ディナーチョイスプランをめぐる冒険 – 4

ディナーチョイスプランの1人利用まとめ

• ディナーチョイスプランを会員本人（同等の権利を持つ登録者を含む）が利用する場合、2人料金で1人利用が可能である

• このルールはオールドエクシブ（鳥羽本館～那須白河）で有効であり、それ以降の離宮や別邸では1人料金が高額になっている

• このプランは法人従業員向けの「格安プラン」とは違うため、ピーク（最繁忙日）を除いて週末でも使える

• 同日に同じ会員が同じホテルに別の予約を取った場合、1人利用できないことがある。その判定はレストラン利用で決まる

• その別々の予約の、夕食か朝食のいずれかで、同じレストランを同じ時間に予約すると、同伴と見なされ1人利用できない

さて、僕個人としては、ここまではっきりと適用ルールがわかれば、自分の利用には十分なのですが、KASAの会などでいろいろな方からお話を聞いていますと、自分の利用シーンにはないケースで、いろいろな疑問が出てきます。

自分のケースでない以上、同社に確認を求めるのもおかしな話ですから、ここからは皆さんの冒険、ということで、話を進めてみます。

ハーヴェストクラブで可能な、ある使い方

ここで一度、エクシブから東急ハーヴェストクラブに話題を移します。

先日のKASAの会、ハーヴェストクラブ分析回でのことです。ディスカッションの中で、ハーヴェスト会員の方がこのようなお話をされたのです。私の理解も含めてまとめると、以下のような内容でした。

「ハーヴェストはパーソンチャージであり、一般的に考えれば余裕ある単位での契約（年間30室泊）になるので宿泊券が余る。そこで1回の旅行で2枚の券を使って2部屋を取って夫婦で旅に出て、ホテルでは『じゃぁ』ということで別の部屋にチェックインする、という使い方をしている。これが大変に快適。お互いに自由気ままな時間を過ごすことができ、コスト的なオーバーヘッドもない」

僕はこのお話を聞いて、あまり深く考えずに「それはエクシブにはないハーヴェストクラブの大きなメリットですね」なんて話を進めたと思うのですが、今回の冒険の中でこの話を思い出したのでした。

エクシブはルームチャージだけれど、これまで説明したような経緯で1人利用についての配慮がありますから、もしかしたらこれと同じようなことがエクシブでもできるのでは？

適用ルールとプライバシー

話をディナーチョイスプランに戻します。僕が確認して受けた回答を再掲します。

当社として、同じ会員様の会員権で同日に同じホテルのお申し込みを確認した場合、ご親族様、ご友人様など問わずお食事（ご夕食・ご朝食）をご同席されるか否かによりご同伴者様であるか判断をさせていただいております。

前回お話したように、このルールは明確である上、利用者の関係性というプライバシーをホテル側の運用ルールに持ち込まないという点で、大変優れたものであると思います。

ですから、このルールであれば、例えば夫婦という2人の関係性も問われない、と考えなければなりませんし、さまざまな関係性が認められるべき現代では、そうであるべきでしょう。

1人利用が同時2室で使える理由

この連載で確認してきたように、これ以外に「同伴者」の判断材料はないのですから、上記のハーヴェスト会員さんの利用ケースをオールドエクシブに適用することも可能だ、と考えることができます。

つまり、エクシブのオーナー本人とオーナー対応者（配偶者であることが多い）の2人で旅に出て、ディナーチョイスプランで別々の客室を1人利用し、レストランの利用時間をずらすことでプランを成立させる。行き帰りは一緒のクルマでよく、ラウンジのお茶は一緒にすればよい。

このようなことが可能になるはずです。

「そんなことをして何の意味があるんだよ」と思われる方ばかりでないと思います。僕はこのような利用を試せる立場にいませんので、ピンときた方はぜひ「冒険」をしてみてください。

同名義で複数持ちの権利は保護されるべき

僕が検証できない問題点はまだあります。「複数持ち」の方はどうなるのか、という点です。

エクシブの会員権を複数持ったとしても、2つ目以降が割引になる、といったことはありませんから、それぞれの会員権はそれぞれに独立した権利として扱われるべきです。つまり、複数持ちの方のディナーチョイスプラン1人利用は、その会員権ごと別々に、成立の可否が判断されるべきです。

ですから、この「夫婦で2室利用」のケースでも、それぞれの会員権が独立した権利である以上、レストランの利用時間が重なった（合流した）としても、ディナーチョイスプランの1人利用はそれぞれに可能になる、と理解するほかありません。

しかしながら僕が知る限り、この連載で話してきたようなディナーチョイスプラン1人利用の判断基準は、施設により、また担当者によりばらつきがあり、統一はされていないようです。複数会員権を所有していても、同じ名義の会員権での予約では上記のような判断はされずに、「同伴」と判定されるという話も聞いています。

最後に念のため申し上げますが、これは「遊び」の話であります。楽しみの範囲で、ご自身の会員権の「権利」とは何なのかを考える、いい機会になるかもしれないと思い、長々とお話させていただきました。

全4回に渡るこんなトリビアルな話題にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。ぜひ、皆さんの冒険についても教えてください。