雨がやんだら

雨ふりの翌朝。駐車場へと向かう通路に、傘が干してあったのである。それはただ、傘が並んでいただけなのだけれど、とても几帳面に向きがそろえられていて、このホテルのありようを雄弁にもの語っていたように感じた。ホテルに抱く愛着とは、こんななんでもないシーンからこそ、生まれ出てくるものである。

アンブレラの小路を抜けて、ラウンジへ。わけもなくうれしくなる、晴れやかな朝。

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