サンメンバーズ東京新宿と名古屋錦が閉館

コロナ禍で営業休止が続いていたリゾートトラストのホテル、サンメンバーズ東京新宿と同名古屋錦が閉館(営業終了)することとなりました。同社の発表によれば「老朽化が顕著」であることが閉館の理由。正式な閉館日は2022年3月31日です。

これらのホテルは、リゾートトラストが1970年代から80年代に販売した「サンメンバーズオーナーズクラブ」「サンメンバーズエグゼクティブクラブ」「サンメンバーズタイムシェアクラブ」「サンメンバーズセンチュリークラブ」といったホテル会員権において、サンメンバーズの「シティ券」と呼ばれるシティホテル用宿泊券の利用対象ホテルでした。

サンメンバーズ東京新宿(179室)は1982年の開業、名古屋錦(79室)は1979年の開業です。上述した会員権には、今回閉館するホテルの不動産登記が付いている会員権が相当数存在するものと推測します。

今回の閉館は同社によれば「サンメンバーズ・クラブ会則に定める理事会の承認」に基づいたものだと言います。その理事会がどのようなものなのか、すでにサンメンバーズを退会してしまった僕には確かめる術がありませんが、今後増えると思われる会員制ホテルの閉館の先行事例として、今回の閉館は重要な位置付けを持つと感じます。

興味を惹かれるのは以下の2点です。

1つ目は、今回の発表は「営業終了」であり、取り壊し(区分所有の対象不動産の滅失)とイコールではないことです。ホテル会員権の権利の源泉と考えられているのは、典型的には建物の区分所有であり、例えばエクシブで1室を14人または28人で共有していることがそれに当たります。閉館後のホテルはどうなるのか、そして分散した会員の区分所有権がどのように取り扱われるのについて、僕だけでなく多くのエクシブユーザーの方が関心を持たれることでしょう。

2つ目は、今回の発表で「代替の利用ホテル」が用意されたことです。

サンメンバーズ東京新宿は営業終了で利用できなくなりますが、代わりに会員制とは直接関係のない「ホテルトラスティ東京ベイサイド」がサンメンバーズのシティ券で利用できるようになります(東京ベイコート倶楽部を作る際、インスパイア元であるワイキキランドマークの形状に近づけるためにわざわざ一緒に作ったホテルで、とてもよいホテルなので僕もリピーターです)。また、名古屋には別のサンメンバーズのシティホテル、サンメンバーズ名古屋白川があるため、こちらが代替ホテルに位置づけられます。

同社は発表資料で次のように語っています。

閉館に伴い、サンメンバーズシティホテルをご利用になれるサンメンバーズメンバー様は、ご契約会員権の利用規程に準じてご利用になれるホテルを、下記のとおりご用意いたしましたので、引き続きご愛顧いただければ幸いです。

サンメンバーズは会員種別が複雑で、単純化して論ずることはできないのですが、少なくとも、会員権の重要な構成要素である客室の区分所有が、閉館によって経済的な価値を損なう事態になった段階においても、その会員権を「終了」することなしに「引き続きご愛顧」として代替ホテルを用意した同社の運営方法については、賛否両論があるのではないかと思います。

それは、今回の事例が、今後発生するオールドエクシブの老朽化対応の先行事例であるからに他なりません。

ご自身の会員権が今回の閉館に関係する方は相当数おられるものと思います。もしそのような方がこのページをご覧になっていらっしゃいましたら、ぜひ情報をお寄せください。公開してよろしければこの記事のコメント欄で、公開は困るという方はコンタクトフォームよりお願いいたします。

Contact – resortboy’s blog – リゾートホテルとホテル会員制度の研究

冒頭の写真は、サンメンバーズ東京新宿にある(あった)レストラン「エクセレントクラブ新宿」での1枚です。僕がサンメンバーズ会員だった時期には、毎年ここのディナー1人分無料券が送られてきていたので、しばしばこのレストランを利用していました。

8 comments

  1. 小分け販売してしまった施設の再開発は難しそうですね。多くの人が、リゾーピア箱根の跡地に「箱根強羅サンクチュアリコート」が建設されるだろうと予想していますが、いったん販売した区分所有権をどのようにして再び集めていくのか? マンションと同じく権利者の4/5の賛成が必要なんでしょうか? 強羅の再開発は前途多難ですね。ところでエクシブの場合は1月1日に占有日が当たっている人が代表の権利者に選ばれるんだそうですがリゾーピアにもそんな決まりがあるんでしょうか?

  2. こんにちは。
    トラスティ売却されるのですね。
    各社コロナのボディーブローが効いてきたという事ですかね?。
    高山の会員権販売が順調とのことですが、やはり採算に合わないとスッパリ切ってしまうのですね。
    会員制部門はそうならないよう願っています!

  3. ざりさん、コメントありがとうございます。よいフォローをいただきました。実は今回の記事を書いていて、リゾーピア箱根のことに思いをはせていたのでした。

    もちろん、このブログでもリゾーピア箱根の閉館の記事は書いたのですが、いろいろ想い出深い場所だったので、ついついエモい記事になってしまい、今回のように会員さんの権利の行方に思いを至らせることができていませんでした。

    リゾーピア箱根の閉館に寄せて|エクシブ箱根離宮・リゾーピア箱根 – resortboy's blog – リゾートホテルとホテル会員制度の研究

    今回、いい機会なのでリゾーピア箱根のことにも触れようかと思ったのですが、記事がくどくなってしまうのでやめたのでした。

    というわけで、リゾーピア箱根に登記が付いている多くの会員権についても、こちらにどうぞ情報をお寄せください。よろしくお願いします。

    トムさん、コメントありがとうございます。そうなんですよ。トラスティの売却の話もありまして、浜町なんてできたばかりなのに…。これでエクシブで散財してためたポイントをRTTGステータスでトラスティの無料朝食で取り返す、というストーリーが弱含みになってしまいましたよ。

    この話題は余裕があれば別稿で取り上げるつもりです。

  4. バージョン持ちにはどのような対応があるのか気になります。
    誕生月に1名分のランチorディナー無料は
    このまま消え去るのでしょうか?
    (今のところ何も連絡無しです)

  5. 東京、名古屋、大阪に1つずつ残して、まだ新しいのも含めてトラスティを全部、売却するんですね。新聞報道で読んだときには、トラスティを全て売却するんだと思って、サンメンバーズの2ホテル廃業に伴う代替施設にトラスティが1部入っていておかしいなと思いました。ビジネスホテルは止めて、会員制ホテルに経営資源を集中するという話なので、第2弾.第3弾が有るかも知れませんね。基本的に、自転車操業的経営体質で、ホテル事業からは大きな収益が上げられない以上、会員制に経営資源集中となれば新しい施設を作っていくしか無いのでは。しかし、日本だけをマーケットにするのであれば、人口減少時代に、行く先は厳しいと思われる。僕自身は、近くにベイコートが出来て、少し行かないと体が疼くほど、どっぷりはまってますが。

  6. リラックマ 、大好きさん、ansyさん、コメントをありがとうございました。こちらに反応するのを失念していまして、亀レス失礼いたします。

    この件に関連して、この記事でも写真を掲載している「エクセレントクラブ」(写真は新宿)が「閉会」となりました。このクラブも一応、会員権の仲間のようですが、僕は詳細を知りません。発表によれば「サンメンバーズ・クラブ会則に定める理事会の承認に基づき、閉会が決定いたしましたことをご通知申し上げます」とされています。

    僕もバージョン会員なのですが、別会員権のサンメンを辞めてからは、エクセレントクラブの招待券は来なくなっていました。あんまり気にしていませんでしたが…。

    ansyさんからいただいた「会員制に経営資源集中となれば新しい施設を作っていくしか無い」というのは大変重要なポイントだと思います。同社の事業は会員権の「販売」に利益が偏っていて、これをなんとかして「運営」から利益を出そうと苦労しているわけです。

    コロナ禍で販売の方は絶好調なわけですが、運営の方はそうでもないと思いますし、他のホテルの価格が下がっているのでこれまで盛んに誘致してきた団体や法人利用なども振るわないと思います。

    つまりは個人会員からの収益を増やしていくという宣言にほかなりませんから、同社のホテル利用金額は今後も継続的に引き上げられることになるだろうと予測します。それはそれで困難な経営を選択したというふうに、個人的には思っています。古い施設はその値上げと価値のアンバランスに耐えられなくなって終焉を迎えますが、そのタイミングが前倒しになることと同じですから。

  7. resortboyさん こんにちは。
    先のコメントは非常に興味深い内容ですね。
    今の時代は、運営から利益を出すのは難しいのでしょうね。
    コロナ禍で特に京都などインバウンド目当ての観光地のホテルが激安になっています。
    平日ですが、オープンして間もない街中の宿泊特化型ホテルでツインルーム1泊で5500円でした。大浴場もあり、共用部も高級感のあるホテルです。
    エクシブ京都だと最低でも13,750円からです。中心地にあるホテルでは、夕食の選択肢も多数ありタクシー代も不要です。エクシブ京都だとコース料理と2部制の制約もありビジネスや観光中心では使いにくいですね。商談が伸びると夕食の時間に間に合わなくなります。商談を打ち切ってエクシブに向かわないといけなくなります(笑)。
    エクシブの利用はホテル中心の旅にしないと何かと不都合が起きます。
    選択肢の多いこの時代で、平日の稼働を上げ収益を増やすには、やはりホテル中心ではなく利用者中心の営業内容にする必要があるかと思います。
    よくあるケースですが、出張や急な旅行で食事をルームサービスで頼もうとすると。3日前まで予約と言われがっかりしています。行くかわからない3日前に食事だけ予約が必要?
    シティーホテルに泊まれば、当然チェックイン後に、オーダー出来ます。
    朝食も、予約時間で縛られます。早くに出発して商談に行きたいのに、9:30からの食事ですと言われても、商談に間に合いません(どっち優先するか一瞬考えてしまいます(笑))。シティーホテルでは、朝食の予約時間はありません。都合の良い時間で利用可能です。
    合理性を追求した結果の営業内容では、残念ながら私は平日の稼働に貢献する事は出来ません。
    会員の使い勝手の良いホテルになればきっと、平日の稼働も上がると思います。

  8. トムさん、コメントありがとうございました。コメ返しが遅くなり、失礼しました。

    > エクシブの利用はホテル中心の旅にしないと何かと不都合が起きます

    ここはまさに、ホテル利用について大きなポイントであると思います。

    僕もファミリー利用だった時代は、エクシブをディスティネーションとして、まさに「ホテル中心」の利用でした。18年くらい前にそうした使い方でリゾート会員権を使いはじめましたが、当時はまだまだ、ホテルは拠点でそこから観光やレジャーに出かけるという考え方が強かったと思います。

    いつしかときが流れて、旅に自由さや気軽さを求めるようになり、エクシブのようなディスティネーション型のホテルよりも、気軽なシティホテルの方がニーズに合うようになりました。もちろん、たまにはエクシブに行ってどっぷりその世界観に浸かることをしたくなりますが、これら対立する世界観を意識的に使い分けないと、エクシブやベイコート倶楽部は「イラッと指数」が高くなってしまいがちです。

    ともあれ、リゾートトラストのホテルは、ホテル側の価値観を押し付ける融通の効かないタイプのサービスになるので(いい悪いではなく芸風として)、そこはアタマの中で切り分けて、クールに行きたいものです。会社として、シティ風味を捨ててディスティネーション型に全振りするわけですし、今後はますます、ってことで。

    ディナーチョイスプランでアラカルトがだめになったとか、そういうところもこんな文脈で理解すれば良いと思います。

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