2020年6月17日の開業が予想されていた横浜ベイコート倶楽部と併設のザ・カハラ・ホテル&リゾート横浜の開業延期が5月7日に発表になっていました。業績に大きな影響を与える発表ですが、なぜか「投資家情報」のページにおいては触れられておらず、気付くのが遅れました。「お知らせ」という、あまり重要でないニュースを掲載するという建付けになっているのには疑問を感じます。

正式な発表内容は以下の通りです。「ホテルの開業日を、当面の間延期」としており、具体的な開業のめどは立っていません。新型コロナウイルス感染症の拡大によるこのような影響は、仕方がないと言えるでしょう。

(公式)詳細|お知らせ|会社案内|リゾートトラスト株式会社

気になるのは、コロナ禍によって、人々の価値観や優先順位といったものが大きく揺らいでいるということです。

リゾートトラストはほぼ完全なドメスティック企業で、インバウンド需要のような昨今のブームとはあまり関係がない営業活動をしています。ですから、ビフォアコロナとアフターコロナでそれほど影響を受けない企業、という見方ができるとは思いますが、「ひとのココロ」の変化、そしていわゆる「ニューノーマル」がこの会社のビジネスに及ぼす影響については、動向を注視する必要があるでしょう。

ビフォアコロナの世界において、「自宅」はありふれた日常そのものであり、だからこそハレの場所としてのホテルというものに価値がありました。特にベイコート倶楽部が標榜する「都市型リゾート」という概念においては、ケの場所である自宅からそれほど離れずに非日常感を味わってリフレッシュするという、「ハレとケ」のモデルがベースにありました。

アフターコロナの世界で、その価値観はどう変化するのでしょう。

仮説のヒントになる情報をメモしておきたいと思います。アフターコロナでは、日常的なテレワーク(在宅勤務)が当たり前になるという考え方があります。その考えの下、都市経済学の研究者は「在宅勤務が可能な職種は高収入の職業に多い」という問題点を指摘しています。

Remote work worsens inequality by mostly helping high-income earners
Google翻訳による日本語訳

ケベック大学モントリオール校(UQAM)のジョルジュ・A・タングアイ教授らによれば、COVID-19パンデミックによって、高所得者が在宅勤務によってライフワークバランスが確保しやすくなり経済的なメリットもある一方で、在宅勤務ができない低所得者に過度な負担がかかっていると指摘し、不平等が拡大すると予想しています。

こうした指摘が正解なのだとすれば、高所得者が日常を自宅で過ごし、ちょっとした気晴らしに近隣の都市型リゾートを利用する、というモデルが、これまで以上に強いニーズをもって受け入れられるかもしれません。

個人的には、昨今の「完全会員制」シフトによる閉鎖性がより強化されて、よりうっとうしい空間になるような懸念がある一方、「会員制」という物言いが前時代的になっているような気もします。

皆さんはどう思われますか。

2 コメント

  1. Stayhome boys & girlsの皆様、いかがお過ごしですか?
    日本の新型コロナ感染が少し落ち着いてきて、気持ちがちょっと明るくなってきましたね。

    「アフターコロナの世界で、その価値観はどう変化するのでしょう」「皆さんはどう思われますか」というresortboyさんの呼びかけに手を挙げてみました。

    私の未来予想は“最悪”から出発しますので、以下、私の単なる非現実的な夢想です。悪しからず!
    題して「コロナ後の航空業界とホテル業界の最悪予想について」

    コロナ収束条件
    1 世界中で集団免疫獲得→全世界で必死で感染防止をとっているのでこれは当分無理
    2 有効なワクチンができて世界中の人々にいきわたる→相当時間(1年、2年~)がかかる
    3 ワクチン開発が遅れてコロナ感染の第2派・第3派が襲ってきたら世界大恐慌突入

    コロナ騒動が長引けば、世界中でwith coronaとなり社会は激変します。その時、最も影響を受けるのが旅行業界で、中でも「航空業界」と「ホテル業界」は壊滅的打撃を受けます。resortboyさんご指摘の「不可逆的変化」もありそうです。以下、私の最悪予想です。

    《航空業界》
    1 総2階建て超大型機エアバスA380は旅客機から全面撤退し貨物機に変換する
    2 国際線長距離のエコノミー席は廃止され、全席ビジネスクラス・ファーストクラスになる
    3 LCCの全滅
    4 格安エコノミーチケットの消滅・航空券の超高額化→庶民は飛行機に乗って海外旅行に行けない
    5 従来のマイレージの廃止(又は大幅縮小)

    《ホテル業界》
    1 大淘汰時代の幕開け→縮小均衡
    2 ビュッフェの食事による大衆動員時代の終わり
    3 ホテル代金が高額化し庶民には泊まれなくなる
    4 従来のホテル会員制度の廃止(又は大幅縮小)

    コロナ後は世界中でますます格差が広がり、リアルに高級ホテルや海外旅行を楽しめるのは一部の富裕層だけになり、一般庶民は自宅で、ますますリアル感の増した5Gバーチャルな世界で遊ぶ。

    最後に、リゾートトラストの命運は?
    インバウンド需要と無関係で、全室空室でも会員から年会費を頂き、ガラパゴス化したリゾートトラストにこそチャンスあり!オールドエクシブを切り捨て、離宮とベイコートのみを残して、超高額価格を設定し、まさに「完全プライベート、選ばれた人のための最高級リゾート」として人気復活?

  2. funasan、こういう話を考え出すと、いくら時間があっても足りないというか、ネットのリソースを見ながらいくらでも時間を使えますね。

    ちょっと思いついたことを書きます。

    怖いな、と思っているのは、いわゆる「第2波、第3波」です。スペイン風邪の流行時には、1918年春、秋、冬の3回の流行があったそうですが、第2波で恐ろしいほどの被害が出ました。夏にウイルスの活性が落ち、気持ちも緩んで一時の楽しい時間を過ごしたのちに、また流行がやってくる可能性があるかと思うと、本当に憂鬱になります。

    不可避のパンデミック第2波に備えよ:日経メディカル

    航空業界は、数日前に国際航空運送協会(IATA)が発表しているんですが、旅客需要が新コロ前の水準を回復するのは、「少なくとも5年先」になると警告したそうです。これを受けて市場は急落。

    米航空会社株が大幅安-2025年まで旅行需要停滞とIATAが予想 – Bloomberg

    以下はS&P 500 Airlines (Industry) の指数ですが、市場の評価は今が一番厳しいです。

    S&P 500 Airlines (Industry), SP500-203020:IOM Summary – FT.com

    茶飲み話としてはこんなのもありますけど。航空機向けのシートを作っている会社が、2つの面白シートを発表しています。

    Is this what flying could look like post COVID-19? | Travel | kenoshanews.com

    ホテル業界については、別の記事で何か書けないかなと思ってネタを集めているところです。どう考えても元のように戻らないだろうと思うのは、いわゆるエグゼクティブラウンジですね。無人に近いような形で食品を並べて「勝手にやってください」みたいな空間の運営は、もう成り立たないのではないかな。

    コーヒーマシンとスニッカーズを出すくらいになっちゃいそう。

    時代の要請は「非接触」なんですよね。レセプションはシールド越し、レストランではソーシャルディスタンスが取れないから食事はインルーム。できれば駐車場から誰に会わずにお部屋まで行けて、キャッシュレスのカード決済で精算。

    それってつまりはラブホですね。

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