エクシブの新しいオーナー特典を考える

これまで、オーナーに年1回発行されていた「エクシブ特別ご招待券」が2018年をもって廃止となり、2019年からは新サービスへと変わります。オーナーが契約施設を利用する際、2人以上なら1人分の夕食が無料になるというものです。回数に制限はなく、権利の範囲内で何度でも使えます。すごく魅力的に響きますが、人を選ぶ制度のように感じます。以下で検証してみましょう。

なお、時を同じくして導入される新しい「館内専用オーナーカード」特典については以下の記事をご覧ください。

エクシブの新しい「館内専用オーナーカード」特典 | resortboy's blog – ホテルの会員制度を楽しむサイト

話を「2019年新オーナーサービス」に戻して、まずは利用条件を見てみます。

・エクシブオーナーとオーナー対応者(配偶者含む)の利用が対象
・エクシブの契約施設の利用に限る
・1室2人以上の利用時に、1人分の夕食が無料
・6名様以上で1室利用の場合、2人分の夕食が無料
・権利泊数分の回数まで何回でも利用可能
・一部の付帯施設の利用が無料(1時間無料や利用料無料など)

ここまでが基本のサービス内容です。続いて、限定事項について見ていきます。

・無料となる対象はコース料理のみ(アラカルト不可)で、コースは通年提供されているもの
・同伴者全員が同じコースを注文する必要がある
・カレンダーの「ブルー」「ホワイト」が対象
・「レッド」「ゴールド」、特別営業期間(4/29~5/5、7/25~8/20、12/30~1/5)は対象外
・宿泊プランの併用はできない

これらの公式案内が以下です。

(出典:リゾートトラスト)

なかなかわかりやすく、魅力的に響くオーナー特典のように感じます。しかし、実際のところは、かなり利用者を限定しているようにも見えます。

どういうことかというと、閑散期に繰り返し利用するオーナーを優遇し、そうでないオーナーには無価値、というタイプのベネフィットであるからです。つまり、現在リゾートトラストが直面している稼働率の問題を解決するために導入された施策であり、暇なリタイア層に優しく、通常のビジネスパーソンには価値が低い施策です。

具体的に見ていきます。まず、利用日の問題です。

利用できるのは「ブルー」「ホワイト」に限定されていますから、土日しか休めない普通のビジネスパーソンは利用できません。

これまでの「エクシブ特別ご招待券」では権利日の色に限定はありませんでしたので、例えば8月21日~31日といった特別営業期間外の夏休みの平日に利用することができました。しかし夏休みの平日は色としてはレッドになりますから、新サービスは対象外になります。

この利用日の限定がキツいので、まったく活用できないというケースも少なくないと思います。

次に、具体的に金銭メリットを検証してみます。一例として、エクシブ山中湖のスイートオーナーを挙げます。これまでのご招待券は、ルームチャージに加えて、1人分の朝夕食が無料でした。金銭に換算すると、31,644円と導き出されました(2017年までは夕食は6,000円相当でしたのでその値で計算しています。ルームチャージは20,500円とし、朝食は2,000円相当)。

今回の夕食無料ですが、8,000円のコースを利用すると税サ込では9,504円ですから、およそ新サービスを3~4回利用すると従来と同程度のベネフィットということになります。それ以上利用するなら得、そうでなければ損、といった印象です。

ただし、これは契約施設に限定されるということを忘れないでください。エクシブに毎月行くとしても12回、そのうちのおよそ3分の1を契約施設に振り向けるというのは、契約施設にこだわらずに利用できたこれまでのエクシブオーナーの使い勝手からすると、やや偏重ぎみの利用と感じられるケースが多いのではないでしょうか。

また、ベネフィットの利用には、お部屋代と同伴者の食事代という出費を伴う、ということにも認識が必要でしょう。つまり、これまでよりも出費を強いる(つまりリゾートトラストの収益に貢献する)という方向性の施策であるわけです。ここは「タダでご招待」の今までのご招待券とはまったく異なる性格です。

さて、大きな問題は、この新サービスの中に「付帯施設の利用」が合体していることです。これについては具体的なサービスを、公式発表からまず見てみたいと思います。まずは東日本。

(出典:リゾートトラスト)

続いて西日本です。

(出典:リゾートトラスト)

カラオケ(ミュージックルーム)やテニスコートの利用は「純増」の部分なので歓迎ですが、問題はここにプールなどのフィットネス系サービスが含まれていることです。

これまで「館内専用オーナーカード」で利用できていたプールやフィットネスがこの「2019年新オーナーサービス」に含まれているのなら、土日にしか休めない普通のビジネスパーソンのファミリー利用には、(気分的に)大きな打撃となるでしょう。なぜなら、この新サービスは一切の土曜宿泊で利用できないからです。

最後に、個人的な印象について述べていきます。

第一印象として、「そう来たか」と思いました。ある種、リゾートトラストの施策として順当なように感じたからです。別稿でも述べましたが、よく利用してくれる「常連様」への優遇にシフトした印象です。そこをFSPでよく見られる「朝食無料」ではなく、「2人以上で夕食無料」と変形してきたところが、リゾートトラストらしいと感じます。

夕食無料とは魅力的に響きますが、考えてみればプラチナカードの付帯サービスでよくあるもので(例えばMastercardのダイニング by 招待日和など)、エクシブがフォーカスする富裕層にとって目新しさはありません。言い方を変えれば「2人で来れば半額になる」ということに過ぎず、例えば5人で利用したら2割引きにしかならないということで、これまたファミリーには厳しい施策となっています。

ファミリーに厳しいと同時に、おひとりさまにも意味がないサービスとなってしまいました。自分はシングルに戻りましたし、家族と行くとしても週末だけですから、まったく使いみちがありません。逆にメリットがあるのは、女性グループで平日に遊びに行くようなタイプの利用でしょうか。昔、リゾートパートナーという制度がありましたが(ご存知の方はエクシブ歴長いですね)、それが時を経て復活したような感じもします。

また、この新サービスによって流通市場の価格付けにも影響があるだろうなと思います。契約施設は割とどこでもいい、というのがこれまでのエクシブ購入の考え方でしたが(なにしろご招待券の消費に年に1回行けばよかったので)、平日とはいえ、夕食半額ということであれば、交通の便がいい近場のエクシブがぐっと魅力的になってきます。

例えば、子どものいない夫婦が金曜日の夜から遊びに行って美味いもの食べてゆっくりし、土曜日に帰り、日曜日は家事をしてウイークデーに備える、といったライフスタイルです。このようなケースでは、首都圏で言えば、距離の近い山中湖や、電車アクセスの便利な箱根離宮などにぐっとフォーカスが当たってくるように感じられます。

さて、後は来年スタートのポイント制度ですね。これらが組み合わさって、新しいエクシブの「最適利用スタイル」が固まってきます。従来とはずいぶん変わったように感じます。自分は半分足抜けしていますが、彼らのフォーカスにぴったり来れば、これまで以上に魅力的なリゾートクラブとなる面があります。逆に、昔の自分のようなライフスタイルだったらあまり合っていないリゾート会員権になってきた、という気もします。

ライフスタイルは十人十色で、合う合わないはリゾートクラブ側の責任ではありません。あまり所有にこだわらずに、軽やかに行きたいですね。蓼食う虫も好き好き、ということで以下の動画を貼っておきます。

12 comments

  1. こんばんは
    情報提供です。
    皆さん、ご存知かも知れませんが
    これまであったワンダーネット加入特典
    ボーナスポイント500ポイント進呈ですが
    新制度検討中のため、来年3月にはもらえないそうです。

    詳しくは
    https://www2.wondernet.ne.jp/mail_magazine/
    に掲載されています。

    新ポイントシステムにそのまま移行するのかと思っていましたが。。。
    どのようになるのか、不安?!ですね。。。

    また、心配材料としては
    サンメンバーズ会員の特別招待券は
    どうなってしまうのでしょうかね?

    そういえば、サンメンバーズ会員がサンメンバーズ施設を利用した際に
    夕食時ワンドリンクサービス(アルコール可)がありましたが、
    いつの間にかウェルカムドリンク1杯サービスに代わっています。。。。

    オーナーである優越感を少し感じることができた
    これまでの特典が次々と改悪(とあえて言わせてもらいますが)されるのは
    本当に寂しい限りですね。

    まあ、前向きに考えていくしかありませんが。。。

  2. 新しいエクシブのオーナー特典はベイコートのメンバーデーの拡大版みたいな感じですね
    サンメンバーズについてはまだ何も発表が有りませんがどうなるのでしょうね

  3. 皆さんこんにちは。公式メルマガの方で、新しいポイント制度の概要が発表されていました。詳細は年明け発行の会報誌、MY RESORTに掲載される予定ですが、現在わかっていることを、こちらでまとめておきますね。

    名称は「RTTGポイントクラブ」。
    2019年4月スタート。
    税抜100円で1ポイントを獲得でき、100ポイント以上以上から1ポイント単位で支払に使える。
    対象はリゾートトラストグループのサービス利用者なら誰でも(オーナーに限らない)。
    入会金・年会費などの維持費はかからない。
    ポイント対象施設は同社のすべてのホテル、エクセレントクラブ、グループゴルフ場、
    ハイメディック、医療サービス(自費のみ)、美容商品などなど。
    5段階のステージがあり、各ステージごとにポイント付与率(1倍~3倍)やポーナスポイント率が変わる。
    ステージ判定は、所有会員権の本数や購入金額、前年度の施設利用状況による。
    オーナーは、自分の会員権をゲストが利用してもポイントが還元される。

    というわけで、誰でも利用できる一方で、ゲスト利用にもポイント付与があるという、なかなか他にないタイプのポイント制度となりそうです。正式発表を楽しみに待ちましょう。

  4. グループ内施設の利用実績や利用サービスの種類毎にポイント還元倍率(0.5%毎?)の上乗せという事は
    某大手通販サイトの様な制度になりそうですね

    あと気になるのが新しいポイントは獲得時も利用時も
    一律1ポイント=1円に統一される様ですね
    解りやすくてよいとは思いますが
    閑散期や平日利用は今まで通りの還元率となるのかどうか気にされている会員の方は多いと思います

  5. resortboyさん、皆さんこんにちは。
     RTTGポイントクラブのガイドブックが、マイリゾートと共に送付されてきたので、拝見しました。先にフドウさんもコメントされていますが、還元率の悪さに驚いています。現行のポイントクラブでは、平日対象ながら、還元率が最大10%ありましたが、RTTGでは、全日対象ではありますが、1ポイント1円なので1%しかありません。
     まだ、内容がすべて明らかになっていないのかもしれませんが、この通りだと、予定を無理して平日に行く意味があまりなさそうです。また、エクシブ自体の宿泊数も減らそうと考えています。

  6. mikuroさん、さっそく情報ありがとうございます。僕は連休で出かけていてまだ郵送物を見ておりません。ですが、還元1%ってマジですか? 驚いたのでちょっとコメント入れます。

    例えばいまいるのはヒルトンですが、ヒルトン・オナーズで自分が200ドル使ったとすると、ポイントは以下のように付きます。
    ベースポイント:2000ポイント
    ゴールド会員の8割増しボーナス:1600ポイント
    よくあるキャンペーンで倍付け:2000ポイント
    SMBC VISAカードのボーナス:2000ポイント
    合計:7600ポイント

    ヒルトン・オナーズポイントの金銭的価値は、一般に0.6セントと見積もられていますから、200ドルに対して還元率は約23%となります。

    どうして1%になってしまったのか。最低でも平日10%、休前日5%くらい付けないと話にならないと思っていたので、びっくり。別にdisりたいわけじゃないですけれど、やる気がないのは困ります。

  7. こんばんは

    私も MyResort最新号を受け取りましたが、絶句しているところです。
    ・所有会員権の数はステージに関係なし
    ・RT社からの購入者は優遇
     (仲介業者の場合はどうなるのでしょうか?)
    ・クレジットカードのポイント以下ともいえる還元率。。。
    ・rion制度の方がはるかに魅力的
    ・従来の平日利用金券への交換はなさそうな気配。。。
    等々

    この程度の(話題性もないような)ポイント制度の導入に対して大層な事前宣伝、また今回の大層な説明資料。。。
    こんな魅力の無い制度で恥ずかしくないのでしょうかね。

    当初は特別招待券は廃止する代わりのサービスとしてのRTTGを導入するかのような説明だったと理解していますが、
    実際は特別招待券制度は所有会員権使用時の夕食1名無料制度への利用に代わるということなのでしょう。

    また、私はサンメンバーズの会員権も所有していますが、アニバーサリー特別招待券制度が
    どのように代替えされるのか、未だに不明です。

    resortboyさんやfunasanの執筆本に影響され、
    これまで、サンメンバーズ、エクシブ 合計4会員権を購入してエンジョイしてきました。
    以前は、funasanの言われるとおり、買って良かったと思える満足感が多くあったなとしみじみ思っているところです。
    (いいタイミングでfunasanとの対談がアップされましたね。)

    しかし、今、私の心は大きな転換点を迎えています。
    大半の会員権の処分を検討中です。
    (最近は、仲介業者の売り物件が増えているようですので、処分も簡単では無いでしょうが。。。)

    今回の制度変更に魅力を感じておられる方も多くおられるとは思いますが、
    みなさんは、どう感じておられますか?

  8. 皆さんこんばんは
     私もMyResortをみて信じられませんでした。ポイントが十分の一になったって事?
     一体リゾートトラストは何を考えているのでしょうか?

     思えば12年前、初孫が生まれたのが嬉しくて、エクシブを購入しました。
     関西を中心に本当によく娘家族と旅行しましたが、孫も大きくなると、塾やお稽古事で、中々付き合ってくれません。
     近頃は、友人4人と近場のエクシブにお弁当やワインを買って行き、ずーと部屋で麻雀しております。
     エクシブの夕食が高いのもありますが、麻雀の途中に食事の為お化粧して、服も着替えて、レストランに行くのが面倒くさいのです。
     1泊朝食を食べれば権利も消化しませんから(マイチョイスプラン6700円)、いくらでも行けます。エクシブの朝食はと ても美味しいので、お友達も喜んでくれてます。しかもポイントで約1割還元してくれるのでよかったのに・・・
      
     リゾートトラストは危機的状況にあるのでしょうか?
    株価も下がっているし、その内配当も下がるのではと心配してます。

  9. こんばんは
    従来のポイントカードでは除外日以外は10%還元
    エクシブデーにあわせたら30%還元も出来ていたので、新制度がすごく見劣りししまいます・・
    RT社の狙う平日利用の促進にもならないと思いますが、ボーナスポイントなどで対応するのでしょうかね

  10. 皆さんこんばんは。「RTTGポイントクラブ」ですが、僕はまだMY RESORTが届いておらず、正式な情報を得られておりません(^_^;) 

    ベースポイントが1%なのは別に構わないんですが(ゲスト利用で何もステータスがない状態など)、エクシブなどのオーナーで、利用実績を積み重ねれば(今やリゾートトラストもいろいろな事業を手がけているので、楽天みたいに利用実績に応じてポイントアップ!みたいな)ステータスが上がって、従来どおりの最大3割程度の還元が期待できる、みたいなイメージをぼんやりと思い浮かべていましたが、なんか全然違う感じのようで…。

    ともあれ、情報ゲット後すぐに記事を書きますので、どうぞそれまでの間も皆さんのコメントなど、どうぞお寄せくださいませ。

    ちなみにアパは普通に1割還元でした。普通だ。

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    業界一シブいというイメージのある「東急ホテルズ コンフォートメンバーズ」ですらベースが5%還元だ。

    マイページ |東急ホテルズ

  11. 先日、今年のサンメンバーズ宿泊券が送られてきました。そこに2019年ぶんの特別宿泊無料券と1泊2食招待券が入っていました。今年については特典は現状維持と言うことのようですね。1泊2食招待券だけでも2万円相当(淡路島で8000円のブッフェ選択)で利用できるので、RTCC無しであれば年会費以上の特典が得られる事になります。サンメンについては、少し安心しました。

  12. こんにちは
    サンメンバーズの特別招待券に関する情報です。
    RT社に問い合わせた知り合いの話によると、

    サンメンバーズ会員にこれまで送付されていた
    特別ご宿泊無料券、アニバーサリー1泊2食ご招待券は、
    今年3月までの契約更新者には引き続き送付されるようです。
    つまりあと1年、猶予があるということのようです。
    その後については、新サービスを検討中とのことのようです。

    長年、提供されてきた
    これらの招待券がなくなるのは本当に残念ですが
    新しいサービスに期待したい(するしかない)ですね。

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