[5/29]決算を通じてホテル投資について知ろう

今週の土曜日、5月29日に開催予定のZoomオフ会の話題を先出しする記事の4回目です。今回は、決算の話題ということで、ズバリ「株価」という部分に注目してみたいと思います。5月29日のZoomオフ会にご参加希望の方は、以下の記事をお読みになり、その記事か、または本記事などの前フリの記事に、一言コメントとともに参加表明をお願いします。

（2021-05-28追記）ご参加登録は締め切りました

かなり集まってきたので、木曜日いっぱいで締め切ります。参加表明のコメントをいただいた方には、準備ができ次第、Zoom参加用の情報をメールでお送りします（すみませんが、まだ出せていません）。

5月29日にKASAの会をオンライン開催します｜ resortboy’s blog – リゾートホテルとホテル会員制度の研究

株価に関して、主な話題は3つあります。1つ目は、リゾートトラストの昨年第3四半期の決算が、市場にサプライズとして受け止められたことについての解説です。これについては以下の記事で触れたことがありますので、「知ってるよ」という方も多いでしょうが、基本の部分を解説します。

（関連）会員権売上は好調。Go To効果で稼働率は前年並み｜リゾートトラスト – resortboy’s blog – リゾートホテルとホテル会員制度の研究

リゾート会員権は、新規のホテルが開業した時に不動産部分の売上を一度に計上するため、横浜ベイコート倶楽部の開業があった2020年度第3四半期に、同社はコロナ禍の中でも売上を大幅に伸ばすことができました。しかし、こうした同社の基本的なビジネスモデルはほとんど理解されていないため、市場では「ホテル業なのになぜ？」とサプライズが起きて、株価が乱高下したのでした。

このサイトをご覧の方には、株主優待券の取得目的でリゾートトラストの株式を売買されている方もいらっしゃると思うので、こうした基本のところを解説します。

2つ目は、リゾートトラストの財務状況の健全性についてです。今回、修正発表された中期経営計画では、経営目標数値として3年後にROE（自己資本利益率）10％、という数字が掲げられてれています。この「ROE 10％」というものについて、分解して解説してみたいと思います。

比較対象としては、プリンスホテルを取り上げます（冒頭の写真は昨秋に開業してピカピカなのに激安稼働が続く「東京ベイ潮見プリンスホテル」です）。会員制ではないプリンスホテルは、ご存知のとおり、非常に厳しい経営状況に置かれています。そのため同社は、ホテルを所有しながら運営するというこれまでの経営スタイルを捨て、現代ホテル経営のスタンダードに合わせて、ホテル資産の所有と運営を分離すると発表しています。

（画像出典：西武ホールディングス決算説明会資料）

そして同社が発表している3年後の経営目標がこちらですが、やはり「ROE 10％」が掲げられています。このスライドにあるように、ROEは構成する要素を3つに分解して分析することが多いのですが（これを「デュポンROE」などと呼びます）、この経営分析指標についてリゾートトラストと照らし合わせながら検討してみたいと思います。

（画像出典：西武ホールディングス決算説明会資料）

最後は、「ホテルへの投資」という一番生々しいお金儲けの話です。

リゾートトラストという会社は、会員にホテルの区分所有権を持たせて、かつ、会員から年会費を徴収しつつ利用料金もそれなりに取るという、かなり特殊なビジネスをしています。一方で、上記のプリンスホテルが示しているように、ホテル不動産の所有は運営と分離されるのが普通になったため、今はホテル専門に投資する不動産投資信託（REIT）が数多くあります。

このホテルREITは昨年来のコロナ禍で、ものすごく大きな値動きをしました。不動産投資として一番儲からないはずのホテルがREIT投資として見て一番儲かったとしたら、皆さんはどう思われるでしょうか。この中の一年を振り返ってデータを見てみたいと思います。

こうやって書いてみると少し欲張りすぎな気もしますが、話の内容は土曜日に。