緊急事態宣言の解除が進み、6月1日からは一部を除くエクシブで営業が再開されます(初島クラブ、伊豆、淡路島は7月1日再開予定)。世界中でホテル業界が再起動を模索する中、注目されているのが安全対策への取り組みです。15日にはリゾートトラストが感染症予防策の紹介動画を公開。その同日、フランスを本拠地とするアコーホテルズでも安全対策についての包括的な発表がありました。今日はそれらを比較しながら、ポストコロナで変わるホテルの常識について考えてみたいと思います。

1. クレンリネス

まずは清掃、クレンリネスに関して。

(画像出典:Accor「Accor launches the Cleanliness & Prevention ALLSAFE label」)

アコーでは、さまざまな産業で検査や認証を行っているビューロベリタスと提携して、ワールドワイドで「ALLSAFE」と名付けた統一の衛生基準に取り組むと発表しています。どのような基準なのか、資料がないのでわからないのですが、第三者機関に清潔さを認証してもらう、というやり方です。

(画像出典:リゾートトラスト「新型コロナウイルス感染症予防策動画」)

リゾートトラストはクレンリネスに関して以下のように発表しています。

・不特定多数が触れる個所を3時間に1度消毒
 (エレベーター、エスカレーター、トイレや階段の手すりなど)
・客室清掃時、手で触る可能性のあるすべての個所を消毒
・レストランやラウンジでは利用後にテーブルや椅子をその都度消毒
・エントランス、フロント、ラウンジ、レストラン、スパに消毒液を設置
・バックヤードの3時間ごとの消毒巡回
・バックヤードの手動扉全個所に消毒液を設置
・通用口、トイレ、従業員食堂利用時の消毒を全従業員に義務化
・従業員食堂で定期的な厨房の消毒を実施

かなり徹底した対応であることがわかります。

これについては、同社傘下の「日本橋室町三井タワー ミッドタウンクリニック」と連携して、ホテルや事業所の対策指導と衛生管理強化が実施されているとのこと。

(新しい常識 1)第三者を入れたホテル衛生の標準化への取り組み

2. ゲストとのコンタクト

アコーはだいたい、以下のようなことを言っています。

・ソーシャルディスタンスを取る
・ゲストに消毒液やマスクを配る
・ゲストの検温を実施
・フロントデスクに透明パーティションを設置
・対応ホテルではコンタクトレスの支払いやデスクフリーのチェックインを行う

リゾートトラストはどうでしょうか。

・接客スタッフは全員マスク着用
・ゲストの検温を実施
・持っていないゲストにマスクを配布
・フロントでは2メートル以上の距離を確保
・フロントカウンターにアクリルボードを設置
・客室タブレットを活用してチェックアウトの時間を短縮
・希望すれば到着後そのまま部屋に案内してチェックイン
・ベイコート倶楽部、エクシブ六甲SV、各離宮では、フロントに行かずにチェックアウト可能
・この「ノンストップ・チェックアウト」を他のエクシブにも今後導入

やはり、かなり徹底しています。

(新しい常識 2)サービスの非接触化、インルーム化

3. レストラン、食事

続いて、レストランや食事について。

アコーの資料にはあまり具体的なことが書かれていないんですが、例えば「テーブルの間隔は最低1メートル取り、テーブルの人数は最大8人」と決めているようです。また、ブッフェを否定しておらず、提供方法を工夫して再開するようです。

リゾートトラストでは、以下のような感じです。

・レストランやラウンジの座席は2メートル以上の距離を確保
・1度利用した席は、その日は使用しない
・夕食や朝食をお部屋で提供する(インルームダイニング)
・ラウンジは利用状況に応じて入場を制限
・ブッフェの中止

やはり徹底しています。

(新しい常識 3)ホテルの飲食は稼働率低下が避けられない

4. 医療サポート

最後に医療サポートについて見ます。

アコーでは、フランス発祥の保険会社であるアクサと提携して、2020年7月からアクサを通じた遠隔医療相談が無料で可能になると言います。

一方、メディカル部門を持つリゾートトラストでは、顧客に対する医療サポートがホテルサービスに組み込まれることが期待されますが、現状では特に発表されていません。ただ、5月のステイホーム週間には会員向けの電話健康相談サービスを期間限定で実施した実績があり、今後に期待が持てます。

(新しい常識 4)ホテルと医療サービスの連携

以上のように、さまざまな切り口で検証してみましたが、リゾートトラストの発表している感染防止対策は、ワールドクラスの高い水準であることが、発表資料の上では確認できました。同社はこういうところはしっかりしているので、ホテル再開の際には、安心して利用することができそうです。

(参考資料)
新型コロナウイルス感染症予防策について|リゾートトラスト株式会社

PS.
なんか今日の記事は研究家っぽいね(笑)。それにしてもリゾートトラストは対策立案を頑張ったな。冒頭の写真は、昨年行った時に撮った、ラグーナベイコート倶楽部のフロントです。

3 コメント

  1. マリオットからの「マリオットCEOより最新メッセージ: マリオットの清潔水準向上についての取り組み」と題するメールで、以下のビデオが配信されました。

    清潔な環境づくりへのマリオットの取り組み

    日本語字幕付きです。他社と同様で特に新しい話題があるわけではありませんが、「新しい常識」が大変イメージしやすい動画となっていますのでご紹介します。

  2. こんにちは。
    「with コロナ」は当たり前の状況になりつつあるように感じます。今後は各個人および社会全体が感染に気を付けながら生活していかなくてはなりません。個人的予想ですが、先進国は2021年冬、地球全体では2023年初頭までこの「with コロナ」は続くでしょう。
    コロナ根絶を達成したとしても利用者はホテル側に感染症対策を求め続けるでしょうし、対策できないホテルは淘汰(倒産)していくでしょう。
    リゾートトラストの対策は予想以上にしっかりとしていますので、続けられるところは続けて欲しいですが、コストもかかりますので、ケチな会社なだけに、そのしわ寄せがどこにくるのか、不安です。。。

  3. 東急ハーヴェストクラブからも以下の内容を知らせるメールが届きました。

    新型コロナウイルス感染症への取り組みについて│東急ハーヴェストクラブ

    内容は普通ですが、非常に見やすくてよいデザインです。伝わることは大事です。

    それにしても日本ではRTもHVCも「レストラン、ラウンジでの座席は、2メートル以上の距離」と言っています。以下のように、星野リゾートも同じです。「2メートルの距離確保」がリゾートホテルにおけるスタンダードとなったと言ってよいと思いますが、営業・稼働率に与える影響は大きいのではないでしょうか。

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