マリオットがビジホに進出「Four Points Express」

外資系ホテルによって日本市場が草刈り場になる状況が、日に日に強まってきていて、ホテル愛好家としては恐ろしく感じます。何回かに分けて、マリオットの「日本侵出」について解説したいと思っているんですが、まぁガラ権の話もしないといけないし、どこまでできるかな。

まず今日はビジホを切り口に行きます。

ユニゾの14施設がマリオットに

マリオットが日本のビジネスホテル市場に参入することになりました。もちろんすべてがリブランドで、ユニゾホールディングス系列の14ホテルが今年、フォーポイントになります。

(公式)Marriott International and KKR to Launch Midscale Hospitality Segment in Japan With Four Points Express By Sheraton | Marriott News Center

ユニゾについては長くなるので省略しますが、ホテルの歴史が好きな方にはけっこうな大事件なので、以下をご参照ください。

わかりやすく【検証】ユニゾ EBOの異例手続きを経ながら迷走の末 会社解体 なぜこうなったのか? | NHK | ビジネス特集 | 不動産

ともあれ、14軒のホテルが一気にマリオットの新ブランド「Four Points Express by Sheraton」となり、高級ホテルだけでなく、ビジネスホテル(宿泊特化型ホテル)までもがより高い収益を求めてどんどん外資系となっていく、日本の未来が示唆されるニュースであります。

すべてメジャー観光地に3,600室超

14のホテルは、日本国内の10都市にあり、そのすべてがメジャー観光地です。すなわち、函館、盛岡、宇都宮、横浜、名古屋、金沢、京都、大阪、神戸、博多です。ユニゾからの改装工事だけですから、2024年後半には新たに3,600室超の客室がマリオットとしてビジホ市場に放たれます。

言うまでもありませんが、Marriott Bonvoyのベネフィットや実績の対象となります。かつて、ビジホをこよなく愛していた僕には(今もか)、頭が混乱するようなニュースです。

ホテルユニゾ(プレミアム)

ユニゾイン(スタンダード)

ユニゾインエクスプレス(低価格)

Four Points Express by Sheraton Kyoto

というわけで、この「Four Points Express by Sheraton」の一番人気となるに違いない、現「ホテルユニゾ京都烏丸御池」を紹介します。もちろん、ユニゾ時代の取材です(というか、まだユニゾなので)。

アクセスは、「烏丸御池駅」と「京都市役所前駅」と間にあり、利便性において超一流です。

ロビーはビジホなのでさっぱりしているものの、シンプルかつ広々としていて悪くありません。

枯山水風のお庭があったりして、京都のホテルとして申し分ない雰囲気。

そしてこの、金屏風きらめくレストラン! 円形ソファーで優雅なひととき!!

そしてなんと、このレストランは松屋なのです!!!

客室はこんな感じ。このホテルは2020年12月開業と新しいのですが、どの程度リニューアルするのかな?

というわけで、ジャパニーズトラディショナルレストラン付帯のバジェットホテルとして外国人にも人気となり、客室レートは高騰必至。

以下、諸元データです。

所在地:京都市中京区堺町通押小路下る扇屋町661番
交通:地下鉄烏丸線/東西線「烏丸御池」駅 徒歩4分・地下鉄東西線「京都市役所前」駅 徒歩7分
客室数:317室(シングル288 室、ダブル15 室、ツイン13室、ユニバーサルツイン1室)
敷地面積:1,063.24㎡(321.63坪)
延床面積:6,388.27㎡(1,932.45坪)
構造・規模:鉄骨造、一部鉄筋コンクリート造 地上10階/地下1階
テナント施設:松屋

ああ、数千円で泊まれたビジホが、シェラトンの名を受けて3万円になりそう。だって、Four Points Express by Sheraton Kyotoですよ。高そう!

松屋までリブランドしたらどうしよう。

やれやれ、これが観光立国の行く末かい、という話は続きます。

4 comments

  1. このようなニュースを見るにつけ、返す返すもトラスティの売却は痛かったです。
    エクシブオーナー(ブロンズ以上)にとって朝食付きレイトチェックアウト13時でシングル7,700円というのはものすごいベネフィットでした。

  2. 法人税法さん、コメントありがとうございます。FANBOXの方で検討している話題ですが、本当に痛いというか、同社の歴史に残る大チョンボでした。僕にはトラスティ愛があって、以下のような記事を書いていますが、このサイトに来る方々はあまり関心がないみたいでした。

    ホテルトラスティ心斎橋とトラスティシリーズの系譜|ホテルトラスティ – resortboy's blog – リゾートホテルとホテル会員制度の研究

    先日、名古屋で旧トラスティ名古屋栄のKOKO HOTELに泊まってきましたが、何も変わっていませんでした。ロビーで待ち合わせをしたり、未だに「勝手にトラスティ愛」を実践しております。

  3. マリオットの怒涛のような日本“侵略”ですね。また1つビッグニュースが出てきました。私の愛する宮崎シーガイアが外資の手に落ちます。
    ◎セガサミーHD 宮崎「シーガイア」を米投資ファンドに売却決定
    https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240510/k10014445411000.html

    私は昔からマリオットに忠誠を尽くしてきましたが、最近の状況を見ていて、マリオットから気持ちがどんどん離れていきます。理由は簡単です。価格暴騰で、新旧含め、もうマリオット系ホテルには泊まれなくなってしまった(バカバカしくて泊まれない)からです。

    ところで、現在の外資の日本進出に1つ、懸念があります。私はホテル経営には全く素人ですから、以下、教えて下さい。日本のホテルが外資に「買収」または「提携」されマリオット等の名前で高額路線を走った場合、そのホテル収益が現場のスタッフ(特に日本人)に“正当に”下りてくるか?ということです。

    今はホテルの所有と運営が分離され、ホテル収益がどのように分配されるのか私は知りません。でも単純に考えれば、外資は安い日本、草刈り場となった日本に「儲かる」と思って進出してきている訳でボランティアで日本のホテルを再生している訳ではありません。ローカルホテルをマリオット系にチェンジして高額路線で得た膨大な?ホテル収益は外資を中心とする株主・経営陣が収奪し、現場の従業員には、わずかな利益しか配分されないのでは?

    外資は露骨にコストを圧縮して利益を最大化する。確かに雇用は生まれますが、現場のスタッフは忙しく働きまわっても給料は上がらず、「奴隷労働」が定着するだけ。マリオットの日本“侵略”の意味を非常に単純化しましたが、これで正しいでしょうか?専門家のご意見を伺いたいです。

  4. funasan、コメントありがとうございます。シーガイアは南九州を順次取り上げているガラ権連載で近く登場しますので、その時また話題にしましょう。

    ホテル収益の配分については、公開データはおそらくないと思います。収益が改善すれば従業員に還元されるのは必然のように思いますが、僕の基本的な理解もfunasanと同様です。

    ホテル運営には必ず「ナイトスタッフ」が必要で、一定の割合で「訳あり人材」を採用せざるを得ないため、全体として賃金を上げることは難しい、といった内容のことを、ホテル経営者(日本を代表するような都会のホテルチェーンの社長)から直接聞いたことがあります。

    24時間営業が当たり前のホテル運営は、構造的に、現場の生産性を上げることが他業種に比べて難しい面がありそうです。これはド田舎のリゾートホテルではなおさら、なのではないでしょうか。少し脱線しました。

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