前回に引き続き、8月にリニューアルされたワンダーネットの現在地についてまとめてみます。今日は現在の同サービスのメイン機能である、「交換手数料」の免除についてと、形骸化しつつあるワンダーネット契約について、主に複数会員権をお持ちの方やこれから買おうという方向けに情報を整理します。
よろしければ、前回の記事からご覧ください。
前回の復習
本題に入る前に、細かな話題を片付けてしまいます。まず、復習として、現在のワンダーネットのサービス一覧です。
ベイコート倶楽部・エクシブ・WTSの各ホテル会員様のホテル利用時にかかる交換手数料の免除
ゴルフエントリーサービス(グループゴルフ場および提携ゴルフ場のWeb予約)
トラベルサービス(会員向けバスツアー、会員向け格安レンタカーサービスのWeb予約)
Web版エクシブ会員会報誌「My Resort」の提供
ワンダーネットメールサービス(メールサービス会員のみ)
家族・親戚のサブ登録会員制度(新規入会はできない)
この中で大事なのはゴルフエントリーであるということで、前回、ご紹介しました。また、My Resortはもはやワンダーネット外に出ている感じだし(独自ドメインだし)、サブ登録会員制度もRTTGポイントクラブの家族登録に置き換えられていると考えるのが妥当です。またメールサービス会員もごくわずかではないかと思われます。
というわけで、残った「トラベルサービス」から、レンタカーの話題をまずは片付けます。
レンタカー割引サービス
以前からワンダーネットではニッポンレンタカーの福利厚生用プランが利用できるようになっていて、それが今回の改変によってオープン化され、リゾートトラストの会員および関係者は誰でも使えるようになりました。
レンタカーサービス | トラベルサービス | ワンダーネット | リゾートトラスト株式会社
同じサービスは企業の福利厚生やクレジットカードの特典などで提供されているので、あまり価値があるものであるとは思いませんが、ニッポンレンタカーがお好きな方はチェックしておくと良いと思います。以下に、よりサービス内容をわかりやすく説明しているように見える、クラブオフ(AMEX特典の委託先)の該当ページを併せて紹介します。
ニッポンレンタカー おでかけ優待プラン - クラブオフ(Club Off)/アメリカン・エキスプレス ゴールド・コーポレート、ビジネス・ゴールド・カード会員特典・優待サービス
「交換手数料」の免除
では本題です。ワンダーネットの契約があると、ベイコート倶楽部・エクシブ・WTSの各ホテル会員のホテル利用時にかかる交換手数料が免除される、という、いわば昔も今もメインのサービスについてです。
サービス内容 | ワンダーネット | リゾートトラスト株式会社
これについてはRTCCが海外リゾート交換を終了するときに以下の記事を書いたので、できればそちらもご参照ください。
前回の記事でもいろいろ書きましたが、要するに、「契約施設以外の施設に宿泊した場合は、どのような予約方法であっても交換手数料は発生する」というのが原則のようです。
なお、ここではサンメンバーズのことは話題にしていません。それはそもそも交換という概念がないためで、上記公式サイトにも「ベイコート倶楽部・エクシブ・WTS」とあってサンメンバーズについては触れられていないことに注目してください。
以前の記事への補足として重要なことは、現在はフローティング予約でも交換手数料はかかると認識されている、ということです。また、鳥羽や軽井沢、白浜など、同じ敷地内の別ホテルを交換利用する場合には、交換手数料はかからないことになっているようです。
ともあれ、オールドエクシブの会員であれば、ワンダーネットは入っていたほうがいい(交換手数料が免除になる)し、歴史的経緯だとしても、契約継続の意義は残っている、ということは言えます。
複数会員権の問題
次に、会員権を複数持っている方向けに、コアな情報を書きます。
ワンダーネットは以前の記事でも書きましたが、退会することができます。
退会手続き | ワンダーネット | リゾートトラスト株式会社
ワンダーネットはもともと予約システム(+プロバイダー)であり、複数会員権を所有していてもログインIDは1つだけだったという歴史的経緯から、複数会員権を所有している会員は1つだけワンダーネット契約があれば、すべての交換手数料が無料になります。つまり、複数のワンダーネット契約があるのなら、二重に払っている分を解約して年会費を節約できます(8,000円。税抜、以下同様)。
実はこの交換手数料というのも現在は形骸化しつつあります。それは、2019年8月から販売されている「新規約」の会員権は、はじめから交換手数料が無料になっているからです。これはベイコート倶楽部をスーパーエクシブとして交換メインで販売するようになったことの影響と見ることもできます。
そしてその代わりに、これら2019年から販売された新規約の会員権は、年会費にワンダーネット相当額の8,000円が最初から組み込まれています。
この交換手数料が無料の「新会員権」は、同社内では「インクルード会員」と呼ばれています。「インクルード」されているのは、ワンダーネット相当のサービスということになります。以下のページでインクルード会員の文字を確認できます。
ホテルご利用のご案内 エクシブオーナー様|クラブネット(施設情報・予約)|リゾートトラスト株式会社
さて、このように形骸化したワンダーネット契約と交換手数料制度が合体した結果、以下のようなことが可能になっています。
ここ数年で買い増しした新規約の会員権をお持ちの方は、ワンダーネットが別契約になっている古い会員権のワンダーネットを契約解除して、新しい方の会員権と紐付けることで、古い方の会員権も交換手数料が無料になります。
これは重要なことだと思いますが、かなりマイナーな問題でもあります。気になる方はここで聞かずに会員業務部にお問い合わせいただき、結果をここでご報告くださると助かります。
ワンダーネット退会の副作用
以上のような些末かつ重要なテクニックがあるのですが、年間1万円近くが節約できますから、小さくはありません。ですが、注意点もあるのでご紹介します。
まず、エクシブ契約と同時にワンダーネットに加入した場合、年会費は8,000円になっていると思います。これを「セット会員」と呼びます。
ワンダーネットのセット会員が、ワンダーネット契約のない他のエクシブと紐づけて使っていて、セット会員になっている会員権を売却・譲渡したとしましょう。すると、残ったワンダーネット契約のない会員権で交換手数料を無料にするためには、ワンダーネットに再加入することになりますが、その際にはセット会員にはなれません。
「オプション会員」として加入すると、月会費1,000円となって割引はなく、年間12,000円と、4,000円値上がりすることになります。
入会手続き | ワンダーネット | リゾートトラスト株式会社
また同じケースで、売却時にワンダーネットのことを失念していたとしましょう。ワンダーネットは会員権番号に紐づいていますから、その会員権を売却すると、紐づいている会員権(売却せずに手元にある会員権)では、すべて交換手数料がかかってくることになります。
盲点なのはアップグレードで、この場合も会員権番号が変わってしまうので、ワンダーネットも自動退会となります。この場合は新規約での契約になると思いますので、その新会員権に対して新たに紐づけの作業が必要になるはずです。これについては、リゾートトラスト社内でもマイナーな話題としてあまり意識されていないようですので、ご注意された方がよいのかもしれません。
中古を買う場合の注意点
前述のように、2019年から販売されている新規約の会員権は、会費が8,000円高くなっていて、代わりに交換手数料が無料です。こうした会員権も、そろそろ流通市場に出回る時期となってきました。
それ以前の規約ではワンダーネットは別契約となっていますが、上記のように前オーナーがワンダーネットを解約した状態で譲渡する場合には、会員権は「セット契約」ではありませんから、「オプション契約」でワンダーネットに加入することになります。この場合、会費が年額で4,000円高くなってしまいます。
以上、長々と書きました。しかし、こんな難しい話は正直、理解不能です。まぁ、「マニア向けの面白いお話」くらいに聞いてくださればと思います。リゾート研究家としても、この話題は細かすぎてどうしましょう、という感じがいたします。
ですが、こうした細かな経緯の中に、同社のビジネスの歴史や創意工夫が感じられ、そうしたもののすべてが僕たちを魅了しているというのも、また事実かと思います。
ともあれ、業者さんから中古のエクシブを買う場合、「ワンダーネットがセット契約」かどうかは要チェック、という感じだし、業者さんはプロなので、こんなことは百も承知だと思います(話が通じなかったら黙って退散してください)。
リゾートトラストがオンラインショップ始めましたがこれも関係するのですかね?
https://shop.rtg.jp/
MASAさん、コメントありがとうございます。
これはワンダーネットとは関係ないと思いますが、買い物星人としてはちょっと気になる話題でした。カハラのトートが世界一安いかも?
<ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜>オリジナルトートバッグ(ネイビー)
公式ムックには負けるけど。
ザ・カハラ・ホテル&リゾート ALOHAマルチトートバッグ
あと、エクシブ軽井沢で売っている八幡屋礒五郎のエクシブオリジナル七味をオンラインショップでも売ってくれないかな、とか思いました。
オープン20%クーポンが…なんか無理やり買ってしまいそう(笑)高いものほどお得率たかし…
resortboyさん、詳しい説明を有り難うございました。
統合予約サイトで予約するのが通常となった今、ワンダーネットの意味があるのかしらと思って、ほとんど退会届けを出すつもりでしたが、交換手数料の免除ということがあるのですね。
オーナーである箱根離宮は近いし、よくできていますけれど、なんだかつまらなくて、他の施設(主にオールドエクシブ)を予約することが多いので、やはり退会は思い止まることにしました。教えて下さって有り難うございます。
リンクにあった「忘れられたサービス『ワンダーネット』」も再読してみました。前に読んだ時は、RTCCがらみだったので、そちらに気をとられ、ワンダーネットについてはきちんと理解していませんでしたが、今回の記事と合わせて、複雑怪奇なシステムの成り立ちと構造が大変よくわかりました。
オンラインショップ、ふるさと納税まで始まったようですね。
八幡屋礒五郎のセットは、私も大好きで、蓼科でよく買いますが、軽井沢にはオリジナルがあるとは知りませんでした。今度、気をつけて探してみます。オンラインショップは送料がかかるものもありますから、唐辛子が発売されても送料の方が高くつくかもしれませんね。
さなさん、コメントありがとうございます。過去記事も再読いただきありがとうございます。
去年の記事はRTCCのことばかり書いていて、歴史的経緯はともかく、着地点としてはわかりづらいものでしたので、今回、総まとめをしたという感じです。
ジューシーママさんが「無理やり買ってしまいそう」とおっしゃっていますが、僕もちょっとそんな気になりました。26日まで2割引は大きいですね。でも、16,500円買わないと送料が1,100円かかっちゃう。
カハラのトートは3色あるから、全部買えばギリ送料無料で2割引。