メルシャン軽井沢美術館が閉館

昨日11月6日、御代田にある「メルシャン軽井沢美術館」が閉館した。閉館の日はあいにくの雨だったが、僕を含めて閉館を惜しむファンが数多く訪れ、この重厚な佇まいの美術館での最後のひとときを楽しんでいた。

平成7年にウイスキー蒸留所のたる貯蔵庫を改修して開館したこの美術館は、所蔵作品を持たないことを逆手に、丁寧な作品集めによる企画展を年2回開催し、ファンを魅了してきた。最後の展覧会は「薔薇と光のフランス人画家「アンリ・ル・シダネル」小さな幸せ」であった。

フランスの片田舎をモチーフにした庭園作りの中に、美術館だけでなくレストランやミュージアムショップを配置。写真だけでも十分に伝わると思うが、秋のこの時期の美しさははっとするほどで、佐久平駅近辺の大規模店舗を中心とした殺伐とした風景とは一線を画した、独特の重厚さを醸し出していた。

エクシブ軽井沢の最寄り駅である御代田駅から歩いて数分という立地だから、軽井沢とは言えないほど町外れにあるエクシブのノーブルさを、わずかながらこの美術館が担っていたという印象すらある。開館以来31回に渡る企画展を運営してきたスタッフの皆さんには心より敬意を評したい。

メルシャンが昨年12月にキリンホールディングスの完全子会社になり、経営合理化をしなければならない中で、苦渋の決断だったのは理解できるが、1つ苦言を呈するならば、Webサイトまで全部閉じることはなかったのではないだろうか。企画展のレセプションのレポートなど、展覧会の余韻を楽しめるコンテンツがすべて消されてしまったのはファンの心情を理解しておらず、いささか残念である。

3 comments

  1. 寂しいですね。
    軽井沢らしい素敵な雰囲気だったことは印象に残っています。
    どんどん合理化という名のリストラが、あらゆる分野で押し寄せてきていますね。
    実に残念です。

  2. 本当に寂しいです。
    お気に入りの美術館でした。
    取り上げる展覧会も都内の大きな美術館とは異なり、
    有名どころというより味わい深いものが多く、
    そのセンスもとても気に入っていました。
    今週末も軽井沢に行きますが、もうないのかと思うと
    寂しさがこみ上げてきます。

  3. こんな素敵な美術館が、閉館してしまったなんて・・・
    私は残念なことに無知で行った事が、無いのですが・・・
    趣のある外観ですね。とても魅力的な写真です。(いつも綺麗で素敵な写真ですよね)
    とても、残念。行きたかったなぁ(p_-)

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