続で当社グループに参画して以降最大の売上高の更新および営業利益の黒字化を達成するなど、日本有数の複合型リゾート施設としてのプレゼンスを確立するとともに、収益性の回復も実現いたしました。

    当社としては、黒字化達成後もフェニックスの更なる企業価値向上に向けた様々な施策を検討してまいりましたが、そのなかで、ホテル・リゾート事業において豊富な経験、知識を有するFortressを戦略的パートナーとして迎え、当社が保有するフェニックス株を譲渡し、Fortressがフェニックスの運営を主導することがフェニックスの企業価値最大化のために最善であると判断いたしました。

    Fortressの支援の下、引き続き現従業員にフェニックスの運営に携わっていただくとともに、地域企業・住民の方と協働して「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート」や「フェニックスカントリークラブ」ブランドの有するポテンシャルを最大限発揮させることでフェニックス全体の企業価値向上を実現することができると判断しております。

    なお、本株式譲渡に伴い、2025年3月期において特別利益として株式譲渡益を計上する見込みです。以上抜粋でした。

    日本の地方にある巨大リゾート施設が次々に破綻し、外資に二束三文で買収されるという、いつもの悲惨劇とは随分違っていますね。安心しました。

    セガサミーはちゃんと利益を出して売却し、経営資源を本業に生かす。新生シーガイアはシェラトンと別れて、フェニックス全体の企業価値向上を目指す。弱小化した日本のホテルが次々にマリオットやヒルトン等の傘下に成り下がっていくのとは正反対に、シーガイアは独自路線を進む。これはホテル運営の自信の表れでしょう。頼もしくも、嬉しく思います。

    最後に、私の反省です。

    私はAIをよく使います。何か調べたいことがあれば次々にAIに聞きます。瞬時に回答が出てきてもの凄く便利です。ネットでいちいち検索する手間が省けて生産性が抜群に高まりました。

    ここにAI利用の盲点があります。私は手っ取り早く概略を知りたいだけなので、脚注にある出典までは検索しません。何か特別なテーマを追っている時は別ですが、日常的には脚注は無視です。知りたい結果だけを適当に検索して、それをもとに自分のイメージを作っていきます。

    その結果…、resortboyさんご指摘の「パープレの適当な回答で納得していてはダメですよ。」というご批判になる訳です。パープレが悪い訳ではなく私のパープレ利用が未熟だったということです。resortboyさん、ありがとうございました。

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