営繕部門が開発部門に吸収へ

皆さん、確定申告は終わりましたか? 僕はまだですけど(爆)、まだ数日あるのでこれから頑張ろうと思います。さて今日は、すごく細かい話です。ここのところの僕の記事では、年会費の値上げから償却保証金の話に移ってきました。焦点は、老朽化したホテル群の今後の営繕費をどうするのか、ということかと思います。

区分所有権の付いた共有制のリゾート会員権は、一般的には次の持ち主に所有権を移転しない限り退会することができません。よくババ抜きに例えられるのはそうした特徴からですね。

営繕の主体は誰なのか

かつては所有権があることが信用や価値創造につながると見なされていたのが、時が経って「負動産」などという言葉まででき、果たして共有制がいい仕組みなのか、考え直さなければならない時代となりました。

所有してしまった建物の営繕費は直接および間接的に会員が負担し続けることになるので、その実態がわからないリゾートトラストの会員権はそこが不安材料です。僕の一連の記事ではその不安が文章に出てしまいましたね。

さて、今日の話はすごく細かくて、このレベルまでウォッチした内容を記事にすることはないのですが、タイミングがタイミングだけに単独の記事とすることにしました。以下は今日の適時開示です。

リゾートトラスト[4681]:組織変更、人事異動に関するお知らせ 2024年3月11日(適時開示) :日経会社情報DIGITAL:日本経済新聞

これによると、以下のとおりです。

開発部門において、より効率的且つ機動的な組織運用を目指すため、開発企画部と設計営繕部を統合した「開発部」を新設します。

読んで字のごとく、主に新規施設の開業を担当する部と、主に既存施設の営繕を担当する部が、4月1日から統合されることになりました。

かつて4つあった部署が1つに

いやいや、営繕が大事だから分割するならともかく、統合するって何なのよ、と思われる方が多いと思いますので(僕はそう思いました)、以下、事実関係を確認します。

まず、この新設の「開発部」は、僕が知る限り、2020年5月までは、4つの部署でした。すなわち、「開発部」「インテリア部」「建築設計営繕部」「設備設計運用部」です。

同6月に、前者2つが「開発企画部」になり、後者2つが「設計営繕部」になりました。そして来月から、その2つが1つになります。

部署が統合されるということは、予算的には同じ箱の中でやりくりするということかと、外部からは判断しています。

開発企画部の業務内容

企業内部のそれぞれの部署の業務内容は、現代においては求人サイトに掲載されていますので、誰でもその中身を知ることができます。

開発企画部は、現在、募集中です(統合を視野に入れた募集ということになります)。

リゾートトラスト株式会社/【名古屋本社勤務】リゾートホテル等の開発企画(課長以上)~プライム上場、リゾートホテル業界NO.1~/勤務地:名古屋市中区の求人情報 - 転職ならdoda(デューダ)

主要部分を引用すると、以下の通りです。

【名古屋本社勤務】リゾートホテル等の開発企画(課長以上)~プライム上場、リゾートホテル業界NO.1~

■業務内容:
・会員制ホテルの新規開発用地の仕入業務、企画設計業務、建設管理業務
 (ゴルフ場・シニアレジデンス・メディカル施設を含む)
・その他当社グループ全体へのエンジニアリング支援業務など

■業務の特徴:
・手がけるのはコロナ禍だからこそニーズが拡大している、国内会員制ホテルを中心とした新規開発案件です。

設計営繕部の業務内容

一方の設計営繕部は、部署統合の影響もあるのか、現在募集していないようですが、同じ求人サイトに過去の募集内容が掲載されていました。

リゾートトラスト株式会社の過去求人情報/施設管理 /愛知県勤務・残業時間20時間程度/施工管理(現場監督)・設備管理を活かせます! − 転職ならdoda(デューダ)

主要部分を引用すると、以下の通りです。

事業の拡大に伴い、施設管理を行う設計営繕部のメンバーを増員募集いたします。

≪配属先:名古屋本社内、設計営繕部 設備課≫
設計営繕担当として既存・新規の当社施設(ホテル・ゴルフ場・医療施設・高齢者向け住宅)における設備工事の発注や工事管理業務を行います。

全国各地にある担当ホテルについて、現場の管理人と連携し、施設の営繕計画策定や、設備トラブル時の修理・交換など工事の手配を行います。基本的には本社で業務を進め、現場訪問は週に1回程度です。

■ 既存施設の営繕工事管理
 各施設の営繕の計画や、予算の計画などを管理します。

■ 新設施設に関する設備工事・ビル管理の調整
 新規オープンの施設については、設備設計・施工業者の手配、管理業者の選定を行います。

■ 省エネ、新エネ等エネルギー管理
 省エネルギー対策と、新エネルギーの導入促進を進めています。行政の導入支援制度を活用します。

組織変更の狙いとは

どうしても、丁寧に説明すると長くなりますね。今日の発表内容に戻りますが、これらの業務を統合した部署を作る目的は、「より効率的且つ機動的な組織運用を目指す」とされています。

ん~、求人情報サイトから得た部署の人員構成から見ると、営繕部門が開発部門に吸収された、ということが言えそうです。以上、年会費や償却保証金に関係するニュースとして、営繕部門が開発部門と合併するというニュースについてまとめました。

無事にこれからの営繕費用の問題が着地することを、ステークホルダーとしては望んでいますが、このタイミングでのこの組織変更は、何を意味するのでしょう。

理解するための議論は、こうした公開の場では難しいと思うので、5月開催のKASAの会でのディスカッションで、リゾート会員権における営繕というテーマの中で取り上げてみたいと考えています。

4 comments

  1. resortboyさま
    あれ?
    内容とは全く関係のないコメントで恐縮ですが、

    どうしても、~
    ん~、~
    無事に~
    理解するための~

    の文章の各冒頭の文字が太字で強調されていたのですが、やめてしまったのですか。
    なかなか面白いユーモアだと思っていたのですが。

  2. resortboyさん

    この開発企画部と設計営繕部の併合、私は先般の新中期経営計画で打ち出された今後の施設展開、すなわち既存エクシブの改修とサンクチュアリコート開発のプランを、一括して実働させていくための第一歩ではないかと受け取りました (^^)

    今後さっそくエクシブ各施設を点検して、それぞれ建て替えなのかリニューアルなのか、あるいはSC施設への移行かを、同時に検討し具体化していくためにも、その体制を先ずは一元化して推進する必要があると判断したように思うのです。

    なお社長直轄部署に改めた「メンバーシップリレーション部」も何を意味するかは不明ながらも、あるいは旧施設の建て替えやSC施設移行に伴う閉館に備えて、対象会員への対応やサポートを担うための組織変更かなという気もしています。

  3. 八ヶ岳アウトレット跡地に、リゾートトラストが進出するとのニュースがありました。

    続報が待たれますが、どのブランドで展開するのか楽しみですね(サンクチュアリですかね)

  4. EF66さん、ツッコミをありがとうございます。ちょっと性格悪い感じ(?)に見えるように思いまして😅 そこまでしなくても伝わるかな、と思っております。

    みなさん、もうこの話は聞かないで😂

    benさん、コメントありがとうございます。僕も同意見でして、今回の部署統合は中期経営計画で会社側が話している内容や、ちょっと前に償却保証金の使われ方についてまとめた記事で触れた、同社の長年の方針に沿ったものと見ることができると思います。

    それらの方針はこれまではすごくワークしてきましたが、営繕は会員としての義務に関わる部分ですので、これからは少しずつネガティブな面も併せて見ていかないといけないと思っている次第です。

    のりパパさん、こんにちは。別のところでも話していますが、この小淵沢プロジェクトはとても興味をひかれますね。

    あのアウトレットがあれほど恵まれた場所にありながらまったく成功しなかったのは、「開発が景観維持優先でどこにあるのかすらぜんぜんわからなかった」という点にありますし、SAC琵琶湖の高島市などと違って大規模リゾートホテルで人口減をなんとかしたい!みたいな行政前のめりの機運もないと思いますし、文化人的な方も住まわれていて市民運動も盛んなので、いろいろ多難だろうなと思っています。

    これをいい機会として、こじんまりとした、地味で営繕費用がかからなさそうな(ガラスピカピカとかでない)、まったく見栄えのしないSACができるとすれば、それはリゾートトラストとしては新局面になって、逆にいいかもしれません。日光をいっそう地味にした感じでまとめるんですかね。

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